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披露宴の後の二次会も結局5人で固まり、成田と女子2人がLIN交換をして盛り上がっていた。
「西川君の奥さん、どんな感じの人?」
美奈子が千秋に尋ねる。
「年は4つ下。同じ部署の後輩だったんだ」
「そうなんだ。きっとすっごく綺麗な人なんだろうね」
綺麗なのは美奈子の方だと千秋は思った。
「綺麗って言うか、可愛い感じ?表に出て自己主張するタイプじゃなくて、縁の下の力持ちって感じかな」
千秋の例えに美奈子はクスクス笑う。
「何それ。頼もしい感じだね」
「あ、そう言うんじゃなくて、なんて言うかなぁ。すっごく何にでも一生懸命に取り組んで、サポートしてくれたり?」
「それって内助の功って言うんじゃないの?でも、素敵な奥さんを見つけたんだね」
「あ、うん。まぁね」
確かに素敵な妻だと千秋も思っている。
仕事もプライベートも支えてくれて、共働きでも家事もきちんとこなしてくれる。
「川瀬の旦那さんは?」
「小学校の教師をしてるわ。毎日遅いし、精神的にも疲れてるみたい。とても優しい人だけど、今は自分のことで精一杯みたい。結婚して2年経ってもまだ子供もいないわ」
幸せそうな千秋が羨ましくなり、美奈子はつい愚痴っぽい言い方になってしまった。
「大変そうだね」
千秋の同情的な声に美奈子はハッとした。
「あ、でも、本当に優しい人なのよ。家事も手伝ってくれたり、だから、そんなに大変でもないのよ」
慌てて言い訳をする自分が恥ずかしくなった。
「2人で話してるとこお邪魔。この後どうする?21時にはお開きになるだろうからさ」
独身3人組はこの後も飲みにいくと言う。
「私、あまり遅くなれないから」
美奈子は裕介を心配させたくないと思った。
千秋は美奈子を見つめて口を開く。
「俺も今夜はこれで帰るよ。成田、またゆっくり飲もうよ」