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#timelesz
いちごみるく
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#菊池風磨
いちごみるく
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#紅一点
いちごみるく
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朝。
カーテンの隙間から光が入る。
〇〇「……ん」
ゆっくり目を開ける。
ぼんやりしたまま動こうとして——
〇〇「……え」
止まる。
近い。
というか、
近すぎる。
北斗の腕。
完全に抱き込まれてる。
〇〇「……っ!?」
一気に目が覚める。
北斗の顔もすぐ近く。
寝てる。
でも距離がおかしい。
〇〇「な、」
声が出かけて止まる。
自分の手、
北斗の服掴んでる。
足も少し絡まってる。
〇〇「……は!?」
頭が追いつかない。
昨日、
こんな感じで寝た記憶ない。
〇〇「え、え、え」
混乱してる間にも、
北斗の腕は普通に〇〇を抱いたまま。
しかもかなり自然。
〇〇「……ちょ、北斗」
小声で呼ぶ。
反応なし。
寝てる。
〇〇「北斗!」
少し強め。
北斗「……ん」
低い声。
まだ半分寝てる。
〇〇「ちょっと待って待って」
北斗「……なに」
目を開ける。
数秒。
お互い固まる。
北斗「……」
〇〇「……」
異常な距離。
北斗の腕の中。
完全に抱き合ってる状態。
北斗「……」
一瞬で目が覚める。
〇〇「なんでこうなってるの!?」
北斗「……」
珍しく言葉が出ない。
〇〇「え!?え!?」
北斗「……知らねぇよ」
でも声が少し掠れてる。
〇〇「知らないわけないでしょ!」
北斗「……お前が寄ってきた」
〇〇「嘘!」
北斗「ほんと」
〇〇「絶対嘘!」
北斗「……」
でも否定しきれない顔。
〇〇「……っ」
顔が熱くなる。
距離近い。
近すぎる。
北斗も完全に意識してる。
でも腕はまだ離れてない。
〇〇「ちょ、離して!」
北斗「……あ」
やっと気づいたみたいに腕を離す。
でも今度は気まずさがやばい。
〇〇「……」
〇〇は勢いで布団を被る。
北斗は顔を覆う。
北斗「……終わった」
小さく呟く。
朝から空気が完全におかしかった。
〇〇「北斗も寝相悪いんだね」
ぽつり。
北斗「……は?」
〇〇「私だけかと思ってた」
少し笑う。
〇〇「昨日めっちゃ絡まってた」
北斗「……」
固まる。
〇〇はまだ少し寝起きの顔のまま。
〇〇「びっくりした」
〇〇「起きたら近すぎて」
普通に言う。
北斗「……」
〇〇「でも北斗も寝相悪いなら安心した」
小さく笑う。
北斗「……安心?」
〇〇「うん」
〇〇「私だけじゃなかったんだって」
悪気ゼロ。
天然そのまま。
北斗「……お前」
〇〇「ん?」
北斗「……いや」
言葉が出ない。
“俺が抱き寄せた”なんて絶対言えない。
北斗は視線を逸らす。
耳が少し赤い。
〇〇「?」
不思議そうに見る。
北斗「……もう起きろ」
ぶっきらぼうに言う。
〇〇「なにその言い方」
少し笑う。
北斗「知らねぇよ」
〇〇「絶対寝相悪いじゃん」
北斗「お前ほどじゃねぇ」
〇〇「えー」
〇〇はくすっと笑う。
その笑顔を見て、
北斗だけがまた静かにしんどくなっていた。
スマホが震える。
〇〇「……ん?」
画面を見る。
〇〇「紫耀だ」
北斗「……」
一瞬だけ動きが止まる。
〇〇は普通に電話に出る。
〇〇「もしもし」
紫耀「おはよ」
〇〇「おはよ、どした?」
紫耀「今日さ、会えない?」
〇〇「今日?」
紫耀「うん」
少しだけ間。
紫耀「昨日持ってくの忘れたお土産あるんだよね」
紫耀「社長にも渡したくて」
〇〇「あーなるほど」
紫耀「事務所行く予定ある?」
〇〇「あるよ」
〇〇「午後から」
紫耀「じゃあその時でいい?」
〇〇「いいよ」
自然に返す。
北斗「……」
横で黙ったまま聞いてる。
紫耀「助かる」
〇〇「何時くらい?」
紫耀「そっちに合わせる」
〇〇「じゃあ連絡する」
紫耀「りょーかい」
少し笑った声。
紫耀「じゃまたあとで」
〇〇「はーい」
通話が切れる。
〇〇はそのままスマホを置く。
〇〇「お土産渡したいんだって」
普通に言う。
北斗「……ふーん」
短い。
〇〇「昨日忘れてたらしい」
北斗「……」
〇〇「社長にもって」
北斗「……そう」
淡々としてる。
でも明らかにテンション低い。
〇〇「?」
〇〇「北斗?」
北斗「なに」
〇〇「機嫌悪い?」
北斗「別に」
即答。
〇〇「絶対嘘」
北斗「嘘じゃねぇよ」
〇〇「分かりやす」
少し笑う。
北斗「……」
その言葉に昨日を思い出す。
“分かりやすいんだよ”
自分で言ったくせに、
今は自分が分かりやすすぎる。
北斗「……準備してくる」
ぶっきらぼうに立ち上がる。
〇〇「え、あ、うん」
そのまま部屋を出る。
〇〇「……?」
不思議そうに見送る。
でも北斗の頭の中では、
今日また紫耀と会うって言葉だけが、
やけに引っかかっていた。
ーーーーーーーーー
〇〇side
〇〇「おつかれさまです」
スタッフ「ありがとうございました!」
収録終わり。
時計を見ると18:00。
〇〇「……はぁ」
小さく息を吐く。
今日は朝からずっと動きっぱなし。
メイク直し、取材、移動、打ち合わせ。
でもやっと一区切り。
マネ「このあと事務所寄る?」
〇〇「あ、行く」
マネ「紫耀くん来るって言ってたもんね」
〇〇「うん」
スマホを見る。
紫耀から連絡。
『もう着いてるー』
〇〇「はや」
少し笑う。
マネ「送るよ」
〇〇「ありがと」
車に乗り込む。
外はもう夕方というより夜に近い。
街の灯りが少しずつ増えていく。
——
その頃。
SixTONESの楽屋。
樹「おつかれー」
慎太郎「つっかれたー」
ジェシー「腹減った!」
高地「今日長かったね」
きょも「ねむい」
ガヤガヤした空気。
その中で、
北斗だけ静か。
ソファに座ってスマホを見てる。
慎太郎「北斗」
北斗「……ん」
慎太郎「今日静かすぎ」
ジェシー「朝からずっとじゃん」
樹「まぁ理由分かりやすいけど」
北斗「……うるせぇ」
低い声。
高地「図星なんだ」
きょも「今日会うんでしょ」
北斗「……」
反応が止まる。
慎太郎「やっぱ気にしてんじゃん」
北斗「別に」
樹「その“別に”は別にじゃない」
ジェシー「漫画みたい」
北斗「……」
スマホを伏せる。
でも頭には浮かんでる。
今頃、〇〇と紫耀が会ってる。
それだけで妙に落ち着かない。
北斗「……はぁ」
慎太郎「重症だわ」
北斗「うるせぇって」
でも否定しきれない。
慎太郎「……なぁ」
樹「ん?」
慎太郎「ちょっと見に行かない?」
北斗「は?」
ジェシー「なにを?」
慎太郎「なにをじゃないでしょ」
ニヤッと笑う。
慎太郎「紫耀と〇〇」
北斗「行くわけねぇだろ」
即答。
でも、
その速さが逆に怪しい。
樹「いやでも気になる」
ジェシー「わかる」
高地「普通に久々に会いたいしね」
きょも「確かに」
北斗「……お前ら暇かよ」
慎太郎「暇ではない」
樹「でも好奇心はある」
ジェシー「超ある!」
高地「楽しそうだし」
きょも「北斗も気になるでしょ」
北斗「別に」
全員「いや気になってる」
即被り。
北斗「……」
慎太郎「ほら行くぞ」
樹「事務所近いし」
ジェシー「突撃〜」
高地「迷惑にならない程度にね?」
きょも「絶対無理」
ガヤガヤ立ち上がる。
北斗「おい」
止める声。
でも誰も止まらない。
慎太郎「北斗も来るよな?」
北斗「行かねぇ」
樹「置いてくぞ」
ジェシー「一人で悶々としてれば?」
北斗「……」
図星。
きょも「行く?」
静かに聞く。
北斗「……」
数秒沈黙。
北斗「……行くだけな」
慎太郎「きた!」
ジェシー「素直じゃない!」
高地「はい決定〜」
樹「タクシー呼ぶぞ」
北斗「……ほんと最悪」
小さく呟く。
でも結局、
一番落ち着かないのは自分だって分かってる。
SixTONES全員、
完全に面白がり半分、心配半分。
そのままガヤガヤしながら、
事務所へ向かうことになった。
その頃、
〇〇を乗せた車は事務所へ向かっていた。
〇〇「おつかれさまです」
事務所に入る。
スタッフ「おつかれさまです」
軽く挨拶しながら奥へ。
マネ「応接いるって」
〇〇「りょーかい」
廊下を歩く。
扉の前。
コンコン。
〇〇「入るよー」
ガチャ。
紫耀「おっ」
ソファに座ってた紫耀が顔を上げる。
〇〇「はやいって」
紫耀「30分前にはいた」
〇〇「なんでそんな早いの」
紫耀「久々だったから」
笑う。
テーブルには紙袋。
〇〇「それお土産?」
紫耀「うん」
〇〇「ちゃんと持ってきてるじゃん」
紫耀「昨日忘れたからね」
〇〇も向かいに座る。
紫耀「仕事終わり?」
〇〇「今終わった」
〇〇「疲れた〜」
ソファにもたれる。
紫耀「顔に出てる」
〇〇「でしょ」
紫耀「でも元気そう」
