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朱里ちゃん、ちゃんと聞けて良かったね…😊👍 尊さん、嫉妬してもらえて喜んでいると思うよ…💕💕 寧ろ彼の方が 田村に対して嫉妬心でメラメラだったんだから....🔥🔥😂
朱里ちゃん聞けてよかった!ずっと思い込んでるよりスッキリだよ👍 尊さん怒ってないし重い女だなんて1ミリも思ってないよ〜!!!逆に喜んでる🤭
「結婚するなら、私は会社を辞めたほうがいいんでしょうか」
尋ねると、尊さんは「ん?」と私を見る。
「結婚したぐらいで辞める必要はないって事は分かってます。職場結婚は珍しくないし、同じ部署に夫婦がいてもうまくやれてる人はいる。でも尊さんは女性に人気があって、これから御曹司である事もバレるでしょう? 絶対面倒な事になるじゃないですか」
私はコーヒーカップをテーブルに置き、コロンと横になると尊さんの太腿に頭をのせる。
「事情を知る人がいたら『運命だね』って言ってくれるかもしれません。でも現時点で私たちの事を知ってる人は恵ぐらいしかいません。第三者から見れば、〝実は御曹司のイケメン部長をGETしたいけすかない女〟です」
「確かに、そういう面倒な感情を持つやつはいるな」
尊さんは同意したあと、少し考える。
「どうしても嫌なら、俺が上に異動を希望するよ。親父や兄貴も事情を分かってるから、それぐらいは融通きかせてくれるだろ」
「どっ、どうして尊さんが異動なんです? この場合、私でしょう」
「中村さんと離れていいワケ?」
言われて、恵の姿が頭に浮かぶ。
「……一緒じゃなきゃ嫌なんて、子供じゃないんですから。社会人ならいつか異動するものでしょうし、その時は受け入れますよ」
尊さんはしばらく黙ったあと、尋ねてきた。
「たとえば専業主婦とか、俺と一緒に海外行くとか、別の道は考えられる?」
それは考えていなかったので、私は目を瞬かせて固まってしまった。
「……嫌とかじゃなくて……、予想もしていなかったので、今すぐは答えられません」
「ん、そっか。だよな。なら今は答えを求めない。ただ、色んな可能性の一つとして考えておいてくれ」
「分かりました」
私は返事をしたあと尊さんの膝の上でゴロゴロし、喉元まで出ている質問をしようか悩む。
彼のお腹に顔を埋めて腰にしがみついてると、「猫みてーだな」と笑われてクシャクシャと頭を撫でられた。
――好きだなぁ。
――離したくない。
そう思うからこそ、隠し事なしに付き合っていきたいと思った。
「……ねぇ、尊さん。面倒な事を聞いてもいいですか?」
「ん? 何でもどうぞ」
尋ねると、尊さんは私の頭を優しく撫でてくれる。
了解を得たあと、私は少し迷ってから言った。
「……宮本さんって人とエッチしましたか?」
それを聞き、尊さんはしばらく黙っていた。
やがて溜め息をつき、私の頭を撫でて答える。
「嘘ついても仕方ねぇから言うけど、した」
「どれぐらい? 私よりした?」
答えない尊さんは、具体的に言えば私を傷つけると思っているのだろうか。
その配慮がありがたいようで、悲しかった。
「……宮本さん、フェラしました?」
そう尋ねると、とうとう尊さんは大きな溜め息をつき、私を抱き起こして膝の上に向かい合わせに座らせた。
「何て言ってほしい?」
言われて、とても悲しく、恥ずかしくなって尊さんに抱きついた。
「……ごめんなさい。……私、やっぱり面倒な女だ」
――嫌われるかもしれない。
今になって、宮本さんの話をした事を物凄く後悔した。
落ち込んで俯く私に、尊さんは額や頬にキスをしてくる。
「今は誰よりも朱里が大事だ。今後、一生他の女は見ない。……これじゃ駄目か?」
困ったように微笑む尊さんの顔を見て、こう思ってしまった。
(我が儘な子供のお守りをさせてるみたい。……私は彼女なのに)
「……ごめんなさい」
もう一度謝ると、今度はチュッと唇にキスをされた。
「なぁ、朱里。俺が怒ってるように見えるか?」
優しい声で尋ねられ、私は潤んだ目で彼を見る。
「過去は変えられないから、付き合った過去を改ざんできない。それについては謝ってもどうにもできねぇから、朱里の気が済むまで話して、分かってもらいたい」
「そうじゃないです。謝ってほしいなんて思ってません」
「こう言ったら怒られるかもしれねぇけど、俺……、嫉妬してもらえてちょっと気分がいいかな」
「えぇ……?」
私は不満げに眉間に皺を寄せ、下唇を突き出す。
尊さんはそんな私の顔を見て愉快そうに笑い、もう一度キスをしてきた。