コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ガチャッ
ディサイア「すまない、少々遅れたか」
ジョセフ「いやいや、全然大丈夫だよ」
ミカン「おぉ、戻ってきたか!いやーディサイアがトイレに行っとる間に、わしが和菓子の良いところを共有しておってな!ディサイアにも聞かせてやろう!」
ジョセフ「えぇ!?また話すのかい!?」
ミカン「そうじゃよ」
ディサイア「それもありがたいが、報告をせねばならないことがあるのだが」
ミカン「おぉ、なんじゃなんじゃ!?」
ジョセフ「どうしたんだい?」
ディサイア「森を抜けた先の街にいるゲルツハンターを知っているな」
ジョセフ「あぁ、厄介なね…」
ミカン「それがどうしたんじゃ?」
ディサイア「実はそいつらが我々を狙っているらしい決行日は明後日らしい」
ジョセフ「何故それを…」
ディサイア「私は、よく、その街に身を潜めて常日頃盗み聞きしているからだ」
ミカン「な、中々じゃのう…」
ディサイア「館の近くにヴァンパイアハンターが居るものだからな」
ミカン「今のうちに引っ越すのはどうじゃぁ??!間に合うじゃろ!!」
ディサイア「引っ越すための資金はないし、逃げ道のルートを明後日まで掴むのは正直難しい。次に移す場所を確保していないからだ」
ジョセフ「どこか運良く宿はないのかな〜(汗)」
ミカン「ここら近くはないぞ」
ディサイア「それに、我々の力でなんとか足止め出来るだろうが、裏で眷属が狙われてしまっては可哀想だ」
ミカン「何人がかりで来るかによって色々変わってくるからのう…」
ジョセフ「大人数だったら困るなぁ」
ディサイア「それと、何やらもう一つのヴァンパイアハンターと手を組んだみたいなんだ。民に挨拶に回っていたのを思い出した」
ミカン「終わりじゃぁ〜〜〜っ!」
ディサイア「断闘騎士団らしい」
ジョセフ「終わったヨォ〜〜ッ!」
ディサイア「ゲルツハンターはゲルタ、ツヴェル。断闘騎士団はラヴェル、マリアル、クロストが厄介だ。それぞれ誰と戦う事になるか分からないが」
ミカン「こ、怖いぞ…」
ジョセフ「きょ、今日は一旦解散、という事で〜…」
ミカン「…すまん、先に帰らせてもらうぞ……」
ディサイア「あぁ。それから私も、」
ジョセフ「僕が主催したんだ、僕が片付けるよ」
ディサイア「それはすまない、では」
ガチャッ
ジョセフ「…はぁ……」
ゆったりとした日常はそう長くは続かないみたいだね。周りのヴァンパイアの拠点がどんどん潰されていっていることは知っていた、が、ついに来てしまったか。
そういえば、昨日、ミカンちゃんからアロマキャンドルを貰ったな。
僕は、マッチ棒で、アロマキャンドルを付けた。これを付けて寝ると、リラックス効果があるんだっけか。丁度いいかもしれない。にしてもいい香りだ。
キャンドル…アロマキャンドルではないけれど、ろうそくといえば……君を思い出すよ。
???「あの、、ロウソクを…10ソルぺで言いから…買ってくれませんか?」
また僕に尋ねてきた、これで何回目なんだ。
???「急に…すみません」
ジョセフ「じゃあ、5つほど。ろうそくを僕にくれないかな?」
???「ありがとうございます、ありがとうございます!」
ジョセフ「君ってさ、よくここでろうそくを売っているよね」
???「………あぁ!よく見たら、貴方、よく見かけます。毎日ここ通ってます、、よね?!私その度に、無意識に話しかけてるような。私はとりあえず、買ってもらいたくて、それに必死で、お金欲しくて…」
ジョセフ「両親は?」
???「両親はいない、孤児なんです。自分でお金稼いで、それで、孤児院を出て自分1人で生きる、その為に今頑張ってます!」
ジョセフ「そうなのか…」
ロウソク数本を売りに来たって到底大金を稼げる訳ではないのに、頑張っているこの子を見たら…そんな事は言えないな…。すると、グゥ〜〜ッと近くでお腹が鳴る音がした。
???「あっ!!!すみません!私です。孤児院の料理じゃあ足りなくって…」
可哀想だ…。
ジョセフ「こんなおじさん怪しいでしかないと思うけど、ちょっとついて来てくれるかな?」
???「全然良いですよ。毎日買ってもらってる身です」
少女を店に連れて行くと、
???「ん〜っ、美味しいです!こんな美味しいもの初めて!」
うん、喜んでる喜んでる♪こういう顔を見ると微笑ましい。
???「おじさん頼まないんですか?」
ジョセフ「僕は良いかな。好きなものを存分に頼んで良いからね〜」
???「おじさん優しいですね!」
ジョセフ「ほっとけないよ君みたいな人は」
ピマス「私、ピマスです。急な自己紹介ですが…」
ジョセフ「ピマスちゃんね。僕の名前はジョセフ。よろしく」
ピマス「ジョセフさん、よろしくお願いします!ジョセフさんっていつもどこにいますか?」
ジョセフ「僕は、この街をよくぶらぶらしてるけど」
