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花園奈々
600
#なんでも許せる人向け
うあなにぃみ
597
k@
84
【さぁーもん視点】
凸さんとボスに連れられて一年がたった。
拠点の生活には慣れたけれどいまだに自分が変われたきはしなかった。
「さーもさん公園行こうぜ!」
「いい、、、けど凸さんお仕事疲れてるんじゃないの、、、?」
凸さんとは年が3つ離れててすでに実戦で仕事に出ている。
疲れてないわけなくない、、、?
俺は自分の練習だけでも手いっぱいなのに。
「何~?そんなこと心配してんの~?さもさんは優しいね~」
「、、、」
自分が優しいのかなんてわからなかった。
今までこういっとけばなんとなく生き延びられたという経験のもとにこうしてるだけだから。
「けどさもさんさ。遊び相手基本うたちゃんとおどろくちゃんだから外で遊べてないでしょ」
「、、、、うん。」
それはれっきとした事実だった。
まぁ別に室内遊びが嫌いなわけではないけど、、、
「たまには公園でパーッと遊ぼうぜ!」
そう凸さんに乗せられて二人で夕方の公園に向かうのだった。
ーーー
「はいっ!さもさんパス!」
「うんっ!」
遊具よりこうやって二人でボール遊びしてる方が好きだった。
ボールを蹴り返そうと凸さんの方を見た時奥の方にとぼとぼと入ってくる同い年ぐらいの女の子が見えた。
髪色と夕方の光も相まってかとても寂しそうに見えたのをよく覚えてる。
「さもさん?ボールそっち行っちゃった、、、ってごめんボスから電話だ、、、ちょっと出てくるな!」
「うん」
さっきのこは一人でブランコにちょこんと座っていた。
別にこぐというわけでもなくただ下をじっと見つめていた。
「ねぇねぇ。大丈夫?一人?」
完全に無意識だった。
気が付けば声をかけていた。
女の子は気づいてくれたみたいでこくんと頷いてくれた。
その目はじっと俺のことを見つめていた。
「近くのこ、、、?」
どうやらそれは違ったみたいでううんと首を振ってくれた。
意思疎通はできるけどしゃべれるのかな、、、この子
すると女の子は口をひらいて
「ママ死んじゃった、、、」
そうポツリと言葉をこぼした
その声は透き通っていてどこか無機質ささえ感じた。
でもすごく、、、寂しそうにも聞こえた。
「そっか、、お父さんとかは、、?」
「わかんない。どっか遠いところ行っちゃった。」
今の自分とは対照的にちょっとくたびれた服を着ていてきっとこのままだと孤児院に連れていかれちゃうのは幼いながらになんとなくわかった。
でもどこか2年前の自分に重なってしまった。
この子を助けてあげたい、、、
「、、家来る、、?」
「おうち、、?」
「うん。」
「行ってもいいの、、?」
女の子が立とうとしたその時だった
「さーもさんなにやってんの?」
電話を終えたらしい凸さんに声を掛けられる
なにか言わなきゃ
「その子どうしたの?」
「パパとママいないんだって」
「そっか」
すると凸さんはどこか悲しそうな表情で女の子の方を見ていた
「凸さん。この子おうち連れてっていい?」
「連れてっていいって、、、」
凸さんが言いよどむ
もし凸さんがいいよって言ってくれなかったらこの子は、、、
「お嬢ちゃんはそれでいいの?」
「わ、わたし、、?」
「そう」
その子は凸さんのことを少し警戒しているのか俺のパーカーの裾をきゅっと握っていた
「い、良いならおうち行きたいです、、、」
「そっか!じゃあ3人で帰ろうぜ」
「い、いいの!」
「もちろん。そういう子達の集まりだからな。そうだ!俺は凸もり。よろしくな!」
凸さんだけが自己紹介をして歩き始める。
「えっと、、、」
「俺はさぁーもんだよ」