〇〇「まぁね」
自然な空気。
昔から変わらないテンポ。
紫耀「最近どうなの」
〇〇「忙しい」
〇〇「ありがたいけど」
紫耀「ずっと働いてるイメージ」
〇〇「そっちもじゃん」
紫耀「まぁ」
笑う。
〇〇「ナンバーアイやばいね最近」
紫耀「急に褒めるじゃん」
〇〇「普通にすごい」
紫耀「ありがと」
少し照れたみたいに笑う。
〇〇「……」
その顔見て、
昔を思い出す。
関西ジュニアの頃。
気づけばずっと近くにいた。
先輩後輩だったはずなのに、
変な壁が全然なかった。
紫耀「なに」
〇〇「いや、変わんないなって」
紫耀「どっちが?」
〇〇「紫耀」
紫耀「お前も」
即答。
〇〇「うそ」
紫耀「ほんと」
少し笑う。
〇〇もつられて笑う。
その時。
廊下の向こうから、
ガヤガヤした声が近づいてくる。
〇〇「……?」
紫耀「ん?」
聞き覚えありすぎる声。
慎太郎「絶対ここだって!」
樹「声でかい」
ジェシー「久しぶりすぎて楽しみ!」
高地「静かにって」
きょも「もう無理だよ」
〇〇「……」
聞こえた瞬間、察する。
〇〇「まさか」
紫耀「ふはっ」
笑い始める。
次の瞬間、
ガチャ。
樹「おつかれー……って」
慎太郎「いた!!」
ジェシー「やっほー!」
一気に入ってくるSixTONES。
〇〇「なんで来たの」
慎太郎「気になった!」
樹「普通に会いたかったし」
ジェシー「紫耀ひさしぶりー!」
紫耀「うるさ」
でも笑ってる。
高地「昨日ぶりー」
きょも「元気そう」
紫耀「元気元気」
自然に空気が賑やかになる。
〇〇「絶対暇だったじゃん」
樹「失礼」
慎太郎「半分正解」
ジェシー「北斗が特にね」
〇〇「え?」
その言葉で、
少し遅れて入ってきた北斗を見る。
北斗「……」
帽子を少し下げたまま。
〇〇「北斗もいたの」
北斗「……いた」
紫耀「来ると思った」
北斗「……来てねぇよ別に」
慎太郎「来てるじゃん」
ジェシー「現実見て」
高地「素直じゃないなぁ」
きょも「通常運転」
〇〇は少し笑う。
北斗はその笑顔を見て、
少しだけ視線を逸らす。
紫耀「座れば?」
樹「いいの?」
紫耀「久々だし」
慎太郎「やったー」
勝手に座り始める。
一気に応接室が狭くなる。
〇〇「急に人口密度やば」
ジェシー「同窓会みたい!」
紫耀「確かに」
きょも「関西組いるしね」
〇〇「懐かしい」
紫耀「昔こんなんだったよな」
〇〇「ずっとうるさかった」
慎太郎「今もじゃん」
樹「変わってねぇ」
笑いが広がる。
その中で北斗だけ、
少し静か。
でも昨日みたいな重さではなくて、
〇〇が普通に笑ってるのを見て、
少しだけ安心していた。
紫耀「そういえばさ」
ふと思い出したみたいに口を開く。
〇〇「ん?」
紫耀「昨日の続きなんだけど」
〇〇「……なに」
少し嫌な予感。
慎太郎「昨日?」
樹「あー」
ジェシー「恋バナ?」
紫耀「〇〇さ」
紫耀「好きな人いないって言ってたじゃん」
〇〇「……」
一瞬で空気を察する。
〇〇「その話もうよくない?」
紫耀「いや、絶対嘘だった」
慎太郎「いや待って待って」
昨日の流れを思い出して笑い始める。
慎太郎「今思い返してもすごかったって」
ジェシー「わかる!」
樹「紫耀攻めすぎ」
高地「かなり核心ついてたよね」
きょも「……」
〇〇「もうその話終わり!」
クッション投げる。
慎太郎「いてっ」
紫耀はケラケラ笑ってる。
紫耀「だって絶対いたもん」
〇〇「いないって」
紫耀「昨日の“……”はいた」
〇〇「違う」
紫耀「いや、あれはいた人の間」
ジェシー「“いた人の間”ってなにww」
樹「分析すな」
高地「でも分かる気はする」
〇〇「味方いないんだけど!」
慎太郎「ちなみにさ」
ニヤニヤしながら身を乗り出す。
慎太郎「紫耀は誰だと思ったの?」
〇〇「ちょっと!」
紫耀「えー」
わざと考えるフリ。
〇〇「言わなくていい!」
紫耀「でも知ってる人だとは思った」
樹「ほら」
ジェシー「やっぱり!」
高地「身近なんだ」
きょも「……」
北斗「……」
静か。
でも耳だけは完全に向いてる。
〇〇「違うってば」
紫耀「いや、だってさ」
昨日を思い出すみたいに笑う。
紫耀「“知ってる人?”って聞いた時」
紫耀「止まったじゃん」
〇〇「止まってない」
紫耀「止まってた」
慎太郎「図星のやつ?」
ジェシー「少女漫画みたい!」
〇〇「違うから!」
樹「でも昨日ほんと分かりやすかった」
高地「焦ってたよね」
〇〇「もうやだ……」
ソファに顔埋める。
紫耀「あとさ」
〇〇「まだあるの!?」
紫耀「抱きしめた時」
部屋が止まる。
北斗「……」
空気が変わる。
〇〇「ちょっと紫耀!」
顔を上げる。
紫耀「いや、確認しただけ」
樹「何を」
紫耀「反応」
ジェシー「えぇ!?」
慎太郎「なにそれ!」
高地「怖い怖い!」
きょも「……」
〇〇「最悪なんだけど」
紫耀「でも確信した」
〇〇「だから何を!」
紫耀は笑ったまま、
でも少しだけ真面目な目になる。
紫耀「〇〇、自分で思ってるより分かりやすい」
〇〇「……」
その言葉に、
北斗の視線がわずかに動く。
昨日、自分も同じことを言った。
紫耀「多分隠せてないよ」
〇〇「……」
〇〇は返せない。
北斗は黙ったまま。
でも胸の奥だけが、
静かにざわついていた。
〇〇「……」
少しだけ黙る。
その瞬間、
SixTONES側の空気が微妙に固まる。
全員、頭に浮かぶ名前は同じ。
廉。
でも——
言えない。
さすがに。
紫耀の前で。
元同じグループ。
しかも普通に今も仲いい。
空気が絶妙に難しい。
樹「……まぁでも」
不自然なくらい明るく入る。
樹「好きな人いてもおかしくないよな!」
慎太郎「そうそう!」
ジェシー「〇〇モテるし!」
高地「仕事忙しいから逆にそういうの無さそうだけど」
きょも「でも恋愛禁止じゃないし」
全員、
必死に“名前を出さない方向”へ持っていく。
〇〇「……」
なんとなく察する。
この感じ。
みんな変。
紫耀「え、なにその空気」
鋭い。
慎太郎「いや!?普通普通!」
ジェシー「ね!?」
樹「何もない何もない」
高地「ねぇ北斗」
急に振る。
北斗「……は?」
高地「なんか言いなよ」
北斗「……別に」
低い声。
〇〇「北斗までそれ」
紫耀はその反応を見て、
少しだけ目を細める。
紫耀「……ふーん」
何か考えてる顔。
〇〇「なにその顔」
紫耀「いや別に」
でも絶対別にじゃない。
慎太郎「はいこの話終わり!」
ジェシー「そうだ!飯行く!?」
樹「切り替え雑すぎ」
高地「でも空気変えたい」
きょも「賛成」
〇〇「絶対みんななんか隠してる」
樹「隠してない隠してない」
全員、笑う。
でもその笑いの奥で、
“廉”の名前だけは誰も出せなかった。
紫耀「いや待って」
みんな止まる。
紫耀「絶対なんかあるじゃん」
慎太郎「ないない!」
ジェシー「気のせい気のせい!」
樹「考えすぎ」
高地「うんうん」
きょも「……」
紫耀、じーっと見る。
紫耀「分かりやす」
〇〇「……」
〇〇まで視線逸らす。
紫耀「え、なにこれ」
紫耀「逆に怖いんだけど」
慎太郎「怖くない怖くない!」
ジェシー「平和!」
樹「超平和!」
紫耀「いや平和な空気じゃないって」
鋭い。
〇〇「……もういいじゃん」
紫耀「よくない」
即答。
紫耀「俺だけ置いてかれてる感じする」
樹「そんなことないって」
紫耀「ある」
きっぱり。
しかも勘がいい。
北斗「……」
黙ったまま。
その空気もまた怪しい。
紫耀「え、まじで誰なの」
〇〇「いないって」
紫耀「その否定もう信用ない」
ジェシー「ははは!」
乾いた笑い。
高地「ね、そういえばさ!」
無理やり話変えようとする。
高地「お土産!」
樹「あ、そうじゃん!」
慎太郎「社長に渡すやつ!」
きょも「まだだったね」
全員一気に乗っかる。
紫耀「……」
完全に誤魔化されたの察する。
紫耀「絶対なんかある」
〇〇「ない」
紫耀「ある」
〇〇「ない!」
紫耀「じゃあなんでみんなそんな顔なの」
慎太郎「どんな顔!?」
紫耀「“言うな言うな”の顔」
樹「被害妄想!」
ジェシー「考えすぎ!」
高地「紫耀勘良すぎる」
〇〇「ほんとそれ」
紫耀「え、認めた?」
〇〇「あ」
しまった顔。
慎太郎「はい終了ー!」
樹「社長行くぞ社長!」
ジェシー「お土産お土産!」
紫耀「待ってまだ終わってない」
〇〇「終わったの!」
紫耀「絶対また聞く」
〇〇「やめてほんとに」
笑いながらも、
〇〇は内心かなり焦ってる。
SixTONESも同じ。
誰かがうっかり“廉”って言いそうで、
全員ちょっとヒヤヒヤしていた。
紫耀「じゃ、ちょっと社長行ってくる」
紙袋を持って立ち上がる。
樹「いってらっしゃい」
慎太郎「怒られてこい」
紫耀「なんでだよ」
ジェシー「久々すぎて長話しそう」
高地「たしかに」
きょも「気をつけて」
〇〇「ちゃんと渡してきて」
紫耀「はーい」
そのまま応接室を出ていく。
扉が閉まった瞬間——
全員。
「…………」
静か。
数秒後。
慎太郎「危なっっっっ」
