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羽生まゐご様の楽曲、「ぼくのかみさま」の曲パロです。
展開は全て自己解釈によるものです。
死ネタ有ります。
この話はBL要素を含むので苦手な方はご注意下さい。
考察を結構入れたのでまた解説とか出します。
・ ・ ・
kr 15歳
咽せ返る様な消毒液の匂いのする廊下を抜けて、屋上に向かう。手には、”あるもの”をしっかり持って。
屋上に出ると、雨上がりの匂いがした。
さっきまで夕立だった空は嘘みたいに綺麗な夕焼けを映し出している。数羽のカラスが飛んでいたその空を影が呑み込んでいた。
神様が近くにいるのだろうか。いたとして、神様は、らっだぁさんは、覚えているだろうか。俺のこの声が聴こえるだろうか。
kr 5歳
ひさしぶりにいったがっこうのかえりみち、じんじゃのとりいのうえにひとがすわっていた。あおいろのかみのけで、おにのおめんをつけたひとが。
「なんで、そんなとこにすわってるの?あぶないよ、おちちゃうよ」
そうきくと、そのひとはすこしだけびっくりしたかおをしてこたえた。
「大丈夫よ。俺、神様だもん」
「かみ…、さ、ま?」
「そ、神様。よく言うでしょ、神様の言う通りって。俺、何でも出来るんだ」
「かみさまは、なにしてたの?」
「誰かの帰る場所、になりたくて。待ってるんだよその誰か、を」
「?」
「この言い方だと君にはまだ難しいよね。名目上はそれだけど本当は、話し相手が欲しいんだよ。だから、良さげな人を探してた」
「いっしょにはなすひとがほしいの?それ、おれじゃだめ?」
「君がいいならいいけど、あんまり長くいることはお勧めしないよ」
「いいよ、おれ、がっこうあんまりいけてないからともだちいないんだ」
「そっ、か。俺を恨むのだけは辞めてよ。君が決めたことなんだから」
「どういうこと?」
「ん?こっちの話。そういえば、君、名前は?」
「クロノアだよ」
「クロノアかぁ〜。じゃ、ノアだね。ノア、俺のことはらっだぁって呼んで」
「うん!よろしくね、らっだぁさん!」
「…、よろしく」
「でね、らっだぁさん。おれもはなしたいんだけど、きょうはもうかえらなきゃ。ごめんね、ばいばい」
「そっか、ばいばい」
きょうはいいことがあったなぁ。おもしろいひとにもあえたし。これからずっとおはなしするためにも、いきたいな、つよくならなくちゃ。
それからまいにちらっだぁさんのところにいった。らっだぁさんとはなすじかんはとてもたのしくて、もっといきたいとおもったし、らっだぁさんはおれのかみさまみたいなそんざいだった。おれはそんなかみさまがだいすきだった。
どれだけがんばってもおれはきっとおとなにはなれないから、いまのうちにたくさんあっとこうっておもって、まいにちあなたにあいにいっていた。
kr 7歳
今日はおれの8さいのたんじょう日。らっだぁさんにほうこくしに行くと、らっだぁさんは少しさみしそうな顔をして、こう言ってくれた。
「おめでとう、ノア」
「ありがとう!らっだぁさん」
「そんなノアにプレゼントあげるよ。はい、これ」
「何?これ」
らっだぁさんがくれたのは、すずのついたブレスレットみたいなの。
「お守り。悪い気からノアを守ってくれるの。普通の人には見えないんだよ」
「へぇ、すごいね。ありがとう!だいじにするね」
「そんなことより、ノア。そろそろお別れだね。暫くは寂しくなるね」
「どういうこと?まだ、外明るいよ」
そう言ったしゅんかん、目の前にけむりが出てきて、けむりが目にしみて、見えなくなった。やっと目をあけられるようになった時、らっだぁさんのすがたはどこにもなかった。夜まで話そうとおもっていたのに、けっきょく夜が来る前にさよならすることになっちゃった。
でも、その日からいつあのじんじゃに行ってもらっだぁさんに会えなくなった。何で今までくだらない話しかしてこなかったんだろう。
らっだぁさんはしばらくはさみしくなるって言ってたけど、おれがそのしばらくのあいだ生きれるとはかぎらない。もうおそいけど、言わなくちゃ、ちゃんとことばにして。おれはそんなに強くないよって。
らっだぁさんはかみさまだからきっとどこかで見てるはず。だから、見ていてね。おれはわすれないからね。
でも、少しのきぼうをすてれずに、らっだぁさんに会うために生きたい、って思う。らっだぁさんが大すきだから。
おれはもっと話がしたかったよ。だから、また、いつものように、だれもいないあのじんじゃにあなたをさがしに行く。
kr 15歳
屋上の柵に寄り掛かって少し前の事を思い出していた。でも、もう、さよならだね。俺の神様。神様が、らっだぁさんが、大好きでしたよ。だから、貴方にはもっと俺の生き様を見せてあげたかったけど、仕方がないや。だって、もう無理だもん。
俺は、逝くよ、神様。生きは、一緒だったけど、還りは1人。これからは辛いかな、何も感じないかな。何も分かんないけど、これを見てるらっだぁさんは知ってるんだろうけど、俺はこれから地獄に行くんだろうな。母さん達は生きてるし。
でも、どんな時でも貴方の歌は歌うよ。そして、どんなに時間がかかっても貴方に逢いに行くよ。
うん。考えたい事は全部考えた。部屋もちゃんと綺麗にしてきたし。もう、残すことは何も無いな。そう思って、俺は手に持っていた”あるもの”を首に押し当てた。そこで、俺の意識は途切れた。
___今入ってきたニュースです。本日の夕刻、◯◯病院の屋上で少年の遺体が発見されました。少年は、この病院に入院していた15歳の患者とのことです。付近に少年の血液が付着したナイフが落ちていたのと、少年の首に切り傷があることから、警察は殺人と自殺の両方の疑いで捜査しています。___
コメント
1件
もう、タイトルからして切ない予感がしてたけど……やっぱり読んでると胸がぎゅうってなったよ。5歳のノアが「おれじゃだめ?」って、らっだぁさんに話し相手を申し出る場面がすごく純粋で、そのあとの毎日のやりとりが愛おしくて。それだけに、7歳の誕生日の別れと、15歳の選択が重くのしかかるね……。最後のニュースの冷たさが、余計にその後の空白を感じさせる。藍乃さんの言葉選びが繊細で、読後もずっと胸に残ってるよ。
#トラゾー
二酸化炭素
468
ホウ酸
1,125
するめいか。
725