TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
ゆきのはな

ゆきのはな

「ゆきのはな」のメインビジュアル

167

13.【揺れる尻尾】

♥

41

2023年09月27日

シェアするシェアする
報告する



「ちらぁ♪」


突然現れた少女、雪乃に、男の腕の中にいたチラーミィは嬉しそうに尻尾を振った。


現れたのは、小柄な少女。

しかし、一瞬で自分より大きな相手を捻り倒した。


油断はできない。


「ベトベター、ヘドロばくだん!」

「ラッタ!かみつく!」


男子2人が一斉にポケモンに指示を出す。

ポケモン2匹からの攻撃を、雪乃は木を蹴り華麗に避ける。



「おーい!こっちや!」



更にもう1人、顔に紙を貼り付けた人物が正面から現れる。

男たちはそちらに気を取られた。


余計なことを、と雪乃は木の上からロボロを見た。


「パモ!でんきショックや!」


ロボロは肩に乗っていたパモに指示を出す。


「パァ〜モォッ!!」


パモの技、でんきショックは2匹のポケモン、ベトベターとラッタに向かっていく。


痺れた2匹の動きが鈍る。


その隙に雪乃は男子生徒の腕の中からチラーミィを取り返した。


「あれ!?いない!」

「何やってんだ!」


腕の中にチラーミィがいないことに気付く男子。


「もう大丈夫よ」


雪乃は取り返したチラーミィにそう声をかける。チラーミィは「ちらぁ」と嬉しそうに笑った。


「いてて、くそ、たった2人になんて様だッ」


倒れていた男子生徒が、起き上がった。

再び雪乃とロボロ、そして3人組が対立する。


「天の人」

「…あ、俺のこと?」


突然声を掛けられたロボロは自分に向かって指をさす。


「教師を呼んできてください。その間にこいつら相手しとくんで」

「アホか!1人にするわけないやろ!」


そんな会話を繰り広げる中、ガサガサと音を立て走り込んでくる人物が1人。



「ーーーチミィ!!!」



そう叫びながら現れたのは、チーノだった。


「ちらぁ!」


雪乃の腕の中で、チラーミィが目を輝かせ尻尾を振りたくる。


「チミィ!」


そんな元気そうな姿のチラーミィを見るや否や、手を広げ駆け寄ってくる。


「ちらぁ!」


チラーミィも雪乃の腕の中からチーノに向かって飛びつこうとした。


しかし、2人の再会を阻むように、“ヘドロばくだん”が飛んできた。


チーノは尻餅をつき、その場に倒れる。



「待ってたぞ、チーノ」



チーノが視線を向けた先にいたのは、男子生徒3人組。


「1人で来いって言ったのに、まさかお仲間連れてくるなんてなぁ?」


ボキボキと拳を鳴らしながら、中央に立つ男が言った。

随分とご立腹の様子だ。


汚れた眼鏡を掛け直しながら、チーノが3人を睨みつける。


「お前に騙された恨み、この場で晴らしてやる」



何したんだこいつ。


そう言われヘイトを向けられるチーノに、雪乃は内心呆れていた。

まぁ日頃の行いが祟ったのだろう。


しかし、この場で成敗すべきはあの3人組。

ポケモンを手にかけようとした罪は重い。


正直グルグル眼鏡が何をしたのか知らないが、私はポケモンの味方だ。


「…待ってろって言っただろ」


雪乃はボロボロのチーノに向かってそう言う。

大人しく待っていれば、こんなに狙われることもなかっただろうに。


「ラッタ!ひっさつまえば!」


ラッタは前歯を光らせながら、チーノに向かって突っ込んでくる。


「ワンリキー!けたぐり!」


モンスターボールを投げながらロボロが叫ぶ。

ポカァンとボールから出てきたワンリキーはチーノを守るように突っ込んできたラッタを“けたぐり”で迎え撃つ。


「ベトベター!マッドショット!」


今度はベトベターの技がチーノに飛んでいく…と思いきや、雪乃目掛けて飛んできた。


避けようとするが、腕の中から抜け出そうとするチラーミィに気を取られ、避けるのが遅れた。


バシャァア!!


マッドショットは真っ直ぐ飛来し、雪乃たちに降りかかった…はずだった。




「…待っとけるわけないやろ」

この作品はいかがでしたか?

41

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