樹「ほんとに」
ジェシー「寿命縮んだ!」
高地「勘鋭すぎるって」
きょも「ほぼ気づいてた」
〇〇「……そんな分かりやすかった?」
全員「うん」
即答。
〇〇「えぇ……」
ソファに沈む。
樹「昨日の反応やばかった」
慎太郎「“知ってる人?”の間な」
ジェシー「完全に止まってた!」
高地「抱きしめられた時も」
〇〇「それはもう言わないで!」
顔を隠す。
北斗「……」
黙ったまま。
でも全部聞いてる。
慎太郎「でもさ」
慎太郎「よく耐えたよね俺ら」
樹「危うく廉って言いそうだった」
ジェシー「俺も!」
高地「普通に危なかった」
きょも「紫耀いるの忘れそうだった」
〇〇「……」
さらに気まずくなる。
慎太郎「いやだってさぁ」
慎太郎「紫耀、元メンバーだよ!?」
樹「空気えぐいって」
ジェシー「しかも今も仲良いし」
高地「普通に気まずい」
〇〇「だから言ってないじゃん……」
小さく呟く。
北斗「……」
その言葉に少し反応する。
“言ってない”
つまり、
好きなのは否定してない。
北斗は静かに視線を落とす。
胸の奥がまた重くなる。
慎太郎「でも紫耀絶対また聞いてくる」
樹「100%」
ジェシー「勘づいてるもん」
高地「どうする?」
〇〇「どうしようもない……」
本気で困った顔。
きょも「まぁでも」
きょもが静かに笑う。
きょも「〇〇ほんと分かりやすい」
〇〇「きょもまで!?」
ジェシー「全員一致だよ」
〇〇「最悪……」
頭を抱える。
その横で、
北斗だけは静かに苦笑いするしかなかった。
紫耀「てかさ」
ソファにもたれながら周りを見る。
紫耀「このあとみんな暇?」
慎太郎「ん?」
ジェシー「急だね」
樹「まぁ今日はもう終わり」
高地「俺も特にないよ」
きょも「大丈夫」
北斗「……」
〇〇「なんで?」
紫耀「集まれること代々ないし」
紫耀「このまま帰るのもったいなくない?」
慎太郎「たしかに!」
ジェシー「まだ喋れる!」
樹「元気だなぁ」
その時、
〇〇がぽつり。
〇〇「パーティーしたい!」
全員「え?」
〇〇「なんか急に」
少し笑う。
〇〇「こういう感じ久々じゃん」
紫耀「いいじゃん」
即乗る。
慎太郎「やる!?」
ジェシー「ホームパーティ!」
高地「楽しそう」
きょも「久しぶりだね」
樹「どこでやる」
紫耀「うち来る?」
さらっと言う。
慎太郎「え、いいの!?」
ジェシー「行きたい!」
高地「お邪魔していいの?」
紫耀「全然」
〇〇「やった」
少し嬉しそう。
樹「そういや最近ニュースなってたよな」
慎太郎「あー家!」
ジェシー「めっちゃ広いやつ!」
きょも「ラトゥール代官山だっけ」
ラトゥール代官山
紫耀「言うなって」
笑う。
〇〇「ほんとに広いよ」
慎太郎「行ったことあんの!?」
〇〇「ある」
即答。
北斗「……」
また胸がざわつく。
さらっと出る“ある”が嫌に刺さる。
樹「さすが仲良し」
紫耀「昔から来てるしね」
〇〇「泊まったこともある」
慎太郎「情報強すぎ!」
ジェシー「うわー!」
高地「仲良っ」
きょも「……」
北斗「……」
静か。
でも分かりやすく固まる。
〇〇「?」
〇〇は気づいてない。
紫耀「じゃ決まりね」
紫耀「なんか買ってく?」
慎太郎「酒!」
ジェシー「肉!」
樹「絶対騒がしくなる」
高地「でも楽しそう」
きょも「久々だしね」
〇〇「たのしみ」
笑う。
その笑顔見ながら、
北斗だけが静かに複雑な顔をしていた。
〇〇「じゃコンビニ寄ろ」
慎太郎「さんせー!」
ジェシー「買い出しだ!」
樹「絶対量やばくなる」
高地「お菓子もいるよね」
きょも「アイス欲しい」
紫耀「もう遠足じゃん」
みんなで事務所を出る。
外はすっかり夜。
歩きながら、
〇〇はスマホを取り出す。
樹「マネ?」
〇〇「うん、一応」
メッセージを打つ。
〇〇『このあと紫耀の家でホームパーティする』
〇〇『SixTONESも一緒』
〇〇『警備お願いしていい?』
すぐ返信。
マネ『了解』
マネ『周辺とエントランスつける』
マネ『飲みすぎ禁止』
〇〇『はーい』
慎太郎「管理されてるねぇ」
〇〇「最近特にね」
高地「まぁ心配なるよ」
ジェシー「守られてる!」
紫耀「安心安全」
きょも「大事」
北斗「……」
少し後ろを歩いてる。
〇〇はスマホをしまって振り返る。
〇〇「北斗」
北斗「……ん」
〇〇「静かじゃない?」
樹「たしかに」
慎太郎「今日ずっとじゃん」
ジェシー「どうしたの〜」
北斗「別に」
きょも「その“別に”便利だね」
少し笑う。
北斗「……うるせぇ」
〇〇「疲れた?」
北斗「まぁ」
〇〇「なら無理しなくていいよ?」
自然に言う。
北斗「……」
少しだけ視線を上げる。
北斗「別に無理はしてない」
〇〇「そ」
そのまま歩き出す。
北斗は少しだけ息を吐く。
きょもが隣に並ぶ。
きょも「分かりやすい」
小声。
北斗「……は?」
きょも「顔」
北斗「うるさい」
きょも「嫉妬しすぎると疲れるよ」
北斗「してねぇし」
きょも「してる」
即答。
北斗「……」
きょも「でも〇〇気づいてないから安心していいんじゃない」
北斗「……」
その言葉にも返せない。
前では、
〇〇と紫耀が普通に笑いながら話してる。
その距離感が自然すぎて、
北斗はまた静かに視線を逸らした。
ガラン♪
コンビニに入る。
慎太郎「うわテンション上がる」
ジェシー「買い放題!」
樹「子どもか」
高地「カゴいるよねこれ」
きょも「アイス先見てくる」
紫耀「溶けるだろ」
〇〇「確かに」
笑いながらカゴを取る。
慎太郎「酒酒〜」
ジェシー「お菓子も!」
樹「ちゃんと飯系も買えよ」
高地「紙皿とかいる?」
紫耀「家にあると思う」
〇〇「じゃ飲み物中心?」
きょも「アイス追加」
慎太郎「はやいって」
店内に広がっていく。
〇〇は飲み物コーナーへ。
その横に北斗。
〇〇「何飲む?」
北斗「なんでも」
〇〇「一番困るやつ」
北斗「……じゃコーヒー」
〇〇「夜なのに?」
北斗「飲みたい」
〇〇「寝れなくなるよ」
北斗「元々寝れない」
ぽつり。
〇〇「……?」
少しだけ見る。
でも北斗は缶を取るだけ。
〇〇「じゃ私も」
同じのを取る。
北斗「真似すんな」
〇〇「いいじゃん別に」
少し笑う。
その空気を遠くから見てた慎太郎。
慎太郎「うわ」
樹「なに」
慎太郎「なんか自然」
ジェシー「わかる」
高地「夫婦感ある」
きょも「言うと思った」
北斗「聞こえてる」
低い声。
〇〇「なにが?」
慎太郎「なんでもなーい!」
慌てる。
紫耀「?」
まだ気づいてない。
〇〇「変なの」
そのまま別の棚へ。
紫耀も隣に来る。
紫耀「酒どれ飲む?」
〇〇「甘いやつ」
紫耀「いつもそれだよな」
〇〇「苦いの無理」
紫耀「子ども舌」
〇〇「うるさい」
自然に笑い合う。
北斗「……」
また視線が止まる。
樹「お前ほんと分かりやすい」
北斗「黙れ」
ジェシー「顔出てるって」
高地「まぁでも今日は色々濃いしね」
きょも「情緒忙しそう」
北斗「……」
否定できない。
その間にも、
カゴの中はどんどん増えていっていた。
〇〇「ねぇ紫耀」
紫耀「んー?」
お菓子棚の前。
〇〇は紫耀の腕を軽く掴む。
〇〇「これ懐かしくない?」
ポテチを見せる。
紫耀「あーそれ」
紫耀「関ジュの時めっちゃ食ってた」
〇〇「レッスン終わりね」
自然に距離が近い。
〇〇はそのまま紫耀の腕に軽くくっつく。
慎太郎「……お」
ジェシー「近いねぇ」
樹「通常運転なんだろうけど」
高地「強い」
きょも「……」
北斗「……」
視線が止まる。
〇〇「これ買う?」
紫耀「買う」
〇〇「やった」
くっついたまま笑う。
紫耀も普通。
完全に慣れてる。
昔からの距離感。
北斗「……」
缶コーヒー持つ手に少し力が入る。
きょも「顔」
北斗「……見んな」
慎太郎「いや見るって」
ジェシー「分かりやすすぎるもん」
高地「大丈夫?」
北斗「大丈夫に見える?」
樹「見えない」
即答。
北斗は小さく息を吐く。
その間も、
〇〇は紫耀に普通に話しかけてる。
〇〇「アイス何食べる?」
紫耀「お前選んで」
〇〇「じゃこれ」
紫耀「却下」
〇〇「なんで!」
笑い声。
その空気が自然すぎて、
北斗は余計に苦しくなる。
きょも「……でもさ」
北斗「ん」
きょも「〇〇って昔からああいう距離感じゃん」
北斗「分かってる」
きょも「なら落ち着けば?」
北斗「……無理」
ぽつり。
慎太郎「重症だ」
ジェシー「恋してるねぇ」
北斗「うるさい」
樹「じゃんけんしよ」
慎太郎「負けたやつ支払い!」
ジェシー「いいね!」
高地「急に学生ノリ」
きょも「楽しそうだからいい」
紫耀「負けたくねぇ」
〇〇「絶対勝つ」
レジ前。
全員で円になる。
慎太郎「最初はグー!」
全員「じゃんけんぽん!」
数秒後——
〇〇「……え?」
樹「うわ負けた!」
ジェシー「〇〇じゃん!」
慎太郎「ごちそうさまでーす!」
高地「結構入ってるよ?」
きょも「どんまい」
〇〇「うそでしょ……」
紫耀「弱」
〇〇「紫耀うるさい」
笑いが起きる。
