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深手を追った心の傷は癒えないが、それはそれとして剛武と佐助の現状を確認すべく、彼らの領域に足を運ぶ。
まず剛武の方に向かうと、そこには社会の教科書で見たような、ゲルを使った集落が。
剛武に頼まれて簡単に準備できる住居が無いかという事で、見本に大き目のゲルを一つと、イラストのみで構造・組み立て方が分かる図解の説明書を渡したのだが……
渡したゲルを中心に小さめの現地産らしきゲルが多数建っている。
渡したゲルも過剰に装飾が施されており、遠目からでも一目で見分けられる感じである。
セキュリティ的には不味いので注意しとかんとなー、と思っていたのだが。
中から剛武と妊婦らしきメスゴブリンが連れだって出てきた。
クォレワ事件ですよ。
ええ、信頼度78%位の殺ゴブ事件発生の先行予告ですよ……
鎧の足の部分だけ召喚・装着。
やっといて何だが、何で普通に召喚できている……?
続けてジェット噴射で大ジャンプ&バーニアダンスで彼らの背後に着地。
「ゴーウーブーく~ん。」
上空に飛んだ辺りで俺に気付いて居たらしい剛武が後ろ手にメスゴブリンを隠し、
「ボ、ボス。今日は一体……」
「いやぁ、水臭いじゃないか。何時の間にキミはそんな事になっていたんだい?」
「こ、これは……」
「わかっている。分かっているとも。……さすがに俺も子供から父親を奪う真似はしないとも!?
……ただ、冠婚葬祭位、祝ってあげたくてねぇ……(ネットリ」
報告・連絡・相談は社会のマナーだよ、チミィ。
実際にされてたら?
……(オコ【糞上司感】
「そ、そんな恐れ多い!!??」
「いいんだよ、いいんだよ。剛武くんには普段から頑張ってもらっているからねぇ……」
本当に頑張っていたかって?
これから頑張るんだよ。分かるだろう……?
「あ、あの。夫が何か……?」
オズオズと聞いてくるゴブリン(♀)ちゃん。
「いやいや、番を持つなら教えて欲しかっただけですよ、イヤホントウニ……」
「それで、剛武。こちらの子はどうやって知り合った?」
真面目に聞かんと。いつの間にか一夫多妻型ゴブリン大家族が形成されていたら今後剛武を使いづらくなる。
「あ、ゴブリナは……「私は、王よりこの方に下賜されたのです」」
「下賜???」
「王は夫の数々の功績を鑑みて、ゴブリン王国の重鎮として迎えるべく、第7王女である私を夫に嫁がせたのです」
王……ゴブリンキング!?
「おま、一体何をした……?」
「オレ、ボスに呼ばれていない時、王国の為に頑張った」
荒れ地を耕し、農耕を教え、金属加工技術を学び、鍛冶師を育成し、ゲルの大量生産で住居の確保、部下の育成に励み、ゴブリンの精鋭師団の創設等々……
なれよのNAISEI物かな?
一時期食料の代わりに何処の支援物資かな?的な物資を頼まれたし、佐助と一緒にドワーフ達の所で技術研修に向かわせた事もあったが……
数々の功績が認められ、上層部の満場一致でリーダー・ナイトをすっ飛ばしてゴブリンジェネラルへの一足飛びの昇進が決まったとか……
「それもこれもボスのお陰。オレ、これからもボスと王国の為に、働く」
何と言う……何という事だ……ゴブリンジェネラルとかBランクモンスターじゃないか。
それがGランク対象の契約で働かせる訳にもいかんだろう。帰って契約更改の検討をせねば。
エインセルは特に何も言ってこなかったから気が付かんかったが、もしやアイツも何か待遇面の不満を……!?
「とりあえず、ジェネラルへの昇進が決まったら連絡して。後、今までの契約を改めるけど、何か不満とか希望とかある?」
「ん。足りないもの、伝えたらボスが用意してくれたし、今欲しい物は…… 新しい武器と防具が欲しい。それでオレ、もっとボスの役に立てる」
良い子や……誰だ、嫉妬に駆られて忍殺キメようとした馬鹿は。
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[ランク]G → D
[種族] 小鬼 → ゴブリンソルジャー
[名前] 剛武(ごうぶ)
[種族特性] 《簡易武装可能》《繁殖力:極大》
[個体特性] 《剛力:小》
[種族技能] 《小細工》
[個体技能] 《強打》
[契約義務]
・この個体の主人は、この個体が参加したダンジョン探索の終了後、この個体に最低3回以上の食事を与えなければならない
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[ランク]G → D → B
[種族] 小鬼 → ゴブリンソルジャー → ゴブリンジェネラル
[名前] 剛武(ごうぶ)
[種族特性]《重武装可能》《繁殖力:極大》
[個体特性] 《剛力:極大》《ゴブリンの王族》
[種族技能] 《匠》《軍団統率》
[個体技能] 《鍛冶》《木工》《ゴブリン精鋭師団召喚》《剣技:B》《槍技:B》《騎乗》《戦術:C》《戦略眼》
[個有装備] ドワーフ製GG(ゴブリンジェネラル)装備一式 ドワーフ製GG用ショートソード ドワーフ製GG用斧槍
[契約義務]
・この個体の主人は、この個体が参加したダンジョン探索の終了後、この個体に最低3回以上の食事を与えなければならない
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
只の視察のはずなのに罪悪感めいたサムシングを抱き始めたが、それはそれとして、視察は続ける。
あれ?部下のプライベートを根掘り葉掘り暴こうとするのはガチの糞上司では?という疑問は置いておく。
開けろ!デトロイト市警だ、オラァ!
