いきなり始まります、あらすじ必読
私達が付き合う前の話。
「ねぇ、マリンって彼氏いるの?」
「え!?急にどうしたんだよるしあw」
ちょっと日が暮れてきた帰り道、君がそう尋ねた。
「で、いるの?実際?」
「な、なんでそんなに積極的な……」
私から見たるしあは基本引っ込み思案というか…ちょっと消極的なイメージがある。
なんだけど、こういう“何か”が関わるようなことになると途端に積極的になる。
マリン頭良いから分かっちゃうんだよね(嘘だけど)
「ねぇー早く」
「じゃあ待て…!、お前、自分のクラスでなんか流行ってるだろ?」
「何?いきなりどうしたの。」
それは本当は私が数秒前に言いたかったセリフなんだけどなぁ…。
「るしあがいきなり『彼氏いる?』って聞いてくるのは、クラス内でなんかそういう…恋愛系のものが流行ってるんだろ!」
私とるしあはクラスは違うし、お互いのクラスでは流行るものや話題は違う…が
最近私のクラスではそういうのが流行っている。周りでリア充が成立しつつあるけど
私の場合は静かに温めておく。なぜなら好きな人は今、真隣にいるから。
「さすがマリン、そういうところだけは頭良いんだね。」
「一言多いな。」
「まぁ現時点で私のクラスでは毎日周りで『彼氏いる?』とか『彼女が可愛すぎる〜』とか騒いでて、みんなそんなに気になったり自慢したりするものなのかなって。」
「なるほど〜だからマリンにそれを聞きたかったと?」
「で、実際いるの?」
う“………『彼氏』だもんな…『彼女』じゃないからなぁ…。いやでも、
今はどっちもいないし………
「『彼氏』も『彼女』もいないよ。」
「………。」
……え?なんか反応くらいしてくれよ?
「いや!気まずいから!!」
私とるしあの間に流れる沈黙がどうも気まずくて口が先走ってしまった。
「あー…ごめんwなんかすごい意外だなぁー…って。」
「えー、なんかイマイチな…」
「反応してほしいって言ったのはほぼほぼマリンでしょ。」
「いや、私は気まずいって言っただけなんだが…。」
「でも本当に思ったのは意外、だけ。マリンってもっと「マリンの王子様見つけるっ♡」みたいな感じで男をアタックしてきそうなんだけど…。」
「待ってwそれはキツいだろw」
「流石に?」
「流石も余計な一言だワw」
「もう一つ思ったんだけどさぁ────」
「なに?」
「『彼氏』とか『彼女』って言い分けるあたり、女の子とかも恋愛対象なんだって思って。」
「そりゃあ今の時代は女が女の子に恋しても良いと思うし、男同士だったらもう…アレだよね。」
「今くらいは腐女子隠してよw」
「ごめんごめんwけど普通にマリンは…女の子でも全然いけるよ。ていうか……私の好きな人も女の子だし。」
「ふーん…?自分から言うなんてなぁ…?」
「あー汗今のは仮の話だから仮の話っ!w」
「どこが仮なんだよっ!w」
「www、でも私は………『 好きな人を愛せる人になりたい。』」
「っていう話をさ、中学生の頃話してたよね〜wマリン〜www」
「…なんで覚えてんだよ……//」
放課後のクレープ屋さんの前で赤面を浮かべながらクレープを食べるとは思わなかった。
つい先日付き合ったばかりの私達の初めての放課後デートというのに。
付き合ったきっかけは中学生の頃にるしあに片想いをし始める。そしてそこで先ほどの
回想の中にあった2人きりの帰り道で彼氏がいるかどうかのことを好きな人に聞かれる。
この頃から恋愛鈍感アホの私は『彼氏』も『彼女』もいないと 言いながらも
好きな人がいる存在をバラし、挙句の果てに「好きな人を愛せる人になりたい」
というクサイセリフをかますというとんでもないバカな発言をする。
高校に入学して1年最初のクラスでるしあと一緒に、そして文化祭が終わった放課後に
屋上で告白、どうやらるしあも同じく片想いだったらしくその流れで付き合って今。
「でも嬉しかったな〜。こんな形で叶うとはねw」
「あの時の帰り道ってさ、るしあも私への好意隠してたってことでしょ?」
「そう、その時は両片想いだなんて考えもしなかったよw」
「良かったな、私に彼氏いなくて。」
「だってマリンはいないイメージだったし。」
「はぁ!?wなのにあの時聞いたわけ!?るしあきんもー!」
「いやいやるしゃはキモくないからぁ!!(大声)」
「ちょ…wここ店内だから騒がないで本当にw」
「あ…いろんな人に見られてるオワッタ」
先ほどのるしあの大声で店内の客の視線が一部こちらに向けられている。
「何やってんだよマジで〜…w」
「でもるしあはマリンの隣に居れるなら何があっても良いよ。」
「…それは私も。」
そう思えば周りなんて案外どうでもいいのかもしれない。
私達2人はお互いを支え合う太陽と月みたいだな、不思議にそう思えた。
「うわ、ポエマーマリンだ。」
「あのーエスパー?」
「今ならネクロマンサーやめれるかも。」
「ヤダヤダやめないで、マリンを蘇生できる人がいなくなっちゃう」
「本当に何言ってんのほら、早く行こ!」
「はーい、」
欲張り海賊の私にとってはどれも手放したくないな。
END
コメント
2件
まりるし最高!!!😭