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「へえ、俺は神様関係は神社に行くことくらいしかないからな。そんな難しいことは知らない。現実を全て知っている人か? 確かにいないかもな」
私は霊感などとは縁がない人間だ。そっちの方面もチンプンカンプンだ。しかし、こんな体験をしたので、取り合えず呉林の話を出来れば鵜呑みにしたい。
それに二人の女性に、しかも美人に囲まれる形になったので、どうしていいか解らない。なんというか、いつもと違う気分になり落ち着かない。私は女性経験は皆無と言っていい。けれど、顔が悪いわけでは決してない……はず。ボサボサ頭を何とかすれば……。
正直、嬉しいという気持ちはある。けれど……やはり落ち着かなかった。
「ひたちの牛久って……。じゃあ、私と恵ちゃんの家に近いわ」
呉林が微笑む。
「御幾つなんですか」
安浦は、にんまりと無邪気に聞いてきた。電車の中で、あれだけ取り乱した安浦だったが、大分落ち着いてきたようで、歩き回る派手な服装のウェイトレスにジャイアント・パフエを注文しながら口を開いた。
「26歳」
「あら、とてもそうは見えないわね。私と恵ちゃんは二十歳よ」
呉林は相変わらずタメ口だった。けれど、不思議と悪い気はしなかった。何故か呉林の雰囲気は年齢を関係なくさせる不思議なところがある。呪い教室の先生だからだろうか。
「そうよね。この人。ボサボサ頭をキチンとすればハンサムだし」
安浦は別だが……。
「安浦だっけ。何をしているの」
「え、あたし。あたしは恥ずかしいから秘密」
安浦は本当に恥ずかしいようでツインテールの頭で俯いた。
「なんで?」
「ちょっと、言いたくないの。恥ずかしいし」
俯いた安浦の目の前にジャイアント・パフェが届いた。ジャイアントというだけ大きい。ふつうサイズの3倍くらいだろうか。私はさらに詮索をするのを控える。特に気にしないことにした。
私はコーヒーを注文した。
「それで、それで、何だったのかしらあの電車での出来事」
安浦が誰にとは言わずに口を開いた。
「解らないわ。でも、とても危険な出来事だと感じるわ……。そう、命に関わるような」
「何だって!?」