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気分は快晴。起きたら豪雨。音大受かったやったぜベイベー。傘を挿して足を鳴らす。
朝一番で黒い雲が空を覆い、雨が轟音で地面を叩く。
「不吉だぜ」
だぜ、とつければなんかアーティストっぽい、という理由で中学の時からこの口癖で生きてきている。
私の右目を隠し抑え込むこの眼帯もその理由だし、両手右足に巻いてある包帯も「くぁっコイいい〜」と思ったからである。
左足だけ呪いに侵されていない。
という設定である。信じたか?馬鹿がよ
しかしこの雨はなんとも嫌な気持ちになる。
私は傘を捨てて空を見つめ、両手を広げながら「神よ!泣き止め!大人だろ!」と叫ぶ。
向かいの散髪屋のおっさんが急いでタオルを持ってきてくれた。こんな経験が過去に遡り数十件はある。
おっさんなれてきたね。
そう言ったら怒られた。大学生なんだからと。
そうだ!音大受かったじゃん私!
「気分だけは快晴だぜぇ!」雨の中で叫んでも響かないことを良いことに私はとにかく
「ニコ動爆破あああああああ!マカロン食べたいッ!ヒャッハー!」ハゲそうなほど叫んで登校していた。
大学って登校っていうのか?知らねえよアホ。
「ゆーきのしんぐん、こおりをふんで、どーれが かーわかも、みちさえしーれーず!」
雪降ってないのに雪の進軍歌ってとにかく有頂天じゃけえ。
そのうち走ってたら。
ドン!
「っつう、いってぇなあ!Shit!」そう言って見上げると、そこには同年代の女性がいた。
おしとやかそうだな。と、外見思った瞬間
「前見ろやぁ!ドブに入って目ぇ見えねえかぁ?森に帰れぇ!そして早く寝ろぉ!」ムカッ
「失礼なやつだぜ!これだから現世は呆れる、ハッ!」乗っちまった。じょーとーだゴラァ。
「現世だあ?服装もだがこれだから厨二病脱却失敗勢は困る、ハッ!」「厨二病…?お前今私のこと厨二病といったのか…?」「…の使い方がもう拗らせてんだよ!きづけ!てか時間ねえんだよ!」
「私もだよ!」『fuck!!!!!!』
そう言ってあるき出した私達の足取りは同じ方向を向いていた。