樹「じゃ俺ら外いるわ」
高地「邪魔なるしね」
慎太郎「寒っ」
ジェシー「先出る〜」
きょも「待ってるね」
北斗「……」
みんな先に外へ出る。
〇〇だけレジ前。
財布を出しながら、
〇〇「はぁ……」
店員「〇〇円です」
〇〇「はい」
スマホを出そうとした瞬間。
後ろから、
すっと手が伸びる。
ピッ。
決済音。
〇〇「……え?」
振り返る。
紫耀「おわり」
スマホを下げる。
〇〇「は!?」
紫耀「払っといた」
〇〇「なんで!?」
紫耀「いいじゃん別に」
自然に言う。
〇〇「いやよくない!」
紫耀「こんくらい払わせてよ」
〇〇「でもじゃん負け——」
紫耀「俺も食うし」
軽く笑う。
〇〇「……」
少し困る。
紫耀「ほら行こ」
袋を持つ。
〇〇「待ってあとで返す」
紫耀「いらない」
〇〇「いる!」
紫耀「いらないって」
そのまま歩き出す。
〇〇「ちょっと紫耀!」
慌てて追いかける。
自動ドアが開く。
外で待ってたSixTONES。
慎太郎「お、はや」
ジェシー「……え?」
樹「まさか」
高地「払った?」
紫耀「うん」
〇〇「勝手に!」
きょも「うわぁ」
北斗「……」
また静かに止まる。
紫耀「別にいいじゃん」
〇〇「よくないって!」
紫耀「じゃ次奢って」
〇〇「……それなら」
自然なやり取り。
距離感も、
空気感も、
昔から積み上げてきたものって感じがする。
北斗はそれを見ながら、
また静かに視線を落とした。
ーーーーーーーーー
北斗side
北斗「……」
自動ドアが開いた瞬間、
最初に見えたのは、
紫耀の後ろを追いかけてくる〇〇。
〇〇「だから払うって言ったじゃん!」
紫耀「いいって」
普通に笑ってる。
自然。
慣れてる。
北斗「……」
胸の奥がまたざわつく。
慎太郎「うわ彼氏じゃん」
ジェシー「それな!」
樹「スマートすぎ」
高地「少女漫画みたいだったよ今」
きょも「見えてた」
〇〇「違うから!」
すぐ否定。
でも紫耀は笑ったまま。
紫耀「まぁでも〇〇昔から払おうとするよな」
〇〇「当たり前でしょ」
紫耀「先輩気質」
〇〇「紫耀が後輩だったからね」
紫耀「はいはい」
肩を軽く押される。
その距離感。
そのテンポ。
北斗「……」
苦しい。
分かってる。
昔からの関係だって。
悪気なんてないって。
でも、
全部自然すぎる。
北斗の知らない時間が、
二人の間にずっとある感じ。
それが嫌だった。
慎太郎「北斗?」
北斗「……ん」
慎太郎「顔死んでる」
北斗「死んでねぇ」
樹「いや死んでる」
ジェシー「嫉妬マン」
高地「分かりやすいなぁ」
きょも「ほんとに」
北斗「……うるせぇ」
低い声。
でも否定できない。
〇〇「?」
〇〇は全然気づいてない。
普通に袋を持ちながら笑ってる。
その横に紫耀。
並んだ姿が妙にしっくりくる。
北斗「……」
自分の知らない〇〇を、
紫耀はたくさん知ってるんだろうなって思う。
昔の〇〇。
レッスン帰り。
関ジュ時代。
まだ今みたいに忙しくなる前。
北斗が知らない時間。
紫耀だけが知ってる〇〇。
その事実が、
妙に胸に刺さって離れなかった。
樹「タクシー呼ぶぞー」
慎太郎「はーい」
ジェシー「荷物多っ」
高地「結構買ったね」
きょも「アイス溶ける前に行きたい」
紫耀「じゃ分かれて乗る?」
樹「3・3・2くらい?」
慎太郎「それが楽そう」
ジェシー「誰どうするー?」
自然に集まり始める。
樹「俺、慎太郎、ジェシーでいい?」
慎太郎「賛成!」
ジェシー「うぇーい」
高地「じゃ俺ときょも?」
きょも「いいよ」
残りは——
〇〇、紫耀、北斗。
一瞬だけ空気が止まる。
慎太郎「……お」
樹「……」
ジェシー「……」
全員ちょっと反応する。
〇〇は普通。
〇〇「じゃそうしよっか」
紫耀「りょーかい」
北斗「……」
断れない。
慎太郎、小声。
慎太郎「頑張れ」
北斗「うるさい」
タクシーが順番に来る。
最初に3人。
樹「先行ってるわー」
ジェシー「酒冷やしといて!」
慎太郎「北斗生きろよー!」
北斗「黙れ」
バタン。
出発。
次に高地ときょも。
高地「じゃまた後で」
きょも「ほどほどにね」
北斗「……」
きょもは乗る直前、
ちらっと北斗を見る。
その視線が完全に“察してる”。
北斗「……行けよ」
きょも、少し笑う。
そのまま出発。
残ったのは三人。
〇〇「最後だ」
紫耀「VIP感ある」
〇〇「ない」
少し笑う。
タクシーが止まる。
ドアが開く。
紫耀「どーぞ」
〇〇「ありがと」
先に〇〇が乗る。
その隣に紫耀。
北斗は反対側。
結果、
向かい合うみたいな距離になる。
ドアが閉まる。
タクシーが動き出す。
〇〇と紫耀は普通に話し始める。
北斗だけ、
静かに窓の外を見ていた。
〇〇「そういえばさ」
紫耀「んー?」
〇〇「社長元気だった?」
紫耀「元気だったよ」
〇〇「なに話してたの」
紫耀「“また来い”って」
〇〇「あはは」
紫耀「あと〇〇働きすぎって言ってた」
〇〇「うわ絶対言うと思った」
自然に笑い合う。
北斗「……」
窓の外を見る。
でも会話は全部聞こえる。
紫耀「最近ほんと忙しいじゃん」
〇〇「まぁね」
紫耀「ちゃんと寝てんの?」
〇〇「寝てる」
紫耀「嘘」
〇〇「なんで!」
紫耀「顔」
〇〇「失礼」
肩を軽く叩く。
また近い。
北斗「……」
胸がざわつく。
紫耀「そういや昨日さ」
〇〇「ん?」
紫耀「結局答え聞けてない」
〇〇「……まだ言うの?」
紫耀「気になるもん」
〇〇「いないって」
紫耀「はい嘘」
即答。
〇〇「なんでそんな決めつけるの」
紫耀「長いから」
〇〇「なにが」
紫耀「付き合い」
〇〇「……」
少し黙る。
紫耀「分かるよ普通に」
〇〇「……」
北斗の指先が少し動く。
聞きたくないのに、
耳が勝手に反応する。
紫耀「まぁでも」
紫耀「言いたくないならいいけど」
〇〇「……」
〇〇は窓の外を見る。
少しだけ静かになる。
その空気の中、
北斗だけが落ち着かない。
紫耀は知ってる。
〇〇の変化にもすぐ気づく。
昔から近くにいた分、
多分自分よりずっと。
北斗「……」
小さく息を吐く。
その音に、
〇〇がちらっと見る。
〇〇「北斗静かすぎない?」
北斗「……別に」
〇〇「またそれ」
少し笑う。
紫耀「北斗今日ずっとこんなじゃない?」
〇〇「ね」
北斗「……普通だろ」
紫耀「いや絶対違う」
〇〇「疲れてる?」
北斗「別に疲れてねぇ」
〇〇「じゃ機嫌悪い?」
北斗「悪くない」
即答。
でも声は低い。
紫耀、少しだけ北斗を見る。
紫耀「……ふーん」
何か考えるみたいに。
北斗は視線を逸らしたまま、
静かに拳を握っていた。
タクシーがゆっくり止まる。
紫耀「着いた」
〇〇「ひろ……」
窓の外を見て小さく漏れる。
ラトゥール代官山
高級感あるエントランス。
警備もいて、
静かな空気。
慎太郎たちは先に着いてるらしく、
メッセージが入ってる。
『エレベーターやばい』
『景色えぐい』
『早く来い』
〇〇「うるさそう」
紫耀「もう騒いでる?」
北斗「絶対そう」
三人で降りる。
警備スタッフが軽く会釈。
〇〇も会釈を返す。
エントランスへ入る。
慎太郎「おっそ!」
ジェシー「待ってたー!」
樹「ここホテル?」
高地「ほんとすごい」
きょも「静かにね」
紫耀「お前らが一番うるさい」
笑いが起きる。
〇〇「景色すごかった?」
慎太郎「やばい!」
ジェシー「東京全部見える!」
樹「盛ったな」
高地「でもかなり綺麗」
紫耀「まだ家じゃないけどね」
〇〇「え、まだ?」
慎太郎「もう満足しかけた」
全員でエレベーターへ。
上がっていく間も、
ジェシー「何部屋あんの?」
紫耀「知らん」
樹「知らんは嘘」
高地「泊まれる?」
紫耀「余裕」
慎太郎「住みたい」
〇〇「前ほんと迷った」
北斗「……前?」
〇〇「紫耀ん家来た時」
自然に返す。
紫耀「お前方向音痴だもん」
〇〇「広すぎるの!」
笑い合う。
北斗「……」
また胸がざわつく。
チン。
エレベーターが開く。
玄関前。
紫耀「どーぞ」
ドアが開いた瞬間、
慎太郎「うわっっっ」
ジェシー「えぐ!!」
樹「広……」
高地「すご……」
きょも「おしゃれ」
〇〇「久々ー」
普通に入っていく。
北斗は最後に入る。
広いリビング。
大きな窓。
夜景。
全部すごいのに、
北斗の頭には、
“〇〇はここに何回も来てる”
その事実ばかり残っていた。
慎太郎「うわぁぁ!」
靴脱いだ瞬間、
リビングへ走っていく。
樹「お前テンションやば」
ジェシー「ホテルじゃんこれ!」
高地「景色すご……」
きょも「夜景綺麗」
大きな窓の向こう、
東京の灯りが広がってる。
〇〇「久々に来たけどやっぱすごい」
紫耀「慣れるよ」
慎太郎「慣れないって!」
ジェシー「天井高っ!」
樹「落ち着けお前ら」
でも樹も普通に見回してる。
高地「ソファ大きいね」
〇〇「これ好き」
自然に座る。
完全に慣れてる。
北斗「……」
また刺さる。
紫耀「適当に座っていいよ」
きょも「お邪魔します」
慎太郎「冷蔵庫見ていい!?」
