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(25) (24)
【プロポーズ】
時計の針は、夜の十時を回ろうとしていたところ
大学時代から数えて、付き合って丸三年
今日がその大切な記念日であることを、ないこはまだ半分しか知らな
ただのちょっと奮発したお家ディナー、くらいに思っているはずだ
「…はー、お腹いっぱい! まろ今日も本当に美味しかった!」
ダイニングチェアの上で、ないこがうーんと小さく両手を上げて伸びをする
部屋着代わりにしているのは、俺が着古した少し大きめの白Tシャツ
普段はないこが服をくれる側だが、余程この服が気に入ってくれたからあげた物だ
ないこ が着ると首元がゆるりと鎖骨まで覗き、裾からはしなやかで細い太ももが大胆に伸びていた
リビングの関節照明に照らされて、その肌はやけに白く、眩しく見える
付き合って三年も経っているというのに無防備な姿を見るたび、俺の心臓はいまだにドクンと大きく跳ねてしまう
慣れるどころか、ないこへの愛おしさは日々更新されている
「ないこ、ちょっとこっち来て」
俺はダイニングからソファへと移動し、ぽんぽんと自分の隣のスペースを叩いた
「ん? なぁに? デザート?」
と、目を輝かせながら嬉しそうに首を傾け、ないこが俺の隣に潜り込んでくる
すれ違いざまに、ないこの髪から愛用しているシャンプーの甘い香りがふわリと鼻腔をくすぐった。
ブリーチで傷んだそのピンク髪もその香りを嗅ぐだけで、俺の頭のどこかのスイッチがカチリと切り替わるのが分かる
ないこをすっぽりと腕の中に抱き寄せると、ないこは当たり前のように、心地よさそうに俺の胸に体を預けてきた
細い肩、柔らかい背中、腕の中にぴったりと収まる愛おしい体温
本当に5cmしか変わらないのかと思ってしまうほど、愛らしく華奢な体だ
心臓の鼓動が重なるような距離で、俺はないこのすらりとした綺麗な手をそっと握りしめた
「なぁ、ないこ今日でさ、俺たちが付き合ってちょうど三年なんだよね」
「うん、知ってるよ? だから今日、まろが美味しいご飯作ってくれたんでしょ? 記念日、ちゃんと覚えててくれて嬉しかった」
ないこは俺の胸に顔をすり寄せながら、無邪気に笑う
その笑顔がたまらなく愛おしくて、同時にこれから伝える言葉への緊張で、俺の心臓はさらにスピードを上げた
「そう、でもねもう一つ理由があるんだ」
俺はないこの体を少しだけ引き離し、まっすぐにその透き通った瞳を見つめた
そして、ポケットの奥でずっと出番を待っていた、小さなベロア調の箱を取り出した
手のひらの上で、その箱をないこの目の前に差し出す
ないこの身体が、一瞬でこわばったのが伝わってきた
「…えッ…? これって……」
と、彼女の小さな唇から息が漏れる
「3年間、恋人として、メンバーとして6年間ずっと隣にいて、相棒権恋人で居てくれてありがとう」
「楽しいことも、ちょっとした喧嘩も、ないこと一緒だったから全部が幸せだった。俺、これからもずっと、ないこの隣で生きていきたい」
「…俺と、結婚してください」
パカリとドラマのワンシーンのように箱を開けると、中央に鎮座した小さなダイヤモンドが、部屋の明かりを反射してきらきらと眩しく輝いた
ないこは両手で口元を覆い、その大きな瞳にみるみるうちに涙を溜めていく
武道館ライブの時も、初めてのドームライブの時も泣かなかったないこが
視界が潤んでいくのを隠すように、何度も瞬きをしながら、俺の手の中にある指輪と、俺の顔を交互に見つめていた
「…ッずるいっ…そんなの、断るわけないじゃん…っ/」
ぽろぽろと大粒の涙をこぼしながら、ないこは俺の首に強くしがみついてきた
「…よろしくお願いしますッ」
「ずっと、ずっと、待ってたんだからッッ…/ / /」
ぐすっ
という震える声が、俺の鎖骨のあたりにじんわりと染み込んでいく
その瞬間、俺の中で張り詰めていた緊張が解け、代わりに底なしの愛おしさが一気に開放された
ないこの背中に腕を回し、これでもかというほど強く抱きしめる
「ほんまにっ、ありがとう、ないこ」
「愛しとるよ」
少しだけ身体を離し、涙で濡れたないこの頬を親指で優しく撫でた
「泣かないで…せっかく可愛い顔が台無しだよ」
「だって、嬉しかったんだもんっ…」
ふくれたように唇を尖らせるないこが、どうしようもなく愛おしい
俺は我慢できずに、結婚後初めてのキスを落とした
