阿部ちゃんは、俺のことが大好きなのだと言う。
その大きな身体で、佐久間、大好きだよ、なんて包まれれば、初め、そんな気なんかなかった俺でもやっぱりどきどきした。
『ごめん。佐久間のこと、そんなふうには考えたことなかった』
俺が翔太にフラれた日。
いつも明るくて元気な俺は、これでも平気を装って、いつも通りに元気に振る舞っていたつもりだったけど、阿部ちゃんは変な顔で俺を見て言った。
「佐久間、どうした?」
その目はとっても優しくて。ぽんぽん、と肩を叩いて、俺をぎゅっと抱きしめた。
「ああ、俺の大好きな佐久間。泣かないで」
「泣いてないよ?」
「心が泣いてる」
「…………ふぇ」
俺は空気が抜けたようになって、そのまま、ソファにぺしゃん、と座り込んだ。俺の身体を包み込む阿部ちゃんは、やっぱりあったかくて、イイ匂いがして、筋肉質な俺と違って、柔らかかった。
「ごめん」
「んー?どうした?」
俺たち二人しかいない楽屋で。
出番を待っている間。阿部ちゃんの体温と匂いに包まれていると、やっぱり安心した。
そうだ。
いつも阿部ちゃんはこうやって、俺を抱いてくれる。阿部ちゃんの腕の中。一番、安心する場所。いつまで経っても阿部ちゃんが離してくれないので、俺は目を閉じた。
そこへ康二が入って来て、
「うわっ!びっくりした!何しとん?」
「しーっ。佐久間に元気をあげてるの」
「さっくん、元気ないん?俺にできることある?」
康二の優しさはありがたかったけど、もう少し二人でいたかった。
「阿部ちゃんと二人にして」
「………アツアツやなぁ」
康二は半ば呆れて、そして半ば笑いながら、楽屋を出て、ドアに『立ち入り禁止』って張り紙までわざわざしてくれたらしい。
二人きりの楽屋で。
スタッフが遠慮がちに俺たちを呼びに来るまで、俺と阿部ちゃんはぎゅっと抱き合ったままでいた。
コメント
6件
あべさく最高💚💖
あら素敵😍好きーー癒し💚🩷

💚🩷ですねっ💚🩷ですねっっ🎶 まきぴよさんのおかげで💚💙も大好きなんですが、わたしやっぱり💚🩷好きです✨️ 💚🩷の時は、ちょっとミステリアスな💚がたまりません🥰