紫耀「だめ」
ジェシー「絶対行く顔してる」
慎太郎、普通に向かう。
樹「聞く意味ない」
笑いが起きる。
〇〇はソファで少し伸びる。
〇〇「あー疲れた」
紫耀「今日長かった?」
〇〇「ずっと喋ってた」
高地「インタビュー?」
〇〇「うん」
ジェシー「CanCamのやつ?」
CanCam
〇〇「そう」
慎太郎「すご!」
樹「独占インタビューだっけ」
〇〇「なんか決まった」
紫耀「やば」
きょも「夢叶ってるじゃん」
〇〇「まだ実感ない」
少し笑う。
北斗は少し離れた位置に座る。
〇〇と紫耀はまた近い。
会話のテンポも自然。
昔からの空気。
慎太郎「酒持ってきたー!」
冷蔵庫から戻ってくる。
紫耀「勝手に開けんな」
ジェシー「乾杯する?」
高地「いいね」
樹「グラスどこ」
紫耀「あっち」
みんな動き始める。
その中で、
北斗だけ静か。
きょもが隣に座る。
きょも「また考えてる」
北斗「……別に」
きょも「今日その言葉何回目」
北斗「数えてねぇ」
きょも「〇〇楽しそうだね」
北斗「……」
その一言だけで、
また胸が苦しくなる。
でも、
〇〇が笑ってるのを見ると、
何も言えなかった。
ジェシー「グラスこれで足りる?」
紫耀「多分ある」
慎太郎「酒並べよ酒!」
樹「テンション大学生」
高地「楽しそうでなにより」
〇〇「なんか久々こういうの」
ソファから立ち上がる。
紫耀「〇〇そっち取って」
〇〇「はーい」
自然にキッチンへ入る。
迷いがない。
慎太郎「いや慣れすぎでは?」
ジェシー「住めるじゃんもう」
〇〇「前も手伝ったことあるし」
紫耀「普通に助かる」
並んで準備してる二人。
距離が近い。
空気も自然。
北斗「……」
また視線が止まる。
きょも「見すぎ」
北斗「見てねぇ」
きょも「見てる」
即答。
北斗は小さく息を吐く。
その時。
〇〇「あっ」
棚の奥のグラスを取ろうとして少し背伸びする。
紫耀「危な」
すぐ後ろから支える。
〇〇「届くって!」
紫耀「いや無理だろ」
慎太郎「近っ」
ジェシー「うわぁ」
樹「少女漫画多いな今日」
高地「天然なんだろうけど」
北斗「……」
無意識に視線を逸らす。
胸がざわついて落ち着かない。
〇〇「取れた!」
紫耀「はいはい」
〇〇は笑いながら戻ってくる。
北斗の前にグラスを置く。
〇〇「北斗なに飲む?」
北斗「……なんでも」
〇〇「またそれ」
少し笑う。
〇〇「じゃ甘くないやつね」
北斗「ん」
自然に選ばれていく。
その感じに、
北斗は少しだけ心臓がうるさくなる。
〇〇は気づかない。
普通に隣へ座る。
慎太郎「乾杯しよ!」
ジェシー「やっと!」
樹「騒ぐなよマジで」
高地「近所迷惑だけ気をつけて」
きょも「はいはい」
紫耀「じゃ」
全員グラスを持つ。
夜景の見える広い部屋。
久々に集まった空気。
その真ん中で、
北斗だけがまだ少し落ち着かなかった。
大きいL字ソファ。
ローテーブルを囲む形で自然に座っていく。
窓側の長いソファに、
紫耀、〇〇、北斗。
その向かい側に、
樹、慎太郎、ジェシー。
横の一人掛けに、
高地ときょも。
慎太郎「なんか席おもろ」
ジェシー「北斗真ん中挟まれてないじゃん」
樹「逆に向かい固定席みたいになってる」
北斗「……うるさい」
〇〇は紫耀の隣。
かなり自然に座った。
紫耀も何も気にしてない。
〇〇「ここ景色見やすい」
紫耀「そこ特等席」
〇〇「やった」
笑う。
その真正面。
北斗。
嫌でも視界に入る。
慎太郎「北斗ずっと見える位置じゃん」
北斗「……」
ジェシー「特等席じゃん」
高地「逃げ場ないね」
きょも「地味にきつそう」
北斗「黙れ」
低い声。
〇〇「?」
〇〇は意味分かってない。
普通に缶を開ける。
紫耀「こぼすなよ」
〇〇「こぼさない」
その瞬間、
プシュッ。
少し飛ぶ。
紫耀「ほら」
〇〇「あっ」
笑いが起きる。
ジェシー「フラグ回収!」
樹「早すぎ」
高地「平和だなぁ」
きょも「いつもの感じなんだろうね」
北斗「……」
その“いつもの”が、
北斗には少し苦しかった。
その時。
ブルブル。
〇〇「ん?」
テーブルに置いてたスマホが震える。
画面を見る。
〇〇「あ、恭平」
高橋恭平
慎太郎「恭平!?」
ジェシー「仲良いよね」
樹「出なよ」
〇〇「もしもしー?」
スピーカーではない。
でも静かな部屋だから少し聞こえる。
恭平『〇〇今どこ?』
〇〇「友達ん家」
恭平『飯行くんやけど来る?』
〇〇「え、今?」
恭平『うん』
後ろから別の声。
『誰ー?』
その声に、
SixTONES側が一瞬反応する。
北斗も顔を上げる。
〇〇「あれ、廉いる?」
空気が止まる。
慎太郎「……」
樹「……」
ジェシー「……」
高地「……」
きょも「……」
紫耀「……」
北斗「……」
恭平『おるよ』
〇〇「なんだ」
少し笑う。
恭平『二人で飯食おうとしててさ』
その瞬間、
空気がさらに気まずくなる。
誰も声を出さない。
〇〇だけ普通。
〇〇「えーどうしよ」
恭平『来ないん?』
〇〇「今ちょっとみんないる」
恭平『誰?』
〇〇「SixTONESと紫耀」
恭平『え!?』
遠くで、
廉『は!?』
聞こえる。
慎太郎、思わず顔を覆う。
ジェシー、肩震えてる。
樹「終わった……」
小声。
紫耀「……?」
まだ完全には繋がってない。
〇〇「今ホームパーティしてる」
恭平『おもろ!』
廉『え、紫耀おるん!?』
〇〇「いるよ」
紫耀「もしもーし」
急に声を入れる。
恭平『うわ紫耀くんや!』
廉『……まじか』
その“まじか”に、
北斗の胸がまたざわつく。
〇〇「来る?」
普通に聞く。
SixTONES全員。
「!?」
顔を上げる。
恭平『え、いいん?』
〇〇「全然」
紫耀「おいでよ」
自然に言う。
廉の声が少し遠くで聞こえる。
『いやでも……』
慎太郎「……やばい」
ジェシー「カオスになる」
樹「情報量多すぎ」
高地「どうなるのこれ」
きょも「……」
北斗だけ、
静かにグラスを握っていた。
〇〇「来てよー」
自然に笑いながら言う。
〇〇「久々じゃん」
恭平『えーどうする?』
後ろでガサガサ音。
廉『いや俺は……』
〇〇「え、なんで」
即返す。
〇〇「普通においでよ」
慎太郎「……」
樹「……」
ジェシー「……」
高地「……」
きょも「……」
北斗「……」
部屋の空気が妙に静か。
〇〇だけ何も気づいてない。
恭平『でも人数多いやん』
〇〇「楽しいよ今」
紫耀「酒もある」
恭平『行きたーい』
廉『お前軽いな』
〇〇「あはは」
笑う。
その笑い声に、
北斗の胸がまた少し苦しくなる。
〇〇「廉も来なよ」
直球。
ジェシー、吹きそうになる。
樹、下向く。
慎太郎、口押さえる。
高地「……」
きょも「……修羅場」
小声。
紫耀「?」
まだ普通。
廉『……いや』
少し困った声。
〇〇「なんで」
廉『いやなんか……』
〇〇「楽しいのに」
無邪気。
だから余計に強い。
紫耀「来ればいいじゃん」
さらっと言う。
空気。
「…………」
慎太郎「っ……」
笑い堪えてる。
樹「地獄だろこれ」
小声。
北斗は無言。
でも、
“廉も来なよ”
その一言だけで、
心臓が嫌なくらい反応していた。
〇〇「来てよ廉も」
声が少しだけ柔らかい。
〇〇「久々に会いたいし」
その一言。
北斗「……」
胸が重くなる。
電話の向こう、
少しだけ沈黙。
廉『……』
恭平『ほら、〇〇言ってるやん』
〇〇「ね?」
自然。
でもその“ね?”が、
特別に聞こえる。
樹「……」
慎太郎と目を合わせる。
ジェシーは静かになる。
高地も空気を察してる。
きょもだけがちらっと北斗を見る。
北斗は無表情。
でもグラスを持つ手に少し力が入ってる。
廉『……じゃあ少しだけ』
〇〇「やった」
嬉しそうに笑う。
その笑顔だけで、
もう答えみたいだった。
紫耀「決まりね」
〇〇「恭平もちゃんと来てね」
恭平『もちろん!』
廉『住所送って』
紫耀「俺送るわ」
電話が切れる。
部屋が静かになる。
〇〇「楽しみ」
ぽつり。
慎太郎「……増えるねぇ」
ジェシー「賑やか」
樹「すごいメンツ」
高地「ほんとにホームパーティ?」
きょも「豪華すぎ」
紫耀「カオスだな」
笑う。
でも北斗だけ笑えない。
〇〇が廉に向けた声。
“来てよ”
“会いたいし”
その全部が、
頭から離れなかった。
慎太郎「絶対うるさくなるなこれ」
ジェシー「もう同窓会じゃん」
樹「人数増えすぎ」
高地「酒足りる?」
きょも「多分足りない」
紫耀「最悪また頼めばいい」
〇〇「ピザとか頼みたい」
慎太郎「いいね!」
ジェシー「肉も!」
樹「お前ずっと食ってんな」
笑いながら雑談が続く。
少し空気も戻ってきた頃。
紫耀がふと〇〇を見る。
紫耀「……あ」
〇〇「ん?」
紫耀「もしかしてさ」
〇〇「?」
紫耀「廉?」
一瞬。
部屋の空気が止まる。
慎太郎「…………は?」
ジェシー「っぶ」
飲みかけ吹きそうになる。
樹「おいおいおい」
高地「紫耀!」
きょも「……」
北斗「……」
完全に凍る。
〇〇「え!?」
〇〇本人も固まる。
