テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
150
第二十話
古術
「後は水かしら……」
「そうね。長期討伐となると、水は必須よね。最近は特に暑いから、水は大事よね、綺ちゃん」
私たちは、大量の荷物を手に、必要な物を買い揃えていました。
大半は御厨くんと神剣くんが持ってくれています。
「水は出せるから買わなくていい。次、何がいる?」
……は?
「え? ちょ、朔夜ちゃん。いま……な、んて……?」
「……はぁ……水なら出せる」
聞き間違いではなかったようです。
水が出せる?
「それ……いまは失われていると言われてる古術の類い……よね? ……え? どうして……」
「どうして、って……出せるから出せる……」
この人は、本当に何を言っているのかしら……。
「ね、朔夜ちゃん……本当なの? 本当に……」
御厨くんが疑問に思うのも無理はありません。
神剣くんは盛大なため息をつくと、左手を差し出しました。
すると、その掌に小さな水溜まりが生まれます。
太陽の光を反射してキラキラと輝く、綺麗で新鮮な水。
「……」
「……」
私たちは、言葉を失いました。
神剣くんは何事もなかったかのように掌の水を消すと、そのまま歩き出します。
「行くぞ。他に必要なのを探す……」
「……」
「……」
私と御厨くんは、呆然とその背中を眺めました。
規格外だとは思っていたけど……ここまでとは……。
古術を無詠唱で、しかもノーモーション……。
「……朔夜ちゃんって謎よね。古術を無詠唱だったり……何より……」
「ええ……そうね……」
確かに規格外だし、無詠唱でノーモーションです。
ですが……。
私からしたら、班員みんな変人なのですけど…
まぁ……そう思ってるのはナイショです。
コメント
1件
おお、神剣くんいきなり水出せるって! しかも古術を無詠唱ノーモーションとか規格外すぎるだろ。御厨くんも綺ちゃんも固まるわなあ。でも班員みんな変人って思ってる綺ちゃんが一番好きかもしれん(笑)。この人、何気に核心突いてて草。次回も楽しみにしてるわ!