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「俺達が眠っている間に、今の世界が終わっていますように」
お前を抱き締め、お前の手を握り、瞼を閉じて毎夜毎夜、そう願う。
決まった政治的信念も、国家主義も、民族主義も、社会の暗黙の了解も、差別も偏見も、とんだろくでなし共も、悪意も殺意も全く存在しない、
そもそも俺とお前以外誰一人いなくて、何一つ残っていない、そんなまっさらな世界を、俺は思い描く。
それは傍から見たら、独善的で無秩序な世界かもしれない。だけど其処に、俺とお前という、たった二人が紡ぐ絆があって、温もりがあって、愛がある。
それだけで充分だ。充分なんだぜ。俺にとっては。
お前と二人、ただただ静かに────穏やかに生きられるのなら。
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