ある日僕に話しかけてきた。
その子は、甚平を着てるし髪が短いから多分男の子だと思う
「何してるん?」
「…え?」
驚いた…
だって僕なんかに話しかけてくるんだから
「風鈴見てた。」
「確かに綺麗やね!」
「でしょ。僕のお気に入りなんだ」
見たことが無いようなほどに
眩しい笑顔を僕に向けてしまうから
嫌だった気分が少しマシになるような気がした
僕の名前は、あずま ゆうた
僕はいつもぼーっとしてるから 変な子って言われてる
一度言われるとおさまることを知らない
いつしか僕に声をかけるのは先生か両親だけになった。そんな僕を両親はいつも心配してる
それが居心地悪くて駄菓子屋の前のベンチに座って風鈴を見ながらぼーっとしてた
その子に聞かれた
「あんたなんて言うん?」
「…あずま ゆうた」
「オレ はあさひよろしくな !」
「聞いてないし」
少し関西風味がある喋り方だった
「じゃあゆうちゃんやね!」
「勝手に呼べば…」
でも、嬉しかった久しぶりに名前を聞かれたから
その後も飽きずに話しかけてきた
あさひが質問して、僕が答えて、あさひも答えて
その繰り返しだった。
そしたらいつのまにか夕方になってたから
「また来るわじゃあな!」
「うんバイバイ」
なんだか嵐みたいだったなあと思いながら
その日はそのまま帰った