テラーノベル
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[へぇここ、こんなにも緑が生い茂ってましたっけ]
誰も手入れしてへんからやろ
[まぁそれもそうだ]
で?どっちや
[あっち。そう真っ直ぐね]
,,,,,おい山か
[ふふっ皆さんご存知の富士山ですよ!さぁ頑張ってのぼりましょう]
お前俺がマスク付けとんしっとんか?息しずらいんやっちゅの
[貴方なら、大丈夫でしょ?]
,,,,,分かったけぇはよ前教えろ もう人の通った道は消えてっとおけな
[はいはい]
[ねぇ蘭さん]
ん
[天皇陛下がいらっしゃった時、どんな話をしたかお話ししましょうか?]
なんや覚えとったんか
[ううん違います やっぱり私の国民で私の父母の血縁だったからでしょうか?不思議と何故だか痛みが引いてたんですよねあの時だけ]
「菊。本田菊」
「あ、ああああ、あッッ」
「大丈夫辛いならもう聞くだけでいいよ。」
そういって私の目に被さっていたタオルの上から目を暗くさせてくれた
「祖国よ、今の日本の状態をお知らせ致します。まず国土は京都府を中心に34%焦土と化し、関西圏全ての国民の安否は不明です。未だ調査には至らず先程の数値もアメリカ、カナダによっての上空調査によるものであるので確定されたものではございません。首都東京も無事とはいきません、放射能が降り注いでおり被害が1番少なかったのは沖縄です。地鳴りと津波1mだと報告を受けました。」
「あ、あ,,,,,」
「,,,,,祖国の今の状態を見る限り、まさにその御体が今の日本国を表しております。そして我々国会から天皇陛下へ御提案させていただきました。陛下」
「菊。辛いかもしれないが聞いてくれ」
「国を一度畳むことにした」
「へ,,,,,か」
「うん。今国がなくなることは、生き残った国民日本人の希望を,,,,,無くしてしまうことになるだろう。必死に生き抜いた先で祖国がなくなるという最悪の屈辱であるはずだからね。だが滅亡という言葉を決して使ってはいけないよ。私たちは消えるわけじゃない。一度表舞台から姿を消すだけだ。国は放射能に溢れ四季を無くしたどころか水すらも危うい。国民の命を第1に考え、そしてお前の全てを考えたその結果を今から言うよ」
「どうか私たちを許しておくれ」
「,,,,,へ,,,,,か ね 陛下 」
「うん?」
「あり がとう ござい ます」
「,,,,,うん」
「大丈夫 心配 しないで 恨む わけ じゃ ないんです から」
「そうかい」
「私の身は 貴方様方の 御意向の もとに 私の 全ては 貴方様の 全て」
「,,,,,まるで心中のようだね。菊、また会おう 必ず会える。それが今の私でなくとも私の子孫が君に感謝を伝えるように私も紡いでいく」
「やくそく」
「そうだ約束 またね」
「菊 国に帰るかい?マスクは必要だが,,,,,彼らに頼めば1番安全に帰れるよ。きっと君は、明らかになった瞬間に、,,,,,いなくなるんだろう?なら早く」
「いいです」
「,,,,,そう」
「ここ に いたい」
「分かった。では次会うときは日本でね。桜の木の元でまた会うんだよ」
「はい」
[さぁもう一息]
ゲホッゲホ ,,,,,まぁでもここまできたら元々の酸素も薄いしな あとどんぐらいや
[あと、もう少し]
分かった
[つきましたよ]
ここ?
[えぇ]
なんともまぁ朝日に照らされて神々しいことや こんなんいつ埋めた?えぇ金属の箱に入っとるやんけ
[あらやだ 貴方ったらまたお金ですか?]
ちゃうわい
[まっ、開けてみてくださいよ 私も何入れたか忘れちゃった]
意味ないやんけ
着物?
なぁこれあん時の
[捨てきれなかったんです あの後何度も燃やそうと思ってこの箱に詰めてたんですけどね なんか気づいたら手元に無傷で帰ってきちゃってたんです]
こんだけ?