「えっとべるって言います」
「よろしくねべるちゃん」
「うん!」
ーーー
「にしても、、、さもさんが俺以上にべるちゃんになつくなんてな」
べるちゃんがきて数か月たった日の特訓の日のことだった。
凸さんが少し寂しそうに俺に行ってきた
「そう?」
「だって半年ぐらい前まですぐとつさんとつさんって言ってたこがいまじゃ年下のべるちゃんのあまえられる相手になってるじゃん」
「とつさん嫉妬してるの?」
「いや。実質弟の成長感じてる。」
「なにそれ。」
「きっとべるちゃんがもう少し大きくなればきっとさもさんもわかるよ」
そういいながら今日使った道具を片づける
べるちゃん今日は確かおどろくさんと一緒に勉強してるって言ってたな
後で遊びに行こうかな
勉強も好きだし、、
「ってかさもさんもどうしてべるちゃんに最初っから手を差し伸べるくらいべったりなの?」
「、、、守んなきゃって思ったから。」
「まも、、る、、、」
凸さんが一瞬びくっとしていた
「最初見た時に去年ぐらいの自分とすごく似てて、、、それで」
言葉が詰まったとき凸さんにわしゃわしゃわしゃっと頭をなでられる
「そかぁ、、、守りたい、、かぁ」
その手はやめるところも知らずすっと俺の頭をなでている
「さもさんはすごいなぁ、、、そっか」
それと同時に手をとめて俺と向き合う形となった
「さもさん。すこし大事な話しよっか」
「大事な話?」
「そう大事な話。」
「俺たち男ってのは時に守らなきゃいけないもんがあんだよ」
「はぁ、、」
「あっいつものでたらめだとおもってんな!?」
「だって話し方、、、」
「この話はまじな奴だから!」
「わかった。」
「俺もいたよ。さもさんと違って女の子じゃねーけどよ。守りたかったやつ」
そういって拠点の今ほかのみんなのいる方の棟を見ている
「俺が気づくのが遅すぎたからきっと守り切れてはなかったのかもしれないのが心残りでさ。」
「だからってのもなんだけどさ、今さもさんにとってべるちゃんが大事なら守り切ってやってほしい。」
「守り、、、切る、、、?」
「そう。中途半端に守って守り切れないのが一番ダサいからな!」
べるちゃんが来てからの生活を思い出す。
べるちゃんはすぐになじめたけど俺が安心するのかいつもそばにいる
なにか怖いことがあれば俺に抱き着いてきたり、人前だと裾をきゅっとつかんだり。
それぐらい俺のことを信頼してくれている。
その姿を見ると「守らなきゃ」とどこかで感じてる。
それが目の前にいるべるちゃんなのか、はたまた昔の自分かはわかんないけど。
「凸さん。」
「ん?」
「俺頑張ってべるちゃんのこと守る!」
「おっ!そのいきだぞ!」
ーーーー
そのひの夜だった。
部屋の扉をたたく音がした
急いで扉を開けるとべるちゃんがいた
「あれ?べるちゃんどうしたの?」
「怖い夢みた、、」
身体が震えていてほんとにおびえているみたいだった。
「おいで」
「いいの、、?」
「一緒に寝よ」
するとぱぁぁっと顔がはれてこくんと頷いてくれた
電気を消して二人でぎゅっとしながら寝る
「さもくん」
「どうしたの?」
「いつもありがとう」
「どうしたの?急に」
「私ね、誰かにこうしてずっと面倒見てもらったことなくて、、、だからこう、、、ずっと一緒にいてくれるのがうれしいんだ」
「おれも」
「へっ!?」
「こうやって誰かとずっと一緒にいるの初めて」
「一緒だね!」
するとべるちゃんは安心したのかすぐねむってしまった。
いつまでも自分の手の届く場所にこの熱があってほしいとはじめて願ったのかもしれない。
これがまもりたいってことなのかなぁ、、、、
ーーーー
あれから何年もたった実戦のための試験も受けて凸さんと一緒に実戦に出れるようになった。
仕事のためにも普段の練習頑張ろう!
