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ネバダ州グルーム・レイク空軍基地。
一般には「エリア51」の通称で知られ、かつてはUFOの墜落現場だの、宇宙人の解剖実験が行われているだのと、数多の陰謀論の震源地となった場所である。
広大な砂漠の真ん中に位置し、衛星写真にも修正が加えられるこの極秘施設に、今日、一台のヘリコプターが砂煙を巻き上げて着陸しようとしていた。
ダークグリーンの機体にホワイトトップ。
側面に描かれた「UNITED STATES OF AMERICA」の文字。
大統領専用ヘリコプターマリーンワンだ。
ローターの回転が止まり、タラップが下ろされると、サングラスをかけたSPたちが即座に展開し、周囲を警戒する。
その厳重な警護の輪の中から、一人の老人が軽快な足取りで降り立った。
ラフなジャケット姿に、トレードマークの銀髪。
第47代アメリカ合衆国大統領、ロバート・“ボブ”・ウォーレンである。
「やれやれ、相変わらずここは乾燥しているな。
私の肌の保湿クリームが、何本あっても足りないよ」
ウォーレンは砂漠の熱風に顔をしかめながら、出迎えの将校団の方へと歩き出した。
その隣には、常に眉間に皺を寄せているダグラス首席補佐官と、鉄仮面のような無表情を崩さないCIA長官エレノア・バーンズ、そして猫背でタブレットを抱えた科学顧問のアーサー・スタイン博士が付き従っている。
「ようこそ、大統領閣下(ミスター・プレジデント)」
敬礼で迎えたのは基地司令官と、先日、日本での視察から戻ったばかりのウィリアムズ少将だ。
「長旅ご苦労様です」
「ああ。だが、わざわざホワイトハウスを抜け出してきた価値はあるんだろうな?
ダグラスがスケジュールをこじ開けるのに、寿命を3年は縮めたとぼやいていたぞ」
ウォーレンが親指で背後を指すと、ダグラスが深いため息をついた。
「3年どころか5年です、サー。
今日の午後の記者会見をキャンセルした言い訳を考えるのに、広報官が胃潰瘍になりかけています」
「ハハハ! 彼には後で胃薬を経費で落とさせてやれ。
さて……見せてくれ。
日本から届いたという『プレゼント』を」
一行は基地の深部、厳重なセキュリティゲートで守られた第4格納庫へと向かった。
コンクリートの壁に囲まれた巨大な空間。
その中央に、スポットライトを浴びて「それ」は鎮座していた。
『26式多目的装甲戦闘服』。
日本政府から「技術実証および相互運用性(インターオペラビリティ)確認のための試験貸与」という名目で、極秘裏に空輸されてきた実機である。
鈍い銀色の装甲は、砂漠の乾いた空気の中でも異質な存在感を放っていた。
まるで中世の騎士の甲冑を未来の技術で再構築し、さらに暴力的な質量を上乗せしたような威容。
「……ワオ」
ウォーレンはサングラスをずらし、口笛を吹いた。
「こいつは驚いた。写真で見るより、ずっとデカいし凶悪面だ。
まるで映画のセットから飛び出してきたみたいじゃないか。
『スターク・インダストリーズ』のロゴはどこだ?」
彼は装甲の表面をコンコンとノックした。
硬質で、中身の詰まった音が返ってくる。
「アイアンマンのMk1(マークワン)……いや、ウォーマシンか?
このデザイン、マーベル・コミックに著作権料を払うべきじゃないか?
その線で日本を訴えるか、ダグラス?」
大統領のブラックジョークに周囲の将校たちは愛想笑いを浮かべたが、ダグラスだけは真顔で即答した。
「勘弁してください、ボス。
ただでさえ通商代表部(USTR)は、日本の『リサイクル銅』と『深海レアメタル』の対応で手一杯なんです。
これ以上、法務案件を増やさないでください」
「冗談だよ。ユーモアのない男だ」
ウォーレンは肩をすくめ、アーマーの足元にいる整備兵たちに声をかけた。
「調子はどうだ、息子たち(サンズ)。
このジャパニーズ・サムライ・アーマーは、ご機嫌麗しいか?」
「はっ! サー!」
整備兵の一人が直立不動で答える。
「システム・オールグリーン。起動プロセス正常。
動力源(パワーソース)の出力も安定しています。
……信じられませんが、メンテナンスフリーです。
到着してから、一度もオイル交換すら必要としていません」
「ほう。手間いらずなのは良いことだ」
そこへ、パイロットスーツに身を包んだ一人の男が歩み寄ってきた。
胸には大尉の階級章と、特殊部隊(グリーンベレー)の部隊章。
先日、日本の演習場でこの機体を「試着」し、その性能に魅せられたテストパイロット、マクミラン大尉だ。
「大統領閣下」
「やあ、大尉。君が今回の中身(パイロット)か。
気分はどうだ?