紫耀「え、違う?」
天然。
悪気ゼロ。
〇〇「ち、違う!!」
即否定。
でも声裏返る。
慎太郎「ははっ……!」
笑うしかない。
ジェシー「急すぎるって!」
樹「心臓止まる!」
高地「びっくりした……」
きょも、静かに目閉じる。
“終わった”みたいな顔。
〇〇「なんでそうなるの!?」
紫耀「え、だってさっきの電話」
〇〇「違うって!」
紫耀「でも会いたそうだった」
〇〇「普通に友達!」
焦って早口。
紫耀「ふーん」
でも納得してない。
慎太郎「紫耀勘鋭すぎる!」
ジェシー「やばいやばい!」
樹「直球すぎるんだよ!」
高地「天然怖い……」
〇〇「ほんと違うから!」
顔真っ赤。
北斗「……」
黙ったまま。
でも、
〇〇の反応だけで全部分かってしまう。
紫耀「え、でも違うならそんな焦る?」
〇〇「焦ってない!」
紫耀「焦ってる」
〇〇「焦ってないって!」
慎太郎「どっちだよ!」
笑いが起きる。
でも北斗だけは笑えない。
紫耀が当てた瞬間の〇〇の顔。
あれが、
何より答えだった。
慎太郎「いやほんとびびった!」
ジェシー「急に核心いくんだもん!」
樹「紫耀怖ぇって」
高地「天然で刺してくるタイプ」
紫耀「え、そんなやばかった?」
〇〇「やばかったよ!!」
顔赤いまま。
きょも「〇〇分かりやすすぎるんだよ」
少し楽しそうに笑う。
〇〇「きょもまで言う!?」
きょも「だってほんとだもん」
慎太郎「昨日からずっとだよな」
ジェシー「リアクション全部出る!」
樹「隠せてない」
高地「素直なんだろうね」
〇〇「最悪……」
ソファに沈む。
紫耀「でも違うんでしょ?」
〇〇「違う!」
即答。
でも一拍遅い。
慎太郎「その間!」
ジェシー「出た!」
樹「もう答えじゃん」
〇〇「違うってば!」
笑いが広がる。
北斗は静かにグラスを置く。
きょもがちらっと見る。
きょも「北斗今日耐久戦だね」
北斗「……うるせぇ」
きょも「顔ずっと死んでる」
北斗「死んでねぇ」
慎太郎「いや死んでる」
ジェシー「わかりやすいよ?」
高地「珍しいくらい」
樹「感情全部顔出てる」
北斗「……」
否定できない。
〇〇「北斗?」
北斗「ん」
〇〇「大丈夫?」
北斗「……普通」
きょも「また“普通”」
慎太郎「便利ワード」
ジェシー「今日の北斗それしか言ってない」
少し笑いが起きる。
その時。
ピンポーン。
全員「……」
一瞬で静かになる。
紫耀「来たか」
慎太郎「タイミングやば」
ジェシー「ついに!」
高地「早かったね」
樹「空気どうなるんだろ」
きょも「カオス確定」
〇〇「迎え行こ」
立ち上がる。
北斗「……」
胸がまたざわつく。
オートロックのモニター。
映ってるのは——
恭平と廉。
〇〇「ほんとに来た」
少し嬉しそうに笑う。
紫耀「入れていい?」
〇〇「うん」
ピッ。
オートロックを解除する。
慎太郎「うわ緊張する」
ジェシー「なんで俺らが」
樹「変な空気になるなよ〜」
高地「無理そう」
きょも「楽しみではある」
北斗「……」
静か。
でも視線はモニターに向いたまま。
エレベーターが上がってくる。
数十秒。
妙に長く感じる。
チン。
玄関の向こうで音。
〇〇「はーい」
ドアへ向かう。
ガチャ。
慎太郎「うわほんと来た!」
ジェシー「久しぶりじゃん!」
樹「なんかメンツすご」
高地「豪華すぎる」
きょも「座りなよ」
恭平「お邪魔します!」
廉「お邪魔しまーす」
紫耀「適当に座っていいよ」
〇〇「こっちこっち」
廉の腕を軽く引く。
廉「ありがと」
〇〇の隣に座る。
その向かい。
北斗。
慎太郎「……うわ」
ジェシー「席つよ」
樹「カオスだな」
高地「北斗大丈夫?」
北斗「なにが」
普通に返す。
きょも「顔」
北斗「普通だろ」
慎太郎「今日そのワード多すぎ」
ジェシー「便利だねぇ」
北斗「うるせぇよ」
少し笑う。
廉「北斗久しぶりじゃね?」
北斗「まぁな」
廉「元気してた?」
北斗「それなりに」
廉「淡白だなぁ」
〇〇「あはは」
笑う。
北斗も少し口元緩める。
紫耀「廉も忙しそうじゃん」
廉「最近やばい」
恭平「ずっと働いてる」
樹「みんな同じだろ」
高地「ほんとに」
ジェシー「でもこうやって集まれるの嬉しい!」
慎太郎「わかる!」
きょも「久々感あるよね」
〇〇「なんか安心する」
廉「それは分かる」
自然に会話が回っていく。
でも、
北斗の視線は何回も〇〇に向く。
〇〇は廉と普通に話してる。
距離も近い。
楽しそう。
北斗「……」
廉「ん?どうした」
北斗「いや別に」
廉「またそれ?」
〇〇「今日ずっとそれ言ってる」
笑う。
北斗「お前らうるさいな」
慎太郎「絶対なんかあるって」
ジェシー「顔出るタイプだよね」
樹「珍しい」
高地「わかりやすいよ」
きょも「感情隠せてない」
北斗「……そんな?」
〇〇「ちょっとだけ?」
少し首傾げる。
北斗はその顔見て、
小さく息を吐く。
北斗「……疲れてるだけ」
廉「ちゃんと寝ろよ?」
〇〇「ほんとそれ」
自然に同じタイミングで言う二人。
北斗「……」
また胸がざわつく。
でも今度は、
少しだけ笑って返した。
北斗「親みたいに言うなよ」
〇〇「……あ」
ふと止まる。
廉「ん?」
〇〇の視線。
廉が羽織ってる、
白黒のチェックのシャツ。
〇〇「……それ」
廉「これ?」
袖を少し見る。
〇〇「まだ持ってたんだ」
ぽつり。
廉「あー」
少し笑う。
廉「これ着やすいし」
〇〇「……」
胸が少しざわつく。
それ、
昔付き合ってた時に、
〇〇があげたやつ。
何気なく選んで、
“廉こういうの似合いそう”って渡した服。
廉、結構気に入ってた。
でも別れてからは見てなかった。
まさか今も着てると思わなくて、
〇〇は少しだけ固まる。
慎太郎「ん?」
ジェシー「どうした?」
樹「服?」
高地「なんかあった?」
〇〇「いや……」
誤魔化そうとする。
でも。
廉「これ〇〇にもらったやつ」
さらっと言う。
「…………」
空気。
止まる。
紫耀「え?」
きょも「……」
慎太郎、目見開く。
ジェシー「おぉ……」
樹「まじか」
高地「そうなんだ」
北斗「……」
心臓が嫌な音を立てる。
〇〇「ちょ、言わなくていいじゃん!」
焦る。
廉「なんで」
普通。
悪気ゼロ。
〇〇「いやなんか……!」
廉「普通に気に入ってるし」
笑う。
廉「今でも結構着てる」
〇〇「……」
さらに気まずい。
紫耀「へぇー」
ゆっくり見る。
紫耀「〇〇服あげるタイプなんだ」
〇〇「いや昔の話!」
慎太郎「え、でもすごくない?」
ジェシー「まだ着てるの」
樹「物持ちいいな廉」
高地「大事にしてるんだね」
きょもは静かに北斗を見る。
北斗は笑ってる。
でも目が全然笑ってない。
廉「シンプルに好きなんよこれ」
〇〇「……」
少しだけ廉を見る。
その瞬間、
北斗は視線を逸らした。
聞きたくない。
でも、
頭から離れない。
“今でも結構着てる”
その言葉がずっと残っていた。
紫耀「てかさ」
ふと〇〇と廉を見る。
紫耀「お前らめちゃ仲良くない?」
〇〇「え?」
廉「今さら?」
少し笑う。
恭平「いやでも分かるわ」
恭平「空気感なんか自然やもん」
慎太郎「……おぉ」
ジェシー「始まった」
樹「紫耀今日鋭いな」
高地「ほんとに」
きょも「だいぶ見抜いてる」
北斗「……」
静かにグラスを持つ。
紫耀「やっぱあれ?」
紫耀「恋愛映画の共演からさらに仲良くなった?」
消えゆく君のために、僕は笑っていよう
〇〇「……!」
一瞬止まる。
廉も少しだけ視線を逸らす。
慎太郎「うわー」
ジェシー「直球だねぇ」
樹「攻めるなぁ」
高地「空気空気」
きょも「でも気になるのは分かる」
恭平「俺も気になってた」
〇〇「なんで!?」
恭平「映画入ってからさらに仲良なったやん」
廉「まぁ長かったしな撮影」
〇〇「……うん」
廉「ずっと一緒おったし」
紫耀「だよね」
紫耀「なんか距離近いもん」
〇〇「昔から仲良いだけ!」
焦って否定する。
恭平「その否定の仕方怪しいねんて」
慎太郎「それ!」
ジェシー「ほんと分かりやすい」
樹「全部顔出る」
高地「隠せてないんだよね」
きょも「素直すぎる」
北斗「……」
何も言わない。
でも表情は少し硬い。
紫耀「恋愛映画ってやっぱ特別じゃない?」
廉「まぁ普通の作品とは違うかもな」
恭平「感情入るやろうしなぁ」
〇〇「……」
紫耀「キスシーンとか緊張した?」
〇〇「紫耀!!」
即止める。
恭平「うわ聞いた」
ジェシー「自由すぎ!」
慎太郎「やばいって!」
樹「その質問強すぎる」
高地「〇〇真っ赤じゃん」
きょも「かわいそうになってきた」
廉は笑いながら缶を持つ。
廉「まぁでも〇〇ずっと緊張してたよな」
〇〇「言わないで!」
恭平「へぇ〜」
ニヤニヤする。
北斗「……」
胸の奥が重い。
映画の中の二人。
長い撮影期間。
自分の知らない時間。
廉だけが知ってる〇〇。
それを考えるだけで、
また静かに心がざわついた。
〇〇「ていうかさ!」
少し大きめの声。
無理やり流れを変える。
慎太郎「おっ」