「俺は練習いくけどべるはどうするの~?」
「ついて行ってもいい?」
「いいけど、練習みたいなんてなかなか聞かないけどね~」
そう話しながらいつも道理練習棟までの道を歩く
いつまでこうやって俺になついててくれるのかな。
欲を言うなら離れてほしくないな、、、
ーー
あとはあの的に当てれればこの実験シミュレーションはコンプリートで今日は終わり、、、
よしここだっ!
「来たっ!ねぇべる!」
みると凸さんがきていたのかべると話している
見てみると銃をべるに渡している
、、、やだ、、
取んないで、、、
そぉーっとべるの方による
「ほらこここう持ってって、、、さもさん?」
「俺が教える」
すると察したのか冷やかしながら帰っていった
べるの手にもっているものをみると初心者用ではあるが重いモデルの銃を渡されていた。
「えっと、、」
はじめて握る銃に困惑してる姿がかわいい。
「取り合えずそれ重いでしょ?」
「う、うん」
「試しにこれ持ってみて」
そういって俺がさっきまで使っていた銃を渡す
「で、でもあれ凸さんが初心者用って、、、私さも君の使って大丈夫なの、、」
「大丈夫だよ。ちゃんと正しく使えれば使いやすいから。」
おそるおそる俺の銃を握ってる
ちょっとぎこちなくてかわいいな、、、
「軽いでしょ?」
「うん」
「ちゃんと両手で持ってご覧」
反動でべるが倒れないようにしっかりと支える
、、、
あれ、、、べるってこんなちっちゃかったっけ、、?
えっ、、俺とそんなに身長とか変わんなかったよね!?
、、、おれが落ち着かなきゃ示しがつかないな、、、
「べる?そんなに力は行ってちゃうまく打てないよ?」
何とか指示をあおぎながら平然を装う
「手前の方の引き金引いてごらん?」
すると決心したのか引き金を引いた
「ひゃっ!?」
「っと、、」
俺がいてよかった、、、
いなかったらぜったい反動で倒れてた、、
的を見てみるとちゃんと命中している
「ちょっとよろけちゃったけどうまく打ててるじゃん。」
「こ、これ私が打ったの、、?」
「そう。上出来じゃん。べるも練習したら?」
「け、けどさもくんがいたから出来たのであって!」
「じゃ、じゃあ俺がちゃんと教えるから!!!」
「、、、ほんと?」
「うん。約束。」
「使えるようになる、、?」
「絶対に。」
「実戦一緒に行けるようになる?」
「うん。」
「やる。」
「じゃあ明日から頑張ろうか」
「うんっ!」
ーーーー
おれはそのあと支部の方に訪れていた。
「本部のさぁーもんです。ニグさんいらっしゃいますか?」
「えっとニグ様は、、、」
「おっさもさんじゃん!」
「ニグさん!」
「どした?凸さんからのお使い?」
「えっと、、、この後時間あいてる、、?」
「まぁ仕事はこなしたから暇ではあるけど、、、」
「、、銃買いに行くのつきあって、、」
「えっ?前の壊れちゃった?俺の上げよっか?同じ奴だよね?えっ部屋までおいで?」
「えっとその、、べるの、、、選んであげたくて、、、」
するとニグさんが「なるほど!」というような顔をしてこちらを見ていた
「じゃあ選びに行かないとね」
「!?いいの!?」
「まぁそりゃ実質さもさん弟みたいなもんだし。付き合うよ。べるちゃん用ってことはさもさんとおなじ方のもっと軽量化したやつがよさそうかな?」
「べ、べつにべるが扱いやすいなら俺と同じじゃなくても!」
「そういっちゃって~べるちゃんとおそろいがいいんでしょ~」
ほんとこういうところ凸さんに似てる、、、
「、、、うん」
「ほんとにべるちゃんのこと好きだね~そのうちきっとしぇいどさんカップルに張り合えるよ。ってか