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戦いの余波で辺りは静まり返り、わずかな風が砂塵を舞い上げる。身体が崩れ去り、戦士たちは勝利の喜びとともに疲れ切った表情を浮かべた。だが、マドレシスの顔には不安が拭い去れなかった。

「兄さん…終わりなのか?」マドレシスは独り言のように呟いた。

その時、地面が震え始めた。マデスの肉体が再び形を取り戻し、暗いオーラが立ち昇り始めた。彼の体は黒い炎に包まれ、その姿はかつての威厳を取り戻していくように見えた。

「これは…?」討伐軍の一人が驚きの声を上げる。

「復活するつもりか!」アレスが声を荒げ、剣を再び構えた。

「そうだ…」地響きのように響き渡る。「何度倒そうと、俺は甦る。これが我が十二形態だ。」

その言葉とともに、巨大なドラゴンの姿に変貌していった。十二本の翼が空を覆い、全身から放たれるオーラはこれまでのどの形態とも異なる圧倒的な力を示していた。彼の目には冷たい憎しみと同時に、深い悲しみが宿っていた。

「十二形態…復活の力を持つ神。」エリオスが静かに呟いた。「彼はもう何者にも止められない…」

軍はその恐怖を感じながらも、戦いを止めることはできなかった。マドレシスは剣を握り、決意を固めた。これが本当の最後の戦いだと彼は悟っていた。

「兄さん…終わりにしよう。」マデスに向かって声を張り上げた。「お前が甦ろうとも、俺はお前を止める。そして、この戦いに終止符を打つ。」

マデスはその言葉にわずかに反応し、人間の形に戻りかけた。彼の瞳に一瞬の迷いが走ったが、すぐにその姿勢を取り戻した。

「やってみろ、マドレシス。お前に俺を倒せるものなら…!」

その言葉を合図に、戦場が再び動き出した。十二の翼を持つドラゴンとマドレシスとの激しい戦いが繰り広げられ、その光景は天と地を揺るがすものだった。

しかし、マドレシスは怯まなかった。彼はマデスの攻撃を防ぎ、少しずつその隙を見つけて攻め込んでいった。そして、最後の瞬間が訪れた。

マドレシスは剣を高く掲げ、全身全霊を込めた一撃を放った。剣は輝き、マデスの身体を貫いた。その瞬間、マデスの身体は再び崩れ始めたが、今度こそ再生することはなかった。

「兄さん…本当に終わりだ。」マドレシスは静かに呟き、剣を収めた。

マデスの崩れゆく姿は穏やかな表情を浮かべ、静かに消えていった。彼の最後の言葉は誰にも聞こえなかったが、その魂は穏やかに天に昇っていった。

討伐軍の戦士たちはその光景を見守り、ようやく勝利を実感した。そして、マドレシスは静かに天を仰ぎ、涙を流した。

「ありがとう。願いを、必ず守る。」

その言葉が風に乗り、戦場に静かに響き渡った。

マドレシスと18の厄災

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