テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ぷち
809
#ヒ腐マイ
くまりぼん@🧸🎀
11
ヒプマイ好き
378
『言葉で紡ぐ恋のライム』
〜マイクで紡ぐ恋の予感?〜
第15話 攫われた双子
姫神家
『……。』
『お姉ちゃん、怖い顔してどうしたの?』
『え、怖い顔してた?』
『うん。』
『実は…昨日やってたニュースあるでしょ?』
『東京で最近起きてる誘拐事件の?』
『えぇ。また新しい記事が出てるの。誘拐して違法マイクを浴びせ続けて監禁し続けてるって…。誘拐された子達はまだ家に帰ってないって…』
『そんな…被害者はまだまだいるってこと…?』
『えぇ。』
(許せない。女の子たちを誘拐してその挙句違法マイクで洗脳させてるなんて。)
『百合菜。お仕事よ。』
『え?』
『探偵事務所に行くわよ。』
姫神探偵事務所
『失礼するわ。』
『麻里衣お嬢様!?』
『奥様からしばらくは探偵事務所で働くようにと頼まれています、ですからお嬢様は……』
この人達はお母さんの仕事仲間の探偵。
『もちろん分かってるわ。でも、これは私の仕事よ。誘拐された子達を助けないと。』
『麻里衣。』
『!左馬刻さん…』
事務所にみんなが入ってくる。
『お前が行くことはねぇよ。言ってただろ。狙われてるのは女。つまりお前達双子も対象なんだよ。自ら狙われに行くバカいねぇよ。』
『っ……。でも、まだ家に帰れてない子が沢山いるのに、探偵として見過ごすなんて、私には出来ません。仮に私が攫われたとしても、その子達を逃がすくらい私には訳ないです。』
『頑固な奴だな…。』
『どんな風に言われても構いません。私は探偵としてこの事件を解決する義務があるんです。』
『……はぁ。分かった。それなら俺達も協力する。お前には俺らがいる。頼れよ。』
『左馬刻さん…はい。ありがとうございます。』
『姐さんの頼みならいくらでも!』
『姐さんって…』
『まだ姐さんじゃねぇよ、おめぇら。』
左馬刻さんの舎弟が事務所に入ってくる。
『倉庫とか、人が近寄らない所に監禁されてる可能性があるね。』
『東京で人気のつかない場所…沢山あるけど、そこから絞るには…。』
こうして、総力戦を挙げてみんなで探すことに――。
東京
『こんだけの人数で探してんだ、見つかるのも時間の問題だ。』
『姐さんと妹さんは俺達と一緒に行動してましょう。』
『えぇ。』
『う、うん!』
『お前ら、何に変えてもこの2人を守れよ。もしもの時があったらてめぇら沈めるからな。』
(脅し文句が怖い……。)
『人気のない場所…。ここにはいないか…。』
と、その時――。
『きゃぁぁぁ!!』
『悲鳴!?』
『姐さん!あっちからです!』
『大人しくしろ!』
『助け、誰かぁ!!』
『待ちなさい!』
『あ?!お前ら…ふっ。獲物が自分達から来てくれるとは。姫神麻里衣様と姫神百合菜様。』
『獲物…?まさか、私達をおびき寄せるために……』
『探偵のお前なら女性がたくさん攫われたらほっとけないだろ?』
『…っ。許せない…。』
『獲物とは言っても、お前達はあいつらをおびき寄せるための餌だな。』
『あいつら?って…』
『AlternativeRapBattle上位チーム…
6チームのあいつらだよ。』
『!?みんなは関係ないでしょ!?』
『関係あるね。上位チームってだけでチヤホヤされてムカつくんだよ。』
『ただの逆恨みじゃん…』
『うるせぇ!この女がどうなってもいいのか!』
ブォォン
『違法マイク…っ。』
『姐さん達、ここは下がって下さい!俺達がマイクで……っ。』
ブォォン
マイクを起動させる。
『それはどうかな?』
ゾロゾロと背後を囲まれる。
『っ!』
『飛んで火に入る夏の虫だなぁ?』
数時間後――
『う、く…ぅ。』
『みなさん!』
『どうだよ。俺たちのリリックは。お前らを庇ったこいつらは再起不能だ。』
『……っ。』
『お姉ちゃん…』
『大人しく攫われる気になったか?』
『……。』
(私のマイクを起動すればこいつらを負かせられるかもしれない。でも、人数が多いから勝てっこない。私達が負ければあの女の子も…。)
『…貴方達の目的は私たち双子よね。なら、その子は関係ないわ。』
『お姉ちゃん?』