いつもなら、ちゅ、と触れるだけの軽いキス
だけど今は、お互いの熱を確かめ合うような、深く、濃密なキス
驚いたように一瞬丸くなったないこの瞳が、すぐにトロンと熱を帯びて蕩けていく
ないこの小さな舌が、求めるように俺の舌にそっと絡みついてきた
「…んっ……ふっ/ /」
「…はぁっ…/」
キスの隙間から漏れる、熱を帯びたつやっぽい吐息
ないこの細い手が、俺のシャツをぎゅっと掴んでいる
その指先が、早くも甘い快感に震えているのが分かった
唇を離すと、ないこの瞳は完全に潤み、頬は林檎のように赤く染まっていた
いつもより一段と色っぽく見えるその表情に、俺えっちな思考は完全に吹き飛んでしまう
「…ッ…ないこ…/ /」
「ベット行こ…/」
「うんっ…、まろ、だっこして……?/」
普段は恥ずかしがって言わないような甘えたおねだりに、俺の奥底の衝動が完全に火を吹いた
ないこの膝裏と背中に腕を回し、軽々と姫抱きにする
ないこは「わっ」と小さく声を上げながらも、俺の首に嬉しそうに両腕を絡めてきた
寝室へと向かうわずかな歩みの間も、ないこは俺の耳元や首筋に小さなキスを落としてくる
「もう、待ちきれないの?w」
と少しからかうと、
「まろがかっこよすぎるのが悪いんだよ…/ / /」
と、小さな声で反論された
ベッドにないこの身体をそっと横たえる。
白いシーツの上に広がったないこのピンク髪と、俺を見上げる熱い視線
そのすべてが、今この瞬間から俺だけのものになるのだという独占欲が、胸の奥を満たしていく
上から覆いかぶさると、ないこは嬉しそうに微笑んで、俺の頬を両手出包み込んだ
「まろ…指輪、つけて?」
「そっか、まだだったね」
リビングに戻り、急いで指輪の箱を持ってきた。ベッドの縁に腰掛け、ないこの左手を取る
細くて、少し冷たいないこの薬指
そこに、きらめく指輪を根元までゆっくりと滑り込ませた
サイズはぴったりだった
ないこは自分の左手を顔の前に掲げ、嬉しそうに何度も指を動かしてダイヤの輝きを眺めている
「綺麗……本当に、まろのお嫁さんになるんだね」
「うん…もう逃がさへんかんな」
俺はその薬指の付け根、指輪のすぐ上の肌に、誓いを立てるように深く口づけをした
ないこの身体が、びくりと可愛らしく跳ねる
「ん…っ/そこ、くすぐったいっ…/ /」
「…ふふっ…かわいい…」
意地悪く微笑みながら、俺はキスを上へと這わせていった
手首の内側、柔らかな二の腕、そして首筋へ
ないこの肌は驚くほど柔らかく、そして温かい
俺の唇が触れるたびに、ないこら
「…んうっ…/」
と甘い悲鳴を上げる
「まろっ…もっと、ちゃんとキスして……/」
ないこ が僕の髪を引っ張り、自分の顔へと引き寄せる
望まれるままに、俺は再びないこの唇を奪った
今度はさっきよりも激しく、深く、お互いの唾液が交わる音が静かな寝室に小さく響く
ないこのTシャツの裾から、俺の手を滑り込ませた
引き締まったウエストから、滑らかな背中の肌へと手のひらを滑らせる
下着をつけていないないこの背中は、驚くほどダイレクトに俺の手の熱を吸い上げていく
「…んむっ…/ んっ…ふぅっ…/ /」
キスを繋いだまま、俺の手が胸元へと上がっていくと、ないこは俺の肩をきゅっと掴んで、弓なりに身体を逸らした
掌に収まる柔らかな感触
親指でその先端を優しく擦ると、ないこは鼻にかかった甘い声を漏らして、俺の口内で小さく舌を震わせた
「…んっ…/…ふっ…まろッ熱い…/ /」
「…ちゅーばっかじゃなくってまろのも欲しい…っ/ /」
唇が離れた瞬間、ないこの口から溢れ出たのは、そんなとろけるようなセリフだった
潤んだ瞳は完全に欲に濡れていて、俺を誘うように見つめている
付き合って三年、何度も身体を重ねてきたはずなのに、今日のないこは信じられないくらい色っぽくて、俺を狂わせる
「…ッ俺も…もぅ我慢できない…ッ」
「…俺のもんにしてええっ…?」
「…うん…っ/ 全部、まろのものにして…ッ」
その言葉を合図に、俺はないこのTシャツを優しく、けれど確実に頭から剥ぎ取った
関節照明の薄明かりの中に露わになった、ないこの完璧なプロポーション
少し早くなった呼吸に合わせて、ピンク色をした突起が上下に揺れている
俺はないこの胸元に顔を埋め、柔らかな肌に何度もキスを落とし、吸い付ついた
「…あっ…ぁうっ…/ ッまろっ…そこッ/ /」
「きもちっ…/ / /」