ジェシー「切り替え入った」
樹「逃げたな」
高地「分かりやすい」
きょも「露骨」
〇〇「うるさい!」
廉、笑ってる。
恭平「顔赤いで?」
〇〇「赤くない!」
紫耀「赤い」
〇〇「もうやだこの空間!」
慎太郎「おもろすぎる」
ジェシー「最高」
北斗も小さく笑う。
〇〇「……で!」
話を戻そうとする。
〇〇「恭平最近どうなの!」
恭平「雑!」
樹「話変えるの下手か」
ジェシー「急ハンドル」
高地「でも聞きたい」
きょも「確かに」
恭平「最近は普通に忙しいで」
慎太郎「ドラマ?」
恭平「それもあるし、ライブ関係も」
廉「こいつ最近ずっと眠そうやもん」
恭平「廉もやろ」
〇〇「ちゃんと寝てる?」
恭平「まぁまぁ」
紫耀「絶対寝てない顔」
恭平「人のこと言えんやろ」
笑いが戻る。
〇〇は少し安心した顔。
でも。
北斗「……」
まだ頭から離れない。
“ずっと一緒おったし”
“緊張してたよな”
廉のその言葉。
知らない〇〇を知ってる感じが、
胸の奥にずっと残っていた。
慎太郎「北斗飲んでる?」
北斗「飲んでる」
ジェシー「今日静かじゃない?」
北斗「お前らがうるさいだけ」
樹「通常の北斗出てきた」
高地「ちょっと安心」
きょも「でもまだ顔固い」
北斗「観察すんな」
〇〇「ほんと大丈夫?」
北斗「……大丈夫」
〇〇「ならいいけど」
その優しい声に、
また少しだけ苦しくなる。
慎太郎「なんかゲームしようぜ!」
ジェシー「いいね!」
樹「急だな」
高地「でも盛り上がりそう」
きょも「何する?」
紫耀「トランプあるよ」
〇〇「やった!」
恭平「王様ゲーム?」
ジェシー「うわ学生!」
廉「絶対カオスなるやつやん」
慎太郎「やろやろ!」
紫耀が棚からトランプを持ってくる。
ローテーブルに広げる。
〇〇「久々かも」
高地「飲みながらだと楽しいよね」
樹「ルールゆるめでいく?」
きょも「平和にね」
慎太郎「えー」
ジェシー「平和じゃつまんない!」
北斗「お前ら絶対暴走する」
廉「もうしてるやろ」
笑いが起きる。
円になるように座り直す。
〇〇の右が廉。
左が紫耀。
向かいに北斗。
慎太郎「よーし!」
ジェシー「シャッフルお願いしまーす!」
紫耀「はいよ」
カードを配る。
恭平「なんか修学旅行みたいやな」
〇〇「分かる」
高地「この人数感ね」
樹「誰が一番危険かな」
きょも「慎太郎」
慎太郎「なんで!?」
ジェシー「納得だけど」
北斗も少し笑う。
〇〇「あ、北斗笑った」
北斗「悪い?」
〇〇「いや珍しい」
北斗「失礼だな」
廉「今日はほんま静かやもんな」
北斗「お前らが元気すぎんだよ」
慎太郎「もっと騒ご!」
ジェシー「乾杯し直す!?」
高地「飲みすぎ注意」
紫耀「じゃ最初いく?」
全員カードを引く。
空気がまた少し明るくなる。
でも北斗だけは、
〇〇の隣にいる廉がどうしても視界に入ってしまっていた。
紫耀「じゃあ最初の王様だれー?」
全員カードを開く。
慎太郎「俺ちがう!」
ジェシー「俺も〜」
樹「はい一般市民」
高地「俺も」
きょも「違うね」
廉「俺もちゃう」
〇〇「え、じゃ誰」
北斗「……俺」
カードを見せる。
王様。
慎太郎「おぉー!」
ジェシー「北斗だ!」
樹「珍しい」
高地「何言うかな」
きょも「優しめでお願いします」
北斗「……」
少し考える。
視線がふと〇〇と廉に向く。
でもすぐ逸らす。
北斗「……3番と7番、一緒に写真」
慎太郎「平和!」
ジェシー「北斗らしい!」
番号を確認する。
高地「3番」
廉「7やわ」
慎太郎「うわ!」
ジェシー「持ってる〜!」
〇〇「えぇ!」
樹「すご」
きょも「面白い」
廉「はいはい」
高地と廉が並ぶ。
高地「なんで俺ちょっと緊張してるの」
廉「知らんて」
慎太郎がスマホを構える。
慎太郎「はいチーズ!」
パシャ。
ジェシー「いい写真!」
樹「普通に平和」
〇〇「高地かわいい」
高地「なんで!?」
笑いが起きる。
北斗も少し口元が緩む。
きょも「北斗優しかったね」
北斗「普通だろ」
ジェシー「また出た」
慎太郎「普通マン」
〇〇「あはは」
笑う。
その笑顔見て、
北斗は少しだけ安心する。
紫耀「次俺やる」
カードを配り直す。
全員引く。
紫耀「……王様」
慎太郎「きた!」
ジェシー「絶対やばい!」
樹「怖い怖い」
高地「ほどほどにね?」
紫耀「じゃあ……」
ニヤッと笑う。
〇〇「やな予感」
紫耀「2番と5番」
全員カードを見る。
恭平「俺2番」
〇〇「……5番」
慎太郎「おぉ!」
ジェシー「きた!」
樹「何する?」
紫耀「お互いの第一印象言って」
〇〇「えー!?」
恭平「平和やん」
高地「たしかに」
きょも「でも気になる」
北斗も静かに見る。
〇〇「……最初?」
恭平「うん」
〇〇「チャラそう」
全員爆笑。
恭平「ひどない!?」
ジェシー「わかる!」
慎太郎「第一印象あるある!」
樹「今は?」
〇〇「かわいい後輩」
恭平「よかったー」
笑う。
恭平「俺は……」
〇〇を見る。
恭平「めっちゃ綺麗な人おるって思った」
一瞬。
「おぉ〜!」
空気が沸く。
〇〇「やめて!」
恥ずかそう。
廉「それはまぁ分かる」
さらっと言う。
北斗「……」
また胸がざわつく。
でも、
ゲームの空気はまだ明るかった。
慎太郎「次!次!」
ジェシー「盛り上がってきたー!」
樹「酒回ってきたな」
高地「テンション高いね」
きょも「楽しくなってきた」
カードを配り直す。
全員一斉に開く。
慎太郎「俺だぁ!!」
ジェシー「うわ絶対やばい!」
樹「嫌な予感」
高地「平和でお願いします」
慎太郎「じゃあ!」
ニヤニヤしながら見る。
慎太郎「4番と8番!」
全員カード確認。
ジェシー「俺4!」
廉「俺8や」
慎太郎「きたー!」
ジェシー「何する!?」
慎太郎「お互い秘密暴露!」
樹「急に攻める」
高地「面白そう」
きょも「聞きたい」
〇〇「たしかに気になる」
北斗も少し前を見る。
ジェシー「廉の秘密かぁ〜」
廉「ないで?」
樹「嘘つけ」
恭平「絶対あるやろ」
廉「じゃジェシーから」
ジェシー「えぇ!」
慎太郎「はやく!」
ジェシー「実はジェシー、寂しがり屋です!」
高地「かわいい」
きょも「知ってた」
樹「秘密でもない」
笑いが起きる。
廉「全然普通やん」
ジェシー「じゃ廉!」
廉「……俺は」
少し笑う。
廉「酔うと甘える」
「おぉ〜!」
慎太郎「意外!」
高地「想像できない」
きょも「ギャップある」
〇〇「え、そうなの?」
廉「……まぁたまに」
恭平「ほんまやで」
樹「見てみたいわ」
笑いが広がる。
北斗「……」
〇〇が楽しそうに廉見てる。
それだけで、
胸の奥がまた重くなる。
紫耀「次いこ!」
カードを配る。
全員引く。
〇〇「……私だ」
慎太郎「きた!」
ジェシー「〇〇どうする!?」
樹「ちょっと考えてる」
高地「優しそう」
きょも「どうだろうね」
〇〇「じゃあ……」
少し笑う。
〇〇「1番と6番で、お互い褒め合う」
慎太郎「かわいい!」
ジェシー「平和だ!」
番号確認。
北斗「……1」
紫耀「俺6」
樹「おぉ」
高地「珍しい組み合わせ」
きょも「見たいかも」
北斗「なんでこれ……」
紫耀「いいじゃん」
笑う。
北斗「……紫耀は」
少し考える。
北斗「気遣いできる」
紫耀「おぉ」
ジェシー「真面目!」
北斗「あと意外に空気読む」
樹「それは分かる」
高地「周り見てるよね」
紫耀「嬉しいじゃん」
今度は紫耀。
紫耀「北斗は……」
少し北斗を見る。
紫耀「優しい」
北斗「……」
紫耀「あと〇〇のことめっちゃ見てる」
「…………」
空気止まる。
慎太郎「うわっ」
ジェシー「出たー!」
樹「おいおい!」
高地「紫耀!」
きょも「核心ついた」
〇〇「え!?」
北斗「……は?」
固まる。
廉も静かに北斗を見る。
紫耀だけ、
本気で不思議そうな顔していた。
紫耀「え、違うの?」
本気で不思議そう。
慎太郎「いやいやいや!」
ジェシー「それ言っちゃう!?」
樹「直球すぎるって!」
高地「紫耀今日すごいな」
きょも「天然で刺してる」
〇〇「え、北斗見てた?」
きょとん。
北斗を見る。
北斗「……見てねぇ」
即答。
でも少し声低い。
慎太郎「いや見てる!」
ジェシー「めっちゃ見てる!」
樹「今日ずっと」
高地「視線多いよ?」
きょも「かなり分かりやすい」
北斗「お前らうるさい」
少し笑う。
耳だけ赤い。
〇〇「えー?」
まだ分かってない顔。
〇〇「なんで私?」
慎太郎「いや逆になんで分かんないの!」
ジェシー「天然すぎる!」
樹「〇〇マジで気づいてない」
高地「すごいよね逆に」
きょも「才能ある」
〇〇「?」
本当に意味分かってない。
北斗「……」
逆に言葉失う。
廉は缶持ちながら静かに笑う。
恭平「〇〇ってほんま鈍感やな」
〇〇「え、なんで!?」
紫耀「だって北斗ずっと〇〇見てるじゃん」
〇〇「え、そう?」
北斗「……」
また空気止まる。
慎太郎「北斗がんばれ!」
ジェシー「応援したくなってきた!」
樹「保護者目線」
