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マサチカ「さっねっみ~~~!!」
そう言って俺に近づいてくるのは同じ鬼殺隊の粂野匡近。
なんかすげぇよく絡んでくる。
サネミ「んだよ、うっせーなァ失せろ」
マサチカ「烏から聞いた?!次の任務一緒だってさ!」
俺の言葉とは裏腹にグイグイ距離を詰めて話しかけてくる匡近。
サネミ「…聞いた」
マサチカ「嬉しいな~!頑張ろうな!実弥!」
と、俺の肩を叩く。
うぜぇ。
こいつとは、鬼殺隊で出会い何度か一緒の任務に行ってるが友達だと思ったことは1度もないがこいつは俺の事を1番の友達だとか親友だとか言ってやがる。
勝手にしろ、って感じだ。
今日もやたらと絡んでくる。
マサチカ「実弥、この鬼が出るって町の隣町に美味しい甘味処があるんだよ~
任務終わったら一緒に行かないかい?」
呑気なこった。
鬼殺隊は鬼を切る、いつ命を落とすかも分からない。
それなのにこいつは。
マサチカ「なんてたって、その甘味処の看板娘の子がさあ、めちゃくちゃ綺麗で!いや!可愛い!?どっちだ!?」
サネミ「興味ねェ」
マサチカ「ま~そんな事言わずにさ!楽しみがあった方が任務頑張れそうじゃん?」
サネミ「任務に楽しみもクソもあるかよォ
俺ァ任務終わったらすぐ帰るぞ」
マサチカ「そんな事言わずにさ~~」
____
匡近との任務は俺の圧勝。
完全勝利。
弱え雑魚鬼だった。
雑魚いやつほどよく群がるってこの事だな?
マサチカ「やっぱり実弥はすごいな!」
そう、匡近も言う程だ。
けれどこいつも相当強い。
鬼に傷1つかず戦い抜いた。
俺は鬼の爪にやられて顔を切ってしまった。
こりゃァ跡残んじゃねーか。
軽く包帯を巻く程度の手当てをして、帰路を歩く。
もう朝か。
匡近も疲れたのか口数は少なくこのまま帰るつもりだった。
けれど
マサチカ「そう、この町だ」
さっきまで田舎の虫だのなんだの田んぼだの多くあった道だったが一気に店が沢山立ち並ぶ町に着いた。
匡近の言葉を思い出す。
サネミ「あ?てめぇまさか寄り道すんじゃねぇだろうなァ」
マサチカ「そのまさかだよ!」
サネミ「はァ!?」
マサチカ「確かこの辺りだったんだけどなぁ」
サネミ「俺ァ帰る」
マサチカ「待ってよ実弥!ほんと美味しいんだよ!おはぎ!それに看板娘の子がほんとに、、、」
匡近がそう言った時だった。
『ありがとうございました~~!!!また来てね~!!』
すぐ側から女性の声が。
マサチカ「あ!ここだ!」
匡近が俺の手を引く。
『あ、いらっしゃいませ~~』
[甘味処 とき]
その看板の店に立ってそう言ったのは
ここいらじゃ見かけないくらい色が白く、顔も綺麗で、淡い紫の着物を身につけた女だった。
思わず見入った。
これが、俺と実季の出会いだった。