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この作品、まじで宇井様の最高なところ集まりすぎててやばいです…!!宇井様の表現力とかまじで的確すぎるキャラ設定とかもう私が宇井様を好きになった理由が詰まってます🫶🏻
世の中に溢れかえっているハラスメントは、被害者がどう思ったかが大事になるって人づてだったかテレビだったか忘れたけど、どこかで聞いたことがある。
それなら今この状況もパワハラとして言い切っていいのではないだろうか。
注意の域を超越した叱責はパワハラにならないのだろうか。
先生「お前ら遅刻だ!!!」
亮「ごめんなさいっ!」
大「…すいません。」
先生「阿部は転校生だから良いとして佐久間!!」
大「はい。」
先生「お前なぁ!家が裕福だからって調子に乗ってるんじゃない!次期社長として時間を守れないのは恥だと思わないのか!!」
大「はい。気をつけます。」
先生「ったく、次は無いからな!!!」
大「はい。」
たった1回の遅刻でこのザマだ。
俺の周りの人は、俺を俺としては見ていない。
親の跡継ぎ…、次期社長としてしか俺のことを見ていない。
だから少しの失敗も、ひとつの失敗も、気を緩めることも、手を抜くことも許して貰えない。
亮「佐久間くんの家って…もしかして凄かったりする?」
大「あー…そうかも。よくわかんないけど。」
亮平も、俺の家の事情を知れば俺のことを俺としては見てくれなくなるのだろうか。
亮「それにしても、先生あの言い方は無いよっ!怒」
大「え、?」
亮「あんなの酷いよ!!!怒」
大「ふはっ、あははっ笑」
亮「笑い事じゃな…!」
大「お前、やさしーね、はははっ笑」
亮「っえ…?」
大「はーっ、笑った笑った。笑」
大「人の為に怒るとか、どんだけお人好し笑」
亮「だって…家が裕福なのとか、厳しいのとか、家庭の事情を産まれてくる子どもは選べないし。それなのにあんな怒り方するとか許せなくて…。」
そう言う亮平の表情ははどこか寂しげで憂いを帯びている。今すぐこの手を握らないと、ふっとどこかに消えてしまいそうな亮平を放っておくことなんてできなかった。
せめて、亮平がこの学校にいるうちは、俺の目に入っているうちは、亮平のことを守りたいと思った。
?「あ、佐久間じゃん。おはよー。」
大「ん!あ!ひっかる〜!!おはよ!」
亮「?!!?!」
照「今日も元気だね〜笑」
大「もち〜!」
照「ん?あれ、佐久間この子は?」
亮「あっ、阿部亮平です。今日転校してきました。」
大「じゃっ!照、俺亮平案内するからまったね〜!」
照「佐久間一人で大丈夫?笑」
大「佐久間さんに任せなさ〜い!亮平行こ!」
亮「う、うん!」
大「照おっち〜!」
照「じゃね〜」
照が見えなくなったあたりで亮平のほうを振り返ると、案の定混乱したような顔をしていた。
大「ごめんね、びっくりしたっしょ」
亮「あっ、うん…」
大「俺照には笑っててほしくて」
亮「そう、なの?どうして?」
大「うん、小さい時の話なんだけどさ…」
俺も照もまだ10歳前後のとき、公園で寂しそうな顔をして遊ぶ照を見つけて、一緒に遊び始めたのが照と出会ったきっかけ。
最初は俺も遊び相手が欲しくて遊んでいただけだったけど、俺がちょっとふざけるだけでも笑ってくれる照の笑顔が大好きだった。毎日遊び終わって家に帰ってからも幸せな気持ちでふわふわしてて。
ある日ね、俺が分かりやすく落ち込んでるとき、照は黙ってそばに居てくれて、何も言わなかったけどあったかくて嬉しかった。でも、その日家に帰ったらいつもみたいな幸せな気持ちが無くて。
なんでだろうって幼いながらに考えてみたら、俺照の笑った顔見てないなってことに気がついて、あぁ、俺照が笑ってくれるから毎日幸せだったんだって気づいてさ、照が俺に向けてくれる笑顔が大好きだから。
大「だから俺、照には笑ってて欲しいなって。」
大「ごめん、長かったよな。」
亮「ううん!聞けてよかった!」
大「そう、か?」
亮「照くんのこと大好きなんだねっ♪」
大「いや……、…うん、そうかも笑」
to be continued…