ないこは俺の頭を抱きかかえるようにして、甘い声を惜しげもなく部屋に響かせる
ないこが感じるたびに、俺の身体の芯も、は//ち切れそうなほどに熱く昂っていくのが分かった
お互いの衣服をすべて脱ぎ捨て、完全に素肌同士で重なり合う
肌と肌が触れ合う摩擦が、心地よい熱となって脳を痺れさせていく
ないこのしなやかな脚が、俺の腰を挟むようにして絡みついてきた
「…まろっ…/ / …なかッキュンキュンしてるっ…/ / /」
「…はゃくぃれてッ/ / /」
「… ないこ 愛してんで…/これから、一生ずっと」
「…俺もッ…俺もッ愛してるッ…/ /!」
お互いの愛の言葉が交わされた瞬間、俺たちは最も深い場所で繋がった
どちゅ
「…んぁッ…!!」
「…んッ…ふぅッ…/ /」
ないこの口から、今日一番の、甘く高い悲鳴が上がる
中に入った僕のペニスを、ないこの温かく、濡れた内壁がぎゅっと全方位から締め付けてくる
その最高の締め付けに、俺の腰は自然と、そして衝動的に動き始めていた
「…ィ︎︎゙ッッ…ぉあ︎︎゙ッ…/ /」
「…ないこッ…きもちえぇッ…/」
「…出してもええッ…?」
「…ぅん…/ /」
「…ィ︎︎゙くッ…/ /」
びゅるる
「…ぁあ︎︎゙ア︎︎゙ッ…/ / …まぉのッ…あったかぁ…/ /」
シーツが擦れる音と、肉と肉がぶつかり合う淫らな音が、プロポーズの夜の静寂を塗り替えていく
俺はないこの手を強く握りしめ、指を絡め合わせた
ないこの薬指で、ダイヤモンドが俺たちのピストンに合わせて、不規則に、けれど美しくきらきらと光を放っている
それを見るたび、胸の奥が熱い幸福感で満たされる
「…ないこ…顔見せて」
「…ぃやッ…/ はずかしッ…/ /」
「…でもッ / まろの顔みたぃ…/ / /」
くるっ
恥ずかしそうにしながらも、ないこはまっすぐに俺を見た
その表情は、快感に 歪みながらも、 紛れもない幸福に満ち満ちていた
愛おしさが限界を突破し、俺は腰の動きをさらに速めた
激しく、深く、ないこの最奥を突き上げる
「…ぁ︎︎゙ア︎︎゙ぁ…/ / / …ィ︎︎゙くっ…いク︎︎゙ッ…/ 」
「…まろッ…/ …いっしょ…ィ︎︎゙こっ…?/」
「…ええで笑…そのかわりッ…しっかり受け止めろよッッ…!」
びゅるる
ないこの身体が大きく震え、内壁が 激しく俺を 収縮させて 締め付ける
それと同時に、俺も我慢の限界を迎え、ないこの最も深い場所へと、熱い精液を何度も 強く 吐き出した
「あ、はぁぁ……っ、ん……っ」
二人の身体が、心地よい疲労感と、圧倒的な幸福感の中で、ゆっくりと重なり合ったまま静止する
部屋の中には、しばらくの間、二人の荒い呼吸の音だけが響いていた
やがて、俺がゆっくりと身体を離すと、ないこは名残惜しそうに俺の手を引っ張った
「まだ、繋がってたい……/ /」
と、 涙目で 呟く
「ふふっ…離れないよ、ずっとここにいる」
俺はないこを横から抱きしめ、一枚の毛布を二人で被った
ないこの額ににじんだ汗を優しく拭い、そのおでこにキスをする
ないこは俺の胸に顔を埋め、左手を俺の胸の上に置いた
暗闇の中でも、ないこの薬指の指輪は、確かに二人の絆を証明するように輝いていた
「…まろっ…/…今ね本当に幸せ、最高の記念日になった…/ /」
「俺もだよ。これからは毎日が記念日みたいなもんだからね」
「…ふふっ…何それ…/ でも、楽しみにしてる…/」
ないこは幸せそうに目を閉じ、数分もしないうちに、規則正しい寝息を立て始めた
愛おしい俺の婚約者
その寝顔をいつまでも見つめながら、俺はないこを腕の中でさらに強く抱きしめた
付き合って3年目の夜は、二人の永遠の始まりを祝福するように、どこまでも甘く、深く、静かに更けていった
粉雪 戻ってきたよ
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コメント
1件
あっ…! 読み終わったわ…これ、めちゃくちゃ甘くて尊い…! 付き合って3年目のプロポーズ、しかも「愛しとるよ」とか言われたら完全にノックアウトよ…(涙) 指輪をはめるシーンとか、涙ぐみながら「ずっと待ってた」って言葉とか、もう一体どこからツッコめばいいんだってくらい幸せな空間が広がってて、読んでるこっちまでキュンキュンしちゃったわ。 最後の寝室の描写とか、大切に重ねてる感がすごく伝わってきたし、「逃がさへん」って関西弁の独占欲にまたやられた…! 最高のプロポーズ話、ありがとう!