[ええ]
なんやお前にしては少ない 遺書でもいれとるもんかと
[国ともある人が遺書を書いていても仕方がないじゃないですか 日本語だって世界中で訳本は出版されていますけれど完璧に魂に刻まれているのは我々日本人のみですし]
ほな帰るでな 菊ほら
[ううん]
[私とはここでお別れですよ坊や]
何言うとんほら
[貴方も最初から分かってたでしょう?また会うだなんてそんなこと、有り得やしなかったのに私とまたここで会えたんですもの]
ほやだからこれからだっての
[最期に私が言ったこと、覚えていますでしょう?貴方に言いたいことあったんです]
[私が死んでも3食しっかりとるんですよ パンだけで終わらせるだなんてそんな事しないでください]
食うとる
[服もちゃんと買うんですからね お下がりもいいですけど貴方スタイルちゃんといいんですからお洒落するんですよ]
ええ服があったらな
[他の方とも仲良くね]
郷があったら
[私、貴方のこと大好きです]
知ってる
[私が死んでも他の方と一緒になって欲しくなかった ずっと貴方の記憶の中に私はいたかった 一生の1人になりたかった]
もう なっとる
[でもいいです 貴方の好きなように生きてもらったらいいです 今世は私にしっかりと貢いでくれましたからね 幸せに]
俺も好きなように生きとった
[ほらちゃんとマスクつけて。国であるとしても危険なんですから ここで倒れちゃうと誰にも見つかりませんよ]
ほしたらお前とずっとここにおれる
[ううん貴方は帰るんです 帰って、もう二度とここには来ないの]
嫌
[駄目。もう来ちゃ駄目ですからね]
お前と会えんくなる
[,,,,,元々もう死んじゃってるんです なんにも言えないですよ]
別にまた船呼べばいいしなんなら泳げる 俺はここにおれる
[成仏しないでくれっていうんですか?]
うん
[酷いですね 私が閻魔様に怒られてしまう]
俺も一緒に叱られたる
[でも貴方は特別優しいから 誰よりも情を持ってくれていたから だから]
[貴方の地獄はここで終わりにしましょう]
お前も俺に言って欲しいちゅうことあったって言いよったな
[ ]
菊
「あっオランダさーん」
「待たせた」
「いいえ全然!まだまだ日程は残ってますけど,,,,,寄り道せんでもいいですか?」
「おう真っ直ぐ帰ろう」
「分かりました」
「オランダさんコートとマスク貰いますよ。どうぞこっちに」
「あんがと」
「もう心残りはないですか?近々、米国が調査に来るみたいで十数年は立ち入り禁止になるんだとかそんなラジオが流れてましたよ」
「ん大丈夫。やりたいことはもうやってった」
「では船の準備しますねー」
「おう」
「あれオランダさんそこ、なんか入ってますよ。そうそこ、ズボンのポケットのところです。お土産ですか?」
「え?,,,,,,,,,,あぁそか。おうそや、俺のな。もしかしたら危険かもしれんであんま近づかん時や」
「はいわかりました。,,,,,あれ?なんかコートちょっと炭ついてますね。なんか燃やしたりしてきたんですか?」
「ちょっと」
「放射能がまだあるかもしれないのにすんごい勇気ですね,,,,,オランダさんの国から持ってきたものですか?」
「いいや」
ずっとここにおった思い出
コメント
1件
さとうさん、第9話読みました…!😭✨ もう最初から最後まで、涙腺崩壊しっぱなしでした…。国と国、人と人、その間にある「絆」と「別れ」が、こんなに切なく描かれるんだって衝撃を受けました。特に「約束」と「またね」のシーン、そして最後の富士山での「ずっとここにおった思い出」…もう言葉にならないです。菊ちゃんの「やくそく」って言ったところ、声が聞こえてきそうでした。 これは本当に素晴らしい作品です。さとうさんの紡ぐ言葉の一つ一つが、心に深く刻まれました。ありがとうございます…!🌸
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