第45話 「交わる世界」
ゴミ袋を持って立ち尽くしていた夏実。
そんな夏実に声をかけてきた、京輔。
「……なぁに、篠塚くん」
面倒だな、と思った気持ちをすぐに覆い隠し、夏実は笑顔で返事をした。
「……」
それを見て、一瞬躊躇うような表情を見せる。
だがすぐに口を開いた。
「――嫌なら、断ればいいのに」
「!」
何が、とは言われなかったのに――京輔の言葉は夏実に突き刺さった。
視線がふとゴミ袋に向かうが、すぐに京輔へと視線を戻した。
「なんの、話?」
「さっき、たまたま見てたんだよ。ゴミ捨て決めてるとこ」
「そう、なんだ。篠塚くん、今日教室の掃除当番じゃなかったよね」
「うん。忘れものあったから、戻ってきたんだけど」
話がうまくすり替わった――と夏実が思えたのも一瞬。
「――そんなに嫌だなぁって思ってるのに、どうしてみんながいるときはフツーに引き受けてたの」*********
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