コメント
2件
最高です貴方様のゴリゴリにセンシティブな作品も最高なんですけど、こういう...なんて言えばいいんだろう、なんか、オシャレ?な感じの長編がマジで好きです!これからも無理せず頑張ってください
投稿遅れてしまった!!!申し訳ないです!!
rbru/誤字あるかも/nmmn/ご本人様関係NOTHING/18
rb『』 ru「」
小柳side
その日は雲が多くて薄暗く、月がとても綺麗に見えた日だった。
ただ同時に、何かが消えてしまいそうな、そんな空だった。
そんな空が、まるで君のように見えた。
空の上は、普通の夕暮れなのに。
なのに
まるで自分の心に靄がかかってくるかのように
雲は美しい空を見えなくさせた。
自分の遥か遠くにあるはずの雲がまるで
自分の周りを纏い付くようで
月がとても輝いたように見えた。
君が消えてしまうのではないか、そう考えてしまったらもうどうしようも出来なくなっていた。
だから深く、深く、生きていることを確かめ合いたくて身体を重ね合った。
快感を求め、身体を重ね合った訳では無い。
愛と言葉に満たされた君の表情を見ると
不思議と安心できたからだ。
初めて身体を重ね合った日もこんな風景だった。
その日も雨が降っていた。
今日と同じ様に。
雨は退いた空を見ると儚く消え散ってしまいそうな
そんな空だった。
その日からだろうか。
自分達が生きていることを確かめるように
毎日身体を重ね合った。
その日は溶けるように愛し愛され合った。
外で鳴り響く雨音と部屋に響いたキスの音は
自分達を高めるのと同時に自分達が雨音に掻き消され攫われていくようだった。
美しい風景、なのに儚く消えてしまいそうな空とより一層輝く月。
こんな空を見ると俺の事を忘れた星導が頭の中に浮かんできて、何故今こんなにも愛されているのに
きっといつか俺の事をまた忘れる
そんな事を思ってしまう自分が嫌で嫌で仕方がなかった。
そんな外を見ながら今日も身体を重ね合わせようと
自分の恋人を愛に溺れさせようとした。
でも、愛に溺れて居たのは俺も同じだったのかもしれない。
星導side
俺の愛と快感に満たされているその顔が
愛しくて堪らなかった。
毎日身体を重ね合っても冷めることなんて一度も無かった。
だけど、毎日寂しそうな悲しそうな、そんな様な顔をして俺の身体を求めてきた。
でも俺の愛に満たされてくると淫らな表情をして
俺に愛を囁いてくれたり愛を示した跡をつけてくれた。
小柳くんは嫌がるが、毎日身体を求め合う前のその顔が心配で心配で。
だから自分で心の不安を消そうとしていたのか、
それとも自分の本能なのかは分からないが
顔を絶対に見れるような体位で身体を重ね合った。
雨が降った日はいつもより一段と儚げで哀しみに溢れた顔をして、いつもより激しく深く身体を求めてきた。
でも長く、そして深くキスをすると毎回少し安心した表情になってくれた。
正直こんなに愛らしい姿を見せられてずっとキスをするのは生殺しだが、哀しみに溢れたような顔をさせるのはもう嫌だった。
ねぇ、小柳くん。
君は雨が降り、止んだ日の空を見ると
毎回儚げで哀しみに溢れ、風景の儚げさと共に
攫われ消えてしまいそうな顔をしてる。
雨が降り続けた日は
愛を求め何かを探そうとしている。
哀しみに溢れたような顔を見るのは嫌なのに、
その分俺の愛に溺れ、もっと身体を求めてくる、そんな一面を見せてくれるのが嬉しかった。
そんな最低で、自己中な葛藤が俺の中をぐるぐると渦巻いていった。
一番最初に身体を重ね合わせた時の君は今でも
ずーっと覚えている。
その日は雨が降っていた。
部屋に沈黙が流れて俺が立ち上がった時、
君が俺の袖を掴んだ。そのまま俺の手首を掴んで
ソファに引き寄せた。
君は俺の腕を君の胸に当てさせた。
そんな君を俺はソファにゆっくりと押し倒した。
部屋の沈黙が、外の雨音をより際立たせた。
押し倒された君は俺の片手は掴んだまま
俺の首に片手を回してきて掴まれた腕は少しづつ
指先と指先が絡まり合っていった。
俺の伸びた髪が少し邪魔だったのか俺の首に回した手を使って髪を左に纏め流した。
ソファに置かれた自分の片腕の指先は
不思議と君の唇に持っていかれて
絡み合わせた指はソファに押し付け
君の唇に触れた指はとうに消えて自分の唇と触れ合っていた。
柔らかくて薄い唇だった。
君の唇に触れた指は俺の首に回された腕に触れ
ゆっくりと指を絡め合わせて両腕とも指が絡まり合った状態にした。
もう一回、唇を触れ合わせた。
少し火照った顔が可愛らしくて、もっと先の顔が見たくなってしまった。
深く長いキスをすると君は少し顔を逸らした。
目を合わせて欲しくて絡めた指を解き
顎を優しく掴んで目を合わせるようにする。
もう一度触れ合うだけのキスをする。
少しづつ自分の余裕が無くなってきて
絡めあった指を解きソファ立ち上がって床に跪き、少し驚いたような表情をした君の背中と太ももの下に手をやって自分が立ち上がると共に腕を上に上げる。
軽々と持ち上げられた君は少し顔を伏せ耳を赤くしながらも頭を俺の胸の方に当ててくる。
寝室につき、ゆっくりと君をベッドに下ろす。
『ねぇ、どうしてほしい?』
と君の胸の真ん中から少し筋肉のついた腹をなぞる。肩をビクッと震わす君が愛おしくて仕方がなかった。
「⋯、好きにして良いよ」
『⋯、服脱いで?』
「⋯やだ。ほしるべが脱がして?」
『⋯あんま煽んないでね』
そんな会話をしながら身体を重ね愛し合った。
雨音と色んな音が混ざって、目の前には
乱れ咲いた愛する恋人。
声を我慢する仕草も、俺に愛を囁く姿も何もかもが
愛しくて。
それが始まりだった。
そこから君は毎日儚げな顔をして、
雨が降った日はいつもより儚げで哀しげな表情をしていた。
君は何に対して哀しく感じているの。
教えて。
いつか消え去ってしまいそうで怖いんだ。
俺の愛に溺れて、もう何も哀しく感じないように。
君は儚げな景色を見て、何を感じているの?
小柳side
手を絡め合ったときの温度も、
君の長い髪も、
君の匂いも、何もかもを感じていたい。
君が心配そうな顔をしているのは分かってるよ。
でもどうすることも出来ない。
何処にも行かないと分かっていてもどうしても消え去って行ってしまいそうで。
君が俺の事を忘れないって分かっていても、
何故か信じられなくて。
俺が君が消えないと感じられるまで愛情を注いで。
身体を重ね合わさせて。毎日毎日愛し合おう。
いつか俺が君を心配させないようにする日が来るから、ね。
もう少し、愛し合うことを止めないままで居させて。
君の体温を、匂いを、愛を、表情を、
今はまだ、感じていさせて。
‐fin
お互いがお互いを〈消えそう、儚い〉と思ってるのがいいんですよね〜。
個人的な好きポイントは行為突入前の沈黙の時間的なところです❦
今回は色んなところをこだわったつもり⋯!!
もう目が眠くてショボショボ⋯
ここまで読んで下さって有難うございました❦
それではまたー!