『その子を解放して、代わりに私たち双子を連れてきなさい。』
『随分あっさりだな?』
『抵抗しても叶わない相手に突っかかって行くほど馬鹿じゃないわ。』
『お姉ちゃん、でも…っ。』
『大丈夫。貴方のことは必ず私が守るから。
身代金ならいくらでも要求しなさい。望む額を用意させるから。さぁ、早く連れてきなさいよ。』
『ふん、おい、車にぶち込んどけ。』
女を解放し双子を連れ去る。
『おい、女、これをあいつらに渡しておけ。』
『っ……。そんな、麻里衣さん、百合菜さん…。』
私は紙を抱えて走った。
『ったく、見つからねぇ…どこだよ…』
『一兄、2人と連絡がつきません!』
『は?まさか…』
『舎弟にも連絡がつかねんだよ、あいつら何してんだよ…』
『あ、あの…!』
『あ?』
『こ、こっちに来てくれませんか!』
『っ、お前ら!』
『か、カシラ…っ。』
『すんません、俺らが不甲斐ないせいで姐さん達が……』
『っ……クソが。』
『麻里衣さん達が、私が誘拐されそうなところを、代わりに…っ。そして、これを…』
俺は女から紙を受け取る。
『双子は預かった、助けて欲しければ身代金3000万と交換だ。』
『……チッ!』
グシャッと紙を握りしめる。
俺たちは1度麻里衣さんの家に帰り、母親と父親に連絡することに。
『麻里衣と、百合菜が……!?』
『申し訳ありません、奥様、旦那様、私がいながら……。』
『今すぐ帰国するわ。蘭、貴方への罰は後程決めるわ。』
ブチッ。
『私への罰ならいくらでもお受けします…。これら明らかに私の失態です。』
『クソ共が……。俺の麻里衣を攫いやがって…ぶち殺してやる。』
『最初から麻里衣達が目的で…。』
『麻里姉達は大企業の探偵事務所の娘として知られている。だから身代金を要求したんですね。』
『まりぃちゃんったら代わりに誘拐されるとか、無理しすぎだよ…バカ。』
『まぁ、彼女らしいですが…。』
『お嬢様は正義感の強いお方です。昔からそうなんです。』
ガチャ!
『奥様、旦那様…。』
カツカツ…。
バチンッ!
『…!?』
『貴方がいながら…どうして…』
『紫子!落ち着いてくれ、悪いのは2人を攫った奴らだ。』
姫神紫子(きしんゆかりこ)数々の事件を解決してきた敏腕探偵
『あれが2人のお母さん…?美人だけど怖そうだね…。』
『奥様…申し訳ありません…。』
『蘭、顔を上げなさい。』
『旦那様……。』
『まずは落ち着いて経緯が知りたい。』
姫神蓮実(きしんはすみ)姫神家の探偵
姫神探偵事務所の社長
『なるほど…最近立て続けに東京では誘拐事件があり、2人が攫われた、と。』
『はい。』
『そして、身代金を要求か。正直なところ、身代金ならいくらでも払う。愛する娘達のためなら惜しくない。』
『…お義母さん。』
『何かしら。』
『その犯人グループの狙いは俺らです。AlternativeRapBattleの上位チームの俺らが気に入らなくて、2人を…』
『…麻里衣と百合菜が2人攫われたのはそういうことなのね。場所は?攫われた場所… 』
『それが、場所は書いてなくて…』
『……。蘭、逆探知機を用意してくれ。』
『かしこまりました。』
『なるほど、電話をかけてきたら逆探知をして居場所を突き止めるんですね。』
『相手が用意周到なら、デジタルではなく、アナログでかけてくるはずだ。後は30秒引き延ばせれば…』
『でも、もしバレたら…』
『…うちの娘を侮らないで頂戴。姫神家の探偵の娘よ?私達親のことなら見なくてもわかるのよ。』
東京 某所
『攫われたのは私達だけじゃないみたいね…』
『この子達意識あるよね…?』
『貴方達、大丈夫?』
『う、あ、あなたは…?』
『私は探偵よ。大丈夫。すぐに助けてあげるから。』
『あ、ありがとうございます…。』
『まずは、犯行声明でもだすか。こいつの探偵事務所に電話をかけて…。』
プルルルル…
『……。』
(私たちが攫われたことは、きっと、お母さん達にも伝わってる。ということは帰国して今は家にいる。そして、逆探知気を用意している。
アナログでかけてるから最低でも30秒以上は引き止めないと。)
『犯人から電話です!』
『もしもし。』
『お前らの大事な娘は預かってる。返して欲しければ身代金用意しな。』
『身代金はいくらでも払おう。娘達の声を聞かせてくれ。』
