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Secret Lovers

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Secret Lovers

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156

2023年03月26日

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Side黒


『ねえ、今夜暇?』

樹とのラインに送ったメッセージ。すぐに既読がついて胸が躍る。

時間が空いていたら飲みにでも行こうかな、と考えたのだ。そこで気持ちを伝えられたら、と。

でもその返事は、

『忙しい』

もはや句読点すらも付いていない。シンプルすぎる。

もしかしてくっつきすぎて嫌いになったのかな、と怖くなったとき、またメールの着信音が鳴る。画面を見ると、まさに樹だった。

『明日二人で撮影あるだろ』

そうだった、と嬉しくなる。

珍しい組み合わせだが、明日は朝から雑誌の仕事だ。

サシ飲みへの誘いに気を取られて忘れていた。

でも仕事だからな、と思い直す。このことはプライベートで話そう、と決めた。




「おはよ」

翌日、樹はやはり時間ギリギリに顔を出した。正直待ちくたびれたが、いつものことだ。

「おはよう」

2人きりの仕事が楽しみで顔が緩んでしまいそうなのをこらえ、いつも通りに接そうと心がける。

が、荷物を置いた樹はソファーに座る俺の隣に腰掛けてきた。びっくりして振り向く。

「…何だよ」

ちょっとぶっきらぼうに言う。

「何でも」と返しながらも、内心は嬉しくてたまらない。

もしかしたらちょっと気に入ってくれたのかも、とスマホを見る横顔をのぞくが、いつものゲームをしている顔に変わりはなかった。

その後、それぞれ着替えやメイクを済ませると撮影に入る。

まず樹が1人でカメラの前に立った。

その姿は、いつも見ている大好きなアイドルだった。笑顔こそ向けていないものの、決まった表情がかっこいい。

一通り撮り終わって、今度は自分が呼ばれる。

意識しないようにとは思いながらも、スタジオの奥で座る樹を横目に見てしまう。

そのよそ見のせいで、カメラマンさんに「ちゃんとこっち見て」と叱られる。

こちらに視線をよこした樹が、呆れたように笑うのがわかった。

次は2人でのカットだ。

左隣に樹が立ち、シャッターが切られていく。

そして「オッケーです」と声が掛かったときだった。

「北斗、俺気づいてるぞ」

耳元で樹のやや低い声がし、熱い吐息を感じた。


続く

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コメント

2

ユーザー

まじで最高👍

ユーザー

えーー! ちょー続きが気になる!!

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