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” 終わりにしましょぅ ? ”
彼奴はそう言って俺たちに諦めたような 、
もう十分だ 。
そんなことを 言いたげな 顔をしては
薄く微笑んで 言った 。
彼奴は優しいから 。
俺なんかより遥かに優しくて
強くて 、頼りになって 。
でも 、頼りすぎてしまったから
彼奴は1人で抱え込むようになって
おれたちに相談なんかできなくて 、
それでもおれたちに優しく接して ___
俺たちのせいでこうなってしまったのに
彼奴は ッ
最後まで俺らに笑いかけてくれた 。
_______ それが 彼奴の最後の優しさだったのかもしれない 。
君達は転生というものをした事があるだろうか 。
転生と 言っても 前世 ? というのだろうか 、つまりは
” 前世の記憶 ” が混じっての
転生だった 。
とは言ってもこれは初めての転生ではなくて
この転生含めて 3回目である 。
なぜ 、ここまで転生するのか 。
おれにはよくわからない 。
更によく分からないのが
昔 、…… 転生する前の世界
の親友たち ___ 仮に
” S ” 、” Y ” 、” M ”
としよう 。
そいつらが転生先に必ず毎回
居るのである 。
しかも 、親友 という形でだ 。
正直心強いし頼りになる 。
だが 、同時に不安になってしまう 。
______ このままコイツらと一緒にいてもいいのか 。
ただ 、日に日にその考えが
強くなっていく 。
その親友たちは所謂 悪友 というもので
よく悪さや悪戯などを共にしていた 。
悪さや悪戯といっても軽そうに見えるが
おれにとっては軽くは無い 。
万引き は勿論 、壁に落書きなどを
毎日のようにして楽しんでいた 。
言わば 、ひとつのルーティンみたいな
感じだった 。
だけど 、それがいけなかった 。
おれたち に 唯一 怯えたり 、蔑んだり
しなぃ奴がいた 。
そいつはとてつもなく可愛くて
そして同時に優しいヤツだった 。
仮に彼女を X としよう 。
彼奴はよく俺らが授業をサボって寝ていると
何も言わずにノートを見せてくれたり 、
俺達のコトを心配してくれる ……
天使のようなやつだった 。
天使みたいなXと俺らみたいな悪ガキが
釣るんではいけないと自覚していたものの
何となくだがあいつの近すぎつ遠すぎずと言った
気遣いや優しさが居心地良くて
他の奴らはどうなのかは知らないが
おれはとても好きだった 。
なんか 、母親的な感じだったからな 。
おれの両親 、俺より先に逝っちまった殻
きっと寂しかったんだろうな 。
おれはアイツが自分の本当の母親ならいいな
ってつくづく思ってたよ 。
あの日さえ来なければ 。
彼奴が ” 終わりにしよう ” なんて
言わなかったんだ 、言う日なんか
来なかったんだ 。