コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
も通りの日々が消えてしまうのは、一瞬だい。救えない。その事実に、今まで、ずっと、打ちのめされてきた。でも、今は、救いたい気持ちが、大きい。だから…きっと…いつか…救ってみせる。彼女を。俺は、絶対に。
そして、壊してしまうのは、自分かもしれない。
俺は、無力だ…。目の前にいる人を、助けられない…
「影斗。」
「何?」
「今日も…」
「分かった。」
「ありがと。」
いつも通りの日々。毎日のように、一緒なのに、彼女のことを、知らない。沙恵は、何を考えているのか、わかりにくい。
それから、1週間たった。
「帰るぞ。沙恵。」
「ん。」
いつも通り…だと思っていた…。
「…ごめん…影斗。今日は、親の機嫌が悪くなるから…早く帰るね…。」
「そうか…。大丈夫か?」
「大丈夫。」
「また…明日。」
「また…明日。」
…大丈夫なわけ…ない…やっぱり…救いたい…沙恵…
次の日、また…また…早く帰るって…
「大丈夫…?」
「大丈夫。」
「ごめん…大丈夫って…自分は大丈夫だって、言い聞かせているように感じるんだよね」
「………そっか。」
「また明日。」
「また明日。」
…そして…その次のも、また次の日も、沙恵は、早く帰ると言った。帰りたくない。そう言いながら、彼女は、帰っていく。
最近は特に、彼女の感情が読み取れなくなってきた。やっぱり…変だと感じた。いつもと違う。いつも通りが、あの日から、崩れて来ていた。
彼女の第一印象は、明るい人だった。よく笑う人だった。でも、俺は、気付いてしまった。目が、笑っていないことに。気づかなければ、きっと、今のような関係にはなっていなかったはずだ。その時は、確定ではなかった。しかし、あの言葉…トラウマがあるという言葉で、確信してしまった。猫を、かぶっていると。自分を、偽っていると。そして、話してしまった。好奇心で。この選択は、間違っていないと、今は思う。そして、現在に至る。
彼女に、流されているように、思う人も、いたかもしれない。毎日、誘ってくるのは沙恵で、俺はついて行くだけ。でも、それは、全て、自分で選んだ道だ。この先の出来事で、正解か、不正解か、分かる。そう。自分の行動で、決まるのだ。
正解に、近づく為に、俺は、この言葉を口にした。
「沙恵…最近、変だよ。」