私は独りぼっちじゃない、俊哉に長年家族の厄介者と言われてきたけどそうじゃない
兄も義姉も私の事をこんなに大切に思ってくれてたんだ
そう思ったら本当に心が軽くなった
しばらく二人は泣きながら熱い抱擁をといて、兄が私に言った
「甥っ子に会ってやってくれ、今は寝てるからそ~っとな 」
玄関すぐ横の真っ白なドアを開けると、そこは子供用の寝室だった
真っ白な王様のようなベビーべッドに、8か月になる男の子の赤ちゃんが眠っていた
「はじめまちてぇ~・・・陽翔(はると)君でちゅよぉ~ 」
兄が小声で私の右横で言った、思わず赤ちゃん言葉を使っている兄が、おかしくて私は噴き出した
「シ~・・ハル君が起きちゃうわ・・・ 」
やっぱり笑いながら義姉も私の左横で言った
しばらく3人で寝ている赤ん坊を息をつめて見つめる
このままずっとこうして一日中でも見つめていられそうだ
なんて・・・・
かわいいの・・・・・
8か月になる私の甥はまるまると太っていて、水色の足まで隠れるロンパースを着ていた
まだ歯の生えそろっていない口を大きく開けて、寝ているさまが本当にかわいらしかった
また涙があふれた、この世にこんな穢れのない生き物がいるなんて
「またモヒカン刈りになっているぞ」
兄がニコニコしながら言った
「あなたに似て、髪が多いから仕方がないのよ、起きたら髪にそっと水をつけて逆毛を、ベビーブラシで梳いてあげるとハンサムになるわ」
弘美さんも笑いながら言った
できれば抱っこしたかったけど、まだコルセットを巻いているので仕方なく、私は彼の手をちょんちょんとつつくだけで我慢した
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