『それはお前ら次第だ、じゃあな。』
と、電話が切られ…る前に電話越しで声がする。
『クスッ。あははっ!』
『麻里衣の声…?』
『おい!何がおかしい!』
『テンプレ通りの反応ありがとう。声くらい聞かせてあげたらどう?声を聞いたところで何も私たちにはできないんだし。』
『生意気な女だな…。おい。』
受話器を耳にやる。
『お母さん?お父さん?私と百合菜なら無事よ。』
『あと少しだけ耐えてくれ。必ず助けに行く。』
『えぇ。待ってるわ。』
『ママ!パパ!』
『百合菜も頑張って、お姉ちゃんがいれば大丈夫よ。』
『うん!』
ブチッ。
『……上手くいったわ。』
『場所は𓏸𓏸工場跡地。流石麻里衣だ。相手を煽り電話を長引かせた、我が娘ながら恐ろしい。』
『お義母さん、お義父さん。ここからは俺たちの仕事です。』
『俺の女をさらったクソどもには死あるのみだ。』
『僕のライムでお仕置きしちゃおっ♡♡』
『必ず娘さん達を助けます。』
『拙僧に任せておけ、必ず助けてやっから!』
『犯人どもにはお仕置きせななぁ。キツーいお仕置が。』
『ボソッ。私が時間を稼ぐわ。その隙に貴方達は逃げなさい。』
『で、でも、』
『大丈夫。ここの場所は特定された。すぐに助けが来る。』
私は縄を隠してたナイフで切る。
パラッ。
『早く、逃げなさい。百合菜。貴方もよ。』
パラッ。
『お姉ちゃん…』
『行きなさい!』
監視の目を盗み、女の子達を走らせる。
『あっ!お前ら!くそ、いつの間に縄を…!おい!双子の片割れがいないぞ!妹の方か!』
『てめぇ、どうなるか分かってんのか?』
私は縛られた手で太い木の棒を持つ。
『俺らに勝てると思ってんのか?』
『やってみないと…分からないわ。』
と、その時――。
『ああああっ!!』
頭を劈くような音色が響く。
『違法マイク…っ。』
『俺のリリックはどうだ?立ち上がれないほど痛いだろ?』
『あ、うぐ…っ。』
クラっと立ちくらみがしてその場に倒れ込む。
シャッ!
『い…っ!』
頬にナイフが当たり、血が滴る。
『綺麗な顔に傷を付けるのは気が引けたが……その綺麗な顔をぐしゃぐしゃにするのは堪らねぇな…。』
バチンッ!
頬を叩かれ赤く染まる。
(ここまで、ね…。でも、他の女の子達は逃がせた…後は、みんながくれば…。)
ガラッ!!
『てめぇら…死ぬ覚悟はできてんのか……?』
『みんな…。』
『麻里衣。他の女は無事だ。今保護したからな。』
『お姉ちゃん、時間稼いでくれてありがとう!』
『百合菜…逃げられたのね…』
『さて…覚悟出来てるよね?』
僕達はマイクを起動する。
6チームのリーダーのリリックを食らった犯人達は再起不能になり、そのまま警察に捕まった。
パラッ
縄を解かれる。
『遅くなってすみません…麻里衣さん。』
『大丈夫ですよ、助けに来てくれてありがとうございました。みなさん。』
『っ!その顔……』
『!これくらい大丈夫です。』
『……。』
と、強がる手は震えている。
ギュッ。左馬刻さんに抱き締められる。
『っ…!』
『馬鹿野郎。こわかったんだろが。』
『っ…』
『怖い思いさせて悪かった。麻里衣。』
『っ……ぐす、はい…っ。』
誘拐事件は無事解決した。
『お母さん、お父さん。心配かけてごめんなさい。』
『いいのよ、貴方が無事なら。』
『よく帰ってきた。麻里衣。百合菜。』
『お嬢様。申し訳ありません、私のせいで…』
『大丈夫よ。お母さん、お父さん。蘭は何も悪くないから罰を与えないであげて。お願い。』
『貴方がそういうなら分かったわ。』
『あぁ。2人が無事ならお咎めなしだ。』
『ところで、2人とも。将来の旦那様は決めたの?』
『『!!』』
『いきなりそれ?』
『お母さんらしいな……。』
双子の思いは一体誰へと向くのか…。
次回もお楽しみに♡
コメント
1件
読ませていただきました…!第15話、麻里衣さんの芯の強さが本当に眩しかったです。自ら人質になる決断も、他の女の子を逃がすための時間稼ぎも、すべてが「探偵としての誇り」と「姉としての愛情」から来ているのが伝わってきて胸が熱くなりました。最後に左馬刻さんに抱きしめられて「怖かった」と素直に泣くシーン、あのギャップがたまらなかったです…!次回の告白シーン、楽しみにしていますね🌷