テラーノベル
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空襲の音が遠ざかり、やっと静けさが戻ってきた。
地下の出口で💜がそっと扉を押し開ける。
外の空気は冷たくて乾いていたが、胸に重くのしかかっていた埃と煙の匂いはまだ消えていなかった。
一歩、また一歩と地上に上がると、目の前に広がったのはまるで別世界のような光景だった。
瓦礫の山、倒れた建物の残骸、焦げた木の枝、割れた窓ガラス。
街は無残に壊れ、かつてあったはずの家々や店は跡形もなくなっていた。
地面には足跡だけが点々と続き、生き残った者たちの証のように見えた。
「……ここが、町……?」
🩵の声は震えていた。
「こんなになって……」
🩷がそっと🤍の肩に手を置いた。
「でも、俺たちはまだいる。生きてる」
💜はゆっくりと空を見上げた。
赤く染まる朝焼けが、焦げた瓦礫の上に薄くかかっている。
「これからどうするか、みんなで決めよう」
❤の声には揺るがない覚悟があった。
俺たちは、瓦礫の中を歩きながら、壊れた町の片隅に集まった。
まだ見つけられていない仲間のことを思いながらも、
この人たちだけが今の世界の希望だった。
朝の光が差し込む中で、静かに息を整える僕たち。
どんなに傷ついても、明日はまた来るのだと信じて。
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