そんな缶詰の中に入って、このネバダの熱波だ。蒸し焼きになってるんじゃないか?」
ウォーレンが茶化すと、マクミランは爽やかな笑顔で首を横に振った。
「いえ、大統領。快適そのものです。
日本の『おもてなし』精神は、兵器の中にも生きていますよ。
外部気温が摂氏40度を超えていても、内部は常に22度に保たれています。
湿度コントロールも完璧で、まるで高級ホテルのラウンジにいるようです」
「マジか?
ホワイトハウスのエアコンより優秀じゃないか」
ウォーレンは大げさに驚いてみせたが、その目は笑っていなかった。
装甲服の最大の課題の一つである「排熱処理」と「生命維持」を、日本がいとも簡単にクリアしていることを見抜いていたからだ。
100キロの鉄塊を動かすエネルギーと、内部の人間の体温。
それをどこへ逃しているのか?
背面の排気口だけでは説明がつかない、熱力学の矛盾がそこにはあった。
「……素晴らしい技術だ。
だが、カタログスペックを聞くだけじゃつまらん」
ウォーレンはサングラスをかけ直した。
「ここに来たのは観光のためじゃない。
私のこの目で、実戦(アクション)を見せてもらいたいんだ。
日本人が作ったオモチャが、我々アメリカの兵士の手でどう化けるかをね」
「イエッサー!!
ご期待ください、サー」
マクミランが敬礼し、アーマーへと乗り込む。
油圧音と共に装甲が閉じ、ロックされる音が響く。
T字型のバイザーが一瞬赤く点滅し、そして冷徹なブルーへと変わった。
システム・オンラインの合図だ。
鋼鉄の巨人は、人間のような滑らかな動作で演習フィールドへのゲートへと向かって歩き出した。
その足音は、もはや人間のそれではない。
破壊の神が地上を闊歩する音だった。
◇
演習場のコントロールルーム。
分厚い防弾ガラスの向こうには、砂漠の中に作られた市街地戦訓練用のモックアップ(模擬街区)が広がっている。
廃車になった戦車や装甲車、コンクリートの瓦礫が散乱する荒廃した戦場だ。
ウォーレンたちはVIP席に座り、モニターと実景の両方を注視していた。
「シナリオは?」
「『敵勢力による市街地占拠』を想定した、単独制圧任務です」
ウィリアムズ少将が解説する。
「対戦相手(オポージング・フォース)として、無人操作のM1エイブラムス戦車2両、および機関砲を搭載したストライカー装甲車4両、さらに歩兵役として30体の武装ドローンを配置しました。
これらを、たった一機の26式で殲滅します」
「おいおい、少将。
いくらなんでも盛りすぎじゃないか?
戦車2両に装甲車4両だぞ?
歩兵一人に対する戦力比としては、虐殺レベルだ」
「ええ。普通の歩兵ならですね。
ですが……見ていてください」
ブザーが鳴り、演習開始。
フィールドの端から26式が猛スピードで飛び出した。
砂塵を巻き上げ、時速40キロで突っ込む。
その動きは重装甲の歩兵というよりは、低空を飛ぶミサイルのようだ。
敵役のドローンたちが反応し、一斉射撃を開始する。
機関銃の曳光弾が26式に吸い込まれる。
カキンカキンカカカカッ!!
火花が散るが、26式は止まらない。
回避行動すら取らない。
最短距離を直線的に突き進む。
「被弾を無視している……!
装甲への信頼度が異常だ」
エレノア長官が呟く。
通常、兵士は被弾を恐れて遮蔽物に隠れる。
それが生存本能だ。
だが、このアーマーを着た兵士は、恐怖というリミッターを解除されている。
「撃たれても死なない」という確信が、兵士をバーサーカーへと変えるのだ。
26式は走りながら、右手に持った『20mm携帯機関砲(オートキャノン)』を腰だめで発射した。
ドォン! ドォン! ドォン!
単発のライフルではない。
重機関銃のように連射される大口径砲弾。
本来なら車両に搭載するクラスの重火器を、歩兵が片手で振り回し、走りながら連射している。
AIによる弾道計算と、サーボモーターによる反動制御。
ストライカー装甲車のタイヤとセンサー・ターレットが、次々と吹き飛ぶ。
「移動間射撃で百発百中かよ……」
ダグラスが呆れる。
その時、建物の影からM1エイブラムスが現れた。
120mm滑腔砲が火を噴く。
ズドォォォン!!