高地「なんかかわいそうになってきた」
きょも「北斗今日大変だね」
北斗「ほんとお前ら黙れ」
笑いながら言う。
でも顔は少し赤い。
〇〇だけ、
まだ「?」のまま。
〇〇「北斗今日変だよね」
北斗「……お前のせいだよ」
小さく漏れる。
でも、
騒いでる声に紛れて、
〇〇には聞こえてなかった。
紫耀「てかさ」
ふと缶を置く。
紫耀「そろそろ教えてよ」
〇〇「なにを?」
紫耀「〇〇の好きな人」
「…………」
空気止まる。
慎太郎「また!?」
ジェシー「紫耀その話好きだねぇ」
樹「ずっと気になってんじゃん」
高地「でも確かに気になる」
きょも「今日ずっとだもんね」
〇〇「いないって!」
少し早口。
紫耀「いや絶対いる」
〇〇「いない!」
恭平「いやおるやろ」
笑いながら言う。
廉は静か。
でも口元だけ少し笑ってる。
〇〇も廉を見れない。
その時点で、
もう分かる。
慎太郎「……分かりやす」
小さく呟く。
ジェシー「ね」
樹「隠す気ある?」
高地「ほぼ答え出てるよね」
きょも「うん」
紫耀だけがまだ分かってない。
紫耀「え、そんな分かる?」
慎太郎「分かる分かる」
ジェシー「めちゃくちゃ」
樹「見れば分かる」
高地「空気がね」
きょも「特に今日」
〇〇「なにその空気!」
焦る。
廉、下向いて笑う。
恭平「いやもう俺でも分かるで」
〇〇「え!?」
恭平「さすがに」
その瞬間。
〇〇と廉、
同じタイミングで黙る。
「…………」
慎太郎、天井見る。
ジェシー、笑い堪える。
樹「はい答え」
高地「分かりやすすぎる」
きょも「ここまでくるとすごい」
紫耀「え!?なに!?」
まだ追いついてない。
北斗「……」
何も言わない。
でも全部分かってる。
ずっと前から。
〇〇が廉を好きなこと。
廉も〇〇を特別に見てること。
お互い分かってるのに、
まだ言葉にしてないこと。
全部。
紫耀「え、ちょっと待って」
慎太郎「紫耀だけまだなんだよ」
ジェシー「もう答え見えてるって」
樹「これ以上言うな」
高地「事故る事故る」
きょも「もう十分面白い」
〇〇「もうほんとやめて!!」
顔真っ赤。
廉も珍しく少し照れた顔で笑ってる。
その空気だけで、
“両想い”
それが確実に伝わっていた。
紫耀「え、待ってほんとに?」
慎太郎「もう気づけって!」
ジェシー「ここまできたら逆にすごい!」
樹「紫耀だけ一周遅れてる」
高地「でも天然だからなぁ」
きょも「純粋なんだよね」
〇〇「もうこの話終わり!」
クッション抱えて顔隠す。
廉も下向いて笑ってる。
恭平「いやでもめっちゃ分かりやすいで」
〇〇「やめてって!」
廉「恭平お前黙っとけ」
恭平「えぇ〜」
笑う。
でも廉の声も少し照れてる。
紫耀「……え?」
そこでやっと、
ゆっくり二人を見る。
〇〇は廉見れない。
廉も〇〇見ると少し笑う。
空気が完全に違う。
紫耀「……あ」
慎太郎「遅い!」
ジェシー「やっと!」
樹「気づいたか」
高地「よかった」
きょも「長かったね」
紫耀「え、うそ」
本気で驚いてる。
紫耀「そういうこと!?」
〇〇「違う!!」
即否定。
でも声裏返る。
廉、吹き出す。
慎太郎「その否定もう意味ない!」
ジェシー「むしろ肯定!」
樹「分かりやすすぎる」
高地「かわいいなぁ」
きょも「青春だね」
北斗「……」
静か。
笑ってはいる。
でも胸の奥は痛い。
紫耀「えぇ〜……」
まだ信じられない顔。
紫耀「でもお前らそんな感じだった?」
恭平「前からやん」
廉「お前だけや気づいてへんの」
紫耀「まじで!?」
〇〇「だから違うってば!」
廉「もう無理あるやろ」
ぽつり。
一瞬。
また空気止まる。
慎太郎「うわ」
ジェシー「廉いった!」
樹「それはもう」
高地「認めてるようなもん」
きょも「終わったね」
〇〇「……っ」
何も言えなくなる。
紫耀だけ、
まだ知らない。
この二人が、
“元々付き合ってた”ことを。
だから今見えてる空気を、
“最近いい感じになった二人”だと思ってる。
でも、
他のみんなは違う。
視線の癖。
距離感。
沈黙。
全部が、
“一回恋人だった人たち”の空気だって分かってる。
北斗は静かに缶を握る。
その事実を知ってるからこそ、
余計に苦しかった。
紫耀「え、じゃあさ」
ケラケラ笑いながら言う。
紫耀「もう付き合っちゃえばいいじゃん」
「………………」
空気が止まる。
慎太郎「っ……うわ」
ジェシー「やば」
樹「おいおい」
高地「紫耀……!」
きょも、静かに顔覆う。
恭平「うわぁ……」
廉「……」
〇〇「……」
二人とも固まる。
北斗も動き止まる。
紫耀だけ、
まだ何が起きたか分かってない。
紫耀「え?なに?」
慎太郎「いやその……」
ジェシー「タイミングがね……」
樹「ちょっと最悪」
高地「紫耀落ち着こう?」
きょも「一回飲もっか」
紫耀「え、なんで!?」
本気で分かってない。
恭平が耐えきれず頭抱える。
恭平「いやもう無理やって……」
紫耀「え?」
恭平「お前知らんかったん?」
紫耀「なにを?」
また沈黙。
長い。
誰も言わない。
でも、
その空気だけで十分だった。
紫耀の顔がゆっくり変わる。
紫耀「……え?」
廉、静かに息吐く。
〇〇は視線落としたまま。
そして。
樹「……元々」
ぽつり。
樹「付き合ってたんだよ」
「…………」
紫耀、固まる。
紫耀「……は?」
慎太郎「だからみんな止めてたの!」
ジェシー「地雷踏み抜いてた!」
高地「知らなかったんだね……」
きょも「そりゃ驚くよ」
紫耀「え、待って」
混乱したまま二人を見る。
紫耀「元カレ元カノ!?」
恭平「そうやで……」
紫耀「うそでしょ!?」
〇〇「……」
廉も苦笑い。
北斗、静かに缶を置く。
北斗「そりゃ空気変わるだろ」
慎太郎「だよな!」
ジェシー「納得しかない!」
樹「全部繋がった」
高地「距離感とかね」
きょも「ずっと独特だったもん」
紫耀「えぇぇ……」
まだ衝撃受けてる。
紫耀「じゃあ俺さっきから」
慎太郎「全部やばい」
ジェシー「フルコンボ」
樹「逆に才能」
高地「天然怖い」
きょも「ここまでくるとすごい」
紫耀「ごめん!!」
勢いよく頭下げる。
〇〇「いやほんと大丈夫だから!」
慌てて言う。
廉「紫耀知らんかったしな」
少し笑う。
でも気まずい。
かなり。
〇〇「……はい!この話終わり!!」
勢いよく立ち上がる。
〇〇「もう禁止!恋愛話禁止!」
慎太郎「逃げた!」
ジェシー「かわい〜」
樹「まぁこれは逃げる」
高地「気まずいもんね」
きょも「過去最大だった」
北斗「空気死んでたしな」
恭平「俺途中息止まったわ」
廉「俺もや」
やっと少し笑い戻る。
でも北斗だけは、
胸の奥が全然笑えてなかった。
別れてる。
でも今も両想い。
その事実が、
ずっと頭から離れなかった。
〇〇「はい!もうこの話終わり!」
パンッと手叩く。
〇〇「次違うゲーム!」
慎太郎「切り替え早っ!」
ジェシー「でも助かる〜!」
樹「この空気しんどかった」
高地「ちょっと緊張したね」
きょも「過去一だったかも」
恭平「俺ほんま焦った」
廉「紫耀爆弾すぎるやろ」
紫耀「いや知らんかったって!」
頭抱えてる。
ジェシー「今日のMVP」
慎太郎「全部持ってった」
樹「天然でここまで壊せる?」
高地「才能だね」
きょも「逆にすごい」
北斗も小さく笑う。
北斗「お前ほんと怖いな」
紫耀「もうやだ俺!」
笑いが戻る。
〇〇もやっと息吐く。
廉がその横で小さく笑った。
その自然さが、
また周りを静かにさせる。
慎太郎「……いやでもさ」
ジェシー「お?」
慎太郎「なんか納得した」
樹「まぁな」
高地「全部繋がった感じ」
きょも「距離感とかね」
恭平「空気が元カップルやもん」
〇〇「恭平!!」
廉、吹き出す。
北斗は缶を口に運ぶ。
でも視線だけ、
無意識に〇〇へ向く。
〇〇は廉に「笑わないで!」って肩ぶつけてる。
廉も自然に笑ってる。
その距離感。
その空気。
まだ好きなんだって、
見てれば分かる。
北斗「……」
胸が重い。
紫耀「え、でもさ」
また口開く。
全員「紫耀黙って」
即。
紫耀「なんで!?」
大爆笑。
慎太郎「もう危険人物!」
ジェシー「発言禁止!」
樹「一回静かにして」
高地「ほんとお願い」
きょも「これ以上は事故る」
廉「俺もちょっと怖い」
〇〇「ほんとに!」
紫耀「ひどくない!?」
騒がしく笑いが広がる。
でも。
北斗だけ、
笑いながらも、
ずっと苦しかった。
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コメント
3件
展開が良すぎるのよ…、 あと、安定に紫耀くん天然すぎ笑
いやもう、朝のベッドシーンから最後までずっと心臓が痛かったです……。紫耀がどんどん核心に迫っていく展開、SixTONESのみんなが空気を読んで必死に名前を出さないようにする感じ、そして廉のあのシャツ。まだお互い好きなんだなって空気がひしひし伝わってきました。北斗の視点で読んでると無理もないですね……静かに耐える姿が切なすぎます。