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私
の名前は水瀬真琴。16歳の高校2年生です。
突然ですけど皆さんには、好きな人とかいますか?私はいますよ!同じクラスの佐藤くんっていう男の子なんですけど……
えっとですね、実は今まさにその佐藤くんとお付き合いしている最中だったりするんですよねー!!あぁ……幸せ……。
そんなこんなで今日も学校からの帰り道、いつものように彼と待ち合わせをして一緒に帰っていました。
「いや〜それにしてもさっきの数学のテスト難しかったよね〜」
「そうかな?俺は結構簡単だったと思うけど……」
「うわっ!?出たよ優等生発言!」
「別に普通だよ。それに俺だって苦手なものくらいあるぞ?」
「例えばどんなものですか〜?お姉さんに教えてみなさい」
「そうだな……強いて言うなら”恋バナ”」
「ぶふぉっ!!」
思わず吹き出してしまった。まさかここで恋の話がくるとは予想していなかったからだ。
「おい、大丈夫か?」
「ごめんごめん。ちょっと驚いただけだから。うん……いや、本当にびっくりだよ。まさかこんなところで会うなんてね。あぁそうだ! もし良かったらだけどさ、僕たちと少しお話ししようよ!」
「……えっと、そう言われても僕はただの旅商人だし、君たちと違ってお金とか持ってないし……それにほら、あんまり人と話すの得意じゃないんだよ。だから――」
「大丈夫だって! 別に取って食ったりなんかしないからさ。俺たちはただ話がしたいだけなんだぜ?」
「そーそー。なんだったら俺らが奢るからさ。ほら行こうぜ」
「ちょっ!? は、離してくれってば!! うわっ、そんなに暴れたら……!」
「おらぁ! おとなしくしろぉ!!」
「こいつ意外に抵抗するぞ!! さすがに男一人じゃきついかもしれん!!」
「ぐふぇッ――!?」
「くそぅ! こうなったら仕方がない、全員で取り押さえろ!」
「い、嫌だって言ってるだろ!! 僕なんか捕まえてどうするつもりだよ! 僕はただの一般人なんだからな!」
「うるせえ! お前みたいなヒョロガキなんて俺達だけで十分だ!」
「大人しくしろこの野郎!!」
「黙れよ!!お前らなんかに俺達の気持ちが分かるのか!?」
今まさに乱闘が行われている現場で俺はそう叫ぶ。
どうしてこうなったかというとそれは少し前に遡る……
〜〜〜〜〜〜 時は遡り3日ほど前になるだろうか……。
その日はいつものように学校に行き授業を受け、友達と駄弁ったり部活に励んだりと代わり映えの無い一日だった。
ただ一つだけ違うことと言えば帰り道の途中で雨が降ってきたことだ。天気予報では降水確率は10%だったので傘を持ってきていなかった俺は少し早歩きをして帰ることにした。だが、運悪く急な大雨により道路は水浸しになっており思うように進めなかった。仕方なく近くのコンビニに避難することにした。しばらくそこで時間を潰していると一人の女性が入ってきた。女性は急いでいたのか入り口付近で足を滑らせ転んでしまったのだ。咄嵯に駆け寄り大丈夫ですか?と声をかけると女性の方はありがとうございますとお礼を言いながら立ち上がった。その時初めて顔を見たのだがとても綺麗な人だった。思わずドキッとしてしまったがそんなことを考えている場合ではないと思い彼女に声をかけた。怪我はないですか?と聞くと彼女は少し恥ずかしそうにしながらおかげさまで助かりましたと答えた。そして俺達はどちらからと言うわけでもなく自然の流れのように一緒に買い物をする流れになった。
彼女と話をしていてわかったことが一つある。それは彼女が俺と同じ高校3年生だということだった。最初は年齢を聞いた時驚いた顔をしていたが今はもう慣れてしまったようだ。それにしてもまさかこんなところで同級生に会うとは思いもしなかった。しかしよく考えてみれば当たり前のことかもしれない。なぜならここは学校の近くなのだから同じ学校の生徒がいてもおかしくはない。むしろ今まで出会わなかった方が不思議なくらいだろう。それからしばらくの間他愛もない話をしながらお互いのことを話し合った。名前は美月彩音さんと言いクラスは違うが同じ学年だということがわかった。