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第一話:日常
いつもより晴れ晴れとした気分のたっつんは、陽気にじゃぱぱの部屋へ向かっていた。この日は特に何もない。何もないからこそ、楽しいことがある。
たっつんはじゃぱぱの部屋の扉を勢いよく開けると、大声で叫んだ
「じゃぱぱー!!!!起きろー!!!!」
しかしじゃぱぱは大きくいびきをかきながら眠っている。たっつんの渾身の大声でも起きない彼に、たっつんは少し悔しく思う。
「なんでこの声で起きひんねん!!!!!いつもは起きるやろ!!!!!」
さっきよりも大きめに叫ぶも、全く起きる気がしない。呆れるようにため息をつく。
「きゃあああああー!!!!!!」
と、突然遠くから女性の悲鳴が聞こえた。
その声は紛れもなくカラフルピーチメンバーの女子たちの声だった。流石のじゃぱぱもこれには飛び起き、急いで1階に駆け降りていった。
しかし向かった先には誰もおらず、朝食の用意のみが残っていた。床には落としたであろうスープや割れたグラスが散乱している。他の男子メンバーたちの声もしなかった。
「なあ、俺ら以外の皆んなは…?」
「さっきまでいたはず、だよな?」
2人で目配せをしながら辺りを確認する。が、見た目は何も異常はない。いつもと変わらぬシェアハウスの豪邸だ。しかしひとつ、いつもの何倍も静かだった。
冷や汗をかき、今にも涙が溢れそうだと言う瞬間、2人の背後に黒い影が忍び寄る。
気がつくと、とても広く暗い空間にいた。
声がするので、からぴちメンバーは全員いるようだ。
それにしても、あまりにも突然のことだったためにからぴちメンバーは皆混乱していた。そんな彼らの耳に、可愛らしい少女の声が入った。
「私はラール。あなた方を地獄へ招待いたしました。どうか、私の願いを、私の第二人格であるルガーを阻止していただきたいのです。」
ラールと名乗った少女は、艶のある真っ白な髪を腰まで伸ばし、シュミードレスのような衣装を纏っている。
混乱した状態の彼らの近くに、強く光を放つ物体が現れた。その物体はそれぞれ色や形が異なっている。
「私が持つ力はルガーも扱うことができます。そのため、今のうちにあなた方に差し上げます。地獄に無断で招待してしまったお詫びの一つとしてお受け取りください」
そう言うとラールは消え、ラールが立っていた場所には1枚の手記が残された。