ピマス「なるほどですね。じゃあ、また会っても良いですか?!ジョセフさんの色んな事を聞きたいなーと思いまして」
ぼ、僕かぁ、、、僕は彼女とは違う種族のヴァンパイアだ。恐れられている存在。彼女にはそんな事は言えないな。僕は今、髪を下ろして尖った耳は見えないようにしている。バレてはないと思うが。
それから、毎日会ってはたわいもない話をしていた。最近、魔女が人攫いをしているのだと街中噂が飛び交い、街は険しい雰囲気に包まれていた。
そしてとある日の昼。僕達はいつも通り会って会話を交わしていた。今日も、魔女の特徴と、見つけたら魔女狩り委員会までお声かけをというチラシがちらほら貼ってあった。
ピマス「ジョセフさん、昨日もお惣菜や穀物の提供、ありがとうございます。孤児院の子供一同感謝してます!」
ジョセフ「いやいや、子供達には元気でいてほしいからね」
ピマス「わざわざ、直接運んでくれるなんて」
ジョセフ「朝飯前だよ」
ピマス「しかも、ジョセフさん来たら子供達みんなジョセフさんに寄って…人気になりましたね!」
ジョセフ「あれはもう嬉しいでしかないよ」
ピマス「そういえば、話変わるんですけど…最近物騒になってきましたよね」
ジョセフ「そうだよね。不安だよ」
ピマス「農作物は荒らされ、人攫いまで…本当に酷い事をします。魔女なんて、一撃で倒してやりたいー…ってこと出来たらな〜〜なんて、毎日思っちゃったりしちゃって…」
ピマスちゃんはえへへ…と、苦笑いでそう言った。僕自身もそう思うが、無闇に倒したりなんてしたら万が一疑われてしまえばそれで終わりだ。魔女は隠し上手なところある。そう簡単に判断出来るわけじゃない。軽率な行動は取らないように気をつけているのだ。
ピマス「街の代表委員会の方達が検討中らしいです。平和になれると良いのですが」
平和かぁ…
ある日、孤児院に魔女が紛れているいう情報が入ったそうだ。
ドンドンドン!
「居留守しやがって!いるんだろ!」
「街に貢献しろ!」
ガチャン!!
「あぁっ……た、助けてっ!誰か゛ぁ!!!!!!」
「逃げるんじゃねぇぞ!」
「この孤児院にいる女を片っ端から見つけ次第殺せ!!!」
「こ、こんなのって…街長、本気なん…」
バン!バン!バン!ドザッ、グサッ!
「いたぞ!逃げるな!これは民の為だ!」
ピマス「こ、こんなの、酷い、差別だっ。か゛え゛し゛て゛よ゛ぉ゛」
バン………
「全員の死亡次の目的地に行きましょう」
バタン………
ピマス「……っ……ジョ、、せ、、ふさ……」
街長が下した片っ端から女性を殺していく、所謂差別があった。悔しい事に真夜中に起こって、僕はその場に居合わせれなかった。なんて残虐な行為だ。
復讐なんて生むのはただの虚しさだけ。それで幸せになれないのが僕。実に無念だ。
少し暗くなってきたな。
僕は、街の裏にある芝生の生えた平地に穴が掘られた場所が作られた。穴には数々の女性の死体が惨たらしく積まれていた。一番上にはピマスちゃんが。おそらく最後にやられてしまったのだろうか。
失ってしまった。穴をただ見つめている僕に声をかけてくれた。
ミカン「なんでこうなったんじゃろうな……」
ジョセフ「貴方は……生き残りですか?」
ミカン「違う。最近魔女の噂がそこら中飛び交っておったからな。偶々ここを通ったんじゃ」
ジョセフ「そうですか……実は、孤児院に暮らしている女の子と友達になってまして…1番上にいる子がその子なんです…」
ミカン「な、なんと……そんな…女性が魔女と疑われる事が大体じゃからな…」
ジョセフ「彼女が魔女だなんてこと…」
ミカン「絶対にない…とは言い切れんが、わしは違うと思うぞ。名は何というんじゃ」
ジョセフ「ジョセフ、ジョセフ・グルーヴァス。貴方は」
ミカン「ミカン・フィリームじゃ。ふむ、ジョセフ。当てはあるのか?」
ジョセフ「いえ、特に」
ミカン「ならうちに来ると良い」
ジョセフ「は、はい…」
ミカン「今日から友達じゃ、……お主もしかしたら、ヴァンパイアかっ!!」
ジョセフ「そうです、そ、、そうだよ!」
ミカン「よく女の子にバレんかったのう」
ジョセフ「隠してたからね」
ミカン「それともう一つ、その目隠し、ヒカクシか?」
ジョセフ「ミカンちゃんも付けてるよね?」
ミカン「おう、”サンルナ人”の生き残りじゃからな。良かったぞ、同士がいて」
ジョセフ「世界に4人しかいないと言われているね」
ミカン「丁度、そのうちの1人招いているんじゃよ」
ジョセフ「よく見つけれましたね」
ミカン「玄関におったからの」
ジョセフ「なるほど…」
そういえばミカンちゃんにこういう話を持ちかけてみたっけな
ジョセフ「ミカンちゃん、君の昔話。聞いても良いかな?知りたくてね」
ミカン「あぁん昔じゃと〜いつのことじゃ?」
ジョセフ「幼少期の頃〜とか?エピソードなんでもあったら…」
ミカン「…すまん、覚えとらんのじゃよ、長く生きてると昔の事を思い出せん事が多々あるからな」
ジョセフ「そ、そっか……」
続く