踏み込んだ先は木造建築住居の一室。
縁側にて藤編みのリクライニングテェアで浴衣を着て寝転び、湯上りの熱冷ましを楽しんでいたらしき姐さんらしき鬼女が、
「何だい、騒々しい!!?? ウチの佐助に何か用かい!!??」
ウチの佐助?
…誰?
……ウチの佐助……?
浴衣がはだけそうですよ……?
…………ウチの佐助…………???
佐助君とどういう関係ですか……?
どうして……(小野麗尾猫状態)
…
……
………コロチュ(語彙喪失
「お館様ぁぁぁぁ……!!!」
「佐助?」
「お館様!!!その闇落ち寸前の表情を何とか、何とか!!」
「な~にを言っているんだい、サ~スケく~ん?(CV:若本」
ガシッ
首に腕を回してホールドして、
「それで、こちらの女性は?」
「こちらは、黒雷組の親分の奥さんで……」
「いかんなぁ、それはイカンなぁ~あ(CV:若本継続」
「要するにお前、人妻に手を出したのか?ン?」
このヤロウ、人が慰安の為に良かれと思って建設を手伝った風呂で不倫とか……!?
「ガハハハハハハ!!佐助ェ!!ここの風呂とサウナってのは良いノゥ!?」
そう言いながら奥から巨体の黒鬼がノッシノッシと歩いてくる。
「お、親分さん!?」
お、旦那登場?
修羅場かな?
ん~、でもこの黒鬼、何処かで見た……!?思い出した!前回のランクアップの時に佐助が盃交わした黒鬼じゃないか!?
「おう、お客さんかノゥ?ワシャア、黒雷組の組長やっとる雷神 鬼黒(らいがみ おにくろ)じゃあ!!」
アイエエエ……なんてこった。礼儀作法は付け焼刃のマナー講座通いで身に着けたが、仁義の切り方とか授業にデテコナカッタヨゥ……
「ドーモ、ライガミ=オニクロサン、オノレオ=マモルデス」
咄嗟に忍殺めいたアイサツを返してしまったが、これは……?
「オオ! これはこれは、黄泉大王様でしたかい!!ウチの佐助がいつもお世話になっておりますわい!!!」
―ヘイ、佐助―
―ハッ―
―何でここで黄泉大王呼ばわりされてるの?―
―実は―
何と、この佐助、鬼は鬼でも地獄の鬼で、将来は地獄の獄卒候補ということらしい。
黒雷組とは個々の鬼の誕生場所毎の纏め役の一つの様で、
「人間に若いのが使われると解った時はどうなるかと思いましたが、今では佐助も若頭として若い衆の纏め役も任せられる様になりましたし、本当に大王様には感謝しかございませんわ!!!」
「全くだねぇ、こんな立派な屋敷も構えたんだし、もうちっと経験積んだら組も任せられるんだけどねぇ」
うんうんとうなずくご夫婦だが。
―ヘイ、佐助―
―ハッ―
―若頭?―
―ハッ―
―いや、ハッじゃなくて何も聞いていないんだけど?―
―ハッ―
脂汗を流しまくる佐助にハンドタオルを思わず渡してやったが、汗を拭くどころか、身体が震えだす佐助。
そんな状況に、
「サ~スケく~んハート で~かけ~ましょ~♪」
―佐助―
―お、幼馴染のハナコです!妹の様な者で!―
お、幼馴染……あの、伝説の……!?
―佐助―
―ハッ、はい!―
―転校だ―
―転校、ですか?―
―ああ、最初は近場の〇×中学で良いかと思ったが黒雷組さんとこの期待を背負っているんなら、温い所にゃ入れられんだろ―
―名門私立男塾高校付属中学―
例の事件の後、俺が一時的に在籍していた学校だが、そこにコネでなんとか捻じ込めんか……
無理だろうな。
ああ、また”名物”の試しを受けなきゃならんのか……
まぁ、最近精神の弛みを自覚する出来事もあったし丁度良いか!!!
―オメェはそこで”漢”磨いてこいや―
色なし、恋なし、情けありの灰色の青春を過ごしてこいと言う訳じゃないんじゃよ?
と、言う訳でモンスター強化プラン:突撃!小野麗尾モンスターズ!シリーズは一旦ここまで。
雇用主の報酬・福利厚生制度を存分に利用するモンスター達の一幕の数々はお楽しみいただけましたでしょうか?
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