訓練用の減装弾とはいえ、直撃すれば重機すら粉砕する威力だ。
26式の足元で爆発が起き、姿が土煙に消える。
「直撃!?」
だが煙の中から、銀色の影が飛び出した。
無傷。
いや、装甲表面が赤熱し、自己修復ナノマシンが波打つように傷を塞いでいくのが、赤外線カメラで確認できる。
「ダメージ・コントロールまで自動か」
ウォーレンが身を乗り出す。
26式は戦車の死角(側面)へと回り込み、背中のウェポンラックから対戦車兵器を取り出した。
だがそれはミサイルではない。
日本から「採掘用」として持ち込まれた巨大な杭打ち機(パイルバンカー)のようなアタッチメントだ。
ガシャッ!
26式が戦車の側面に張り付き、杭打ち機を押し当てる。
ズガァァァン!!
衝撃音が響き、戦車の複合装甲が貫かれた。
内部の電子機器がショートし、M1が沈黙する。
「……なんてこった。
戦車を『撲殺』しやがった」
ウォーレンは思わず笑い声を上げた。
「ハハハ! こいつは傑作だ!
ミサイル一発数万ドルの時代に、鉄の棒で殴って解決するとはな!
経済的でいい!」
残る一台の戦車も、26式によって砲塔をもぎ取られ(正確にはターレットリングを破壊され)、無力化された。
ドローン歩兵たちは、単なる射的の的に過ぎなかった。
演習終了。
タイムは2分45秒。
一個小隊、あるいは中隊規模の戦力を、たった一人で、カップラーメンが出来上がるよりも早く殲滅してしまったのだ。
フィールドの中央で26式が勝利のポーズ——右手を高々と掲げる——を取る。
その姿は、夕日を背負い、神々しくすらあった。
「ブラボー! 素晴らしい!!!」
ウォーレンは立ち上がり、拍手を送った。
心からの賞賛だ。
アメリカ大統領として、強い力を見るのは大好きだ。
「これは凄いな。ハハハ、まさに神の兵だ!!!
キャプテン・アメリカも真っ青だぞ!」
彼は笑っていた。
だがその目は、サングラスの奥でカミソリのように鋭く光っていた。
「……日本開発なのが残念だがな」
その一言が落ちた瞬間、コントロールルームの空気が凍りついた。
拍手していた将校たちの手が止まる。
ダグラスが気まずそうに視線を逸らし、手元の資料を意味もなくめくり直す。
ウィリアムズ少将の笑顔が引きつり、喉を鳴らす音だけが静寂に響いた。
絶対的な同盟国に対する、隠しきれない嫉妬と純粋な警戒心。
数秒の永遠にも似た沈黙。
「……まあ同盟国だから、ヨシとするか。
今のところはな」
ウォーレンは肩をすくめ、氷解するように空気を緩めた。
だが、一度下がった室温は元には戻らなかった。
ウォーレンは席に戻り、スタイン博士の方を向いた。
「さて博士。
ショーは終わった。ここからは現実(ビジネス)の話だ。
あの『神の鎧』の中身について、君の見解を聞かせてくれ」
スタイン博士はずっと手元の端末で、テレメトリ・データ(遠隔測定データ)を解析していた。
彼の顔色は演習が進むにつれて青ざめていき、今は死人のようになっている。
「……信じがたいデータばかりです、大統領」
博士は震える声で言った。
「出力係数、エネルギー変換効率、熱拡散率……。
すべての数値が、現代の物理学の理論値を軽くオーバーしています。
特に動力源です。
あのバックパックに入っているバッテリー……サイズから推測するに、リチウムイオンの100倍以上のエネルギー密度があります。
全個体電池? いいえ、そんなレベルじゃない。
小型の核融合炉でも積んでいない限り、説明がつかない数値です」
「核融合だと?
日本人は冷温核融合(コールド・フュージョン)でも完成させたのか?」
「分かりません。
ですが、もっと根本的な技術……やはり基礎は『ナノマシン』なのかもしれません」
エレノアCIA長官が口を挟む。
「日本の公式発表、および技術供与時のスペックデータでは、そうなっていますね。
『ナノマシンによる自己修復型複合装甲』、および『ナノアクチュエータによる人工筋肉』。
……彼らは嘘をついていないようです。
少なくとも、このカタログスペックに関しては」
「つまり、本当にナノマシンで出来ていると?」
「ええ。
問題は、その中身を確かめようがないことです」
エレノアは苦々しい顔で契約書のコピーを取り出した。
「この試験機を貸与するにあたり、日本側——防衛省と海道重工——は、異常なほど厳しい条件をつけてきました。
『ブラックボックス化された中核ユニットの開封厳禁』。
そして『無理に解析しようとすると自壊プログラムが作動する』という警告付きです」
「自壊(セルフ・デストラクト)か。
スパイ映画の小道具みたいだな」
ウォーレンは鼻で笑った。
「脅しじゃないのか?
中を見られたくないから、ハッタリをかましているだけだろう」
「いえ、ハッタリではありません」
スタイン博士が首を横に振った。
「実は……到着直後、我々の技術班がこっそりと装甲の一部をX線スキャンしようと試みました。
微弱な出力で、表面だけを」
「ほう。それで?」
「スキャン波を照射した瞬間、対象部位の装甲が沸騰するように泡立ちました。
そして次の瞬間には、水銀のように融解し、床に滴り落ちて……黒い砂のような粉末に風化してしまったのです」
博士は恐怖を思い出すように身震いした。
「まるで生き物が死んで腐るような崩壊速度でした。
幸い予備パーツの一部だったので本体に影響はありませんでしたが……。
あの警告は本物です。
ナノマシンが外部からの干渉を検知し、物理的に構造を溶解させる仕組みになっています」
「……なるほど。
『触るな、触れば溶ける』というわけか」
ウォーレンは腕を組んだ。
徹底している。
日本人は、この技術を絶対に渡さないという鉄の意志を持っている。
「少なくとも試験機は解体出来ないですね。
借り物ですし、壊したら弁償だけじゃ済まない。外交問題になります」
ダグラスが肩をすくめる。
「ですが、大統領。
現在交渉中の『ライセンス生産機』なら話は別です。
あれは『購入』するものですから、我々の所有物になります。
事故や戦闘による破損を装って誤魔化して、1台解体することは可能でしょう。
……勿体ない気もしますが、数億ドルの価値はあるはずです」
ウォーレンは考え込んだ。
一台の虎の子を潰してでも、中身を知る価値はある。
「うーん……。
スタイン博士、君に聞きたい。
仮に中身を取り出せたとして、それを『複製(コピー)』することは可能なのか?」
大統領の問いに、スタイン博士は長い沈黙の後、絶望的な答えを返した。
「……いえ。
無理ですと、断言出来ます」
「無理?
我が国の科学力をもってしてもか?」
「はい。
ナノマシンの残骸を顕微鏡で見ることはできるでしょう。
成分を分析することもできるかもしれません。
ですが『それを作るための機械(マザーマシン)』がありません」
博士はモニターの映像——自己修復する装甲のアップ——を指差した。
「このナノマシンを生成するプロセスが不明ですが……。
原子レベルで物質を操作し、設計図通りに組み上げる『ナノアセンブラ』と呼ばれる技術。
理論上は可能とされていますが、それを実用化し、量産レベルにまで落とし込める技術は米国にはありません。
……いや、人類の科学レベルでは不可能です」
博士は眼鏡を外し、疲れたように目をこすった。
「正直に言えば……『日本にもありません』と言いたいですが、目の前に実物があるのが、どうも……。
現実を疑いたくなりますよ。
彼らは一体、どこの未来から、あるいはどこの星から、この技術を持ってきたのですか?」
その言葉は、地下格納庫の冷たい空気に溶けていった。
科学の頂点に立つ男の完全なる敗北宣言。
それは同時に、アメリカという超大国が技術的優位性を失ったことを認める瞬間でもあった。
「……そうだろうなぁ」
ウォーレンは深く嘆息した。
彼は思い出していた。
以前の会議で冗談交じりに言った「魔法使い」という言葉を。
木材。
銅。
レアメタル。
そして、この無敵の鎧。
点と点は繋がり、もはや偶然やハッタリでは説明できない巨大な絵を描き始めている。
日本は、何かとんでもない「扉」を開けてしまったのだ。
「エレノア」
大統領は静かに、CIA長官を呼んだ。
「はい、大統領」
「ライセンス契約は進めろ。
金はいくらでも払ってやれ。
だが……それだけで満足するな」
ウォーレンの目が、捕食者の色を帯びた。
「『魔法のタネ』を見つけ出せ。
新木場の施設か? それとも海道重工の地下工場か?
あるいは……まだ我々の知らない場所に『本丸』があるのか。
どんな小さな手掛かりでもいい。
日本が隠している『魔法の杖』の正体を暴け」
「了解しました。
すでに『深海採掘』のカバーストーリーについても、綻びを探し始めています。
JAMSTECの内部協力者からの情報では、南鳥島沖の採掘船団の動きに不自然な点が多いとのことです」
「いいぞ。
嘘は必ずバレる。
彼らが作り上げた虚構の城壁に、蟻の一穴を開けてやるんだ」
ウォーレンは再びフィールドを見た。
演習を終えた26式が夕日の中に佇んでいる。
その姿は頼もしい同盟国の守護神であり、同時に理解不能な異界の怪物でもあった。
「……神の兵か。
だが神を御せるのは人間だけだ。
その手綱(コントロール)を、いつまでも日本人に握らせておくわけにはいかんよ」
大統領は立ち上がり、背広の裾を払った。
演習は終わった。
だが真の戦争——情報と技術を巡る暗闘——は、ここからが本番だ。
ネバダの熱風が格納庫の入り口から吹き込んでくる。
それは、時代の変わり目を告げる乾いた嵐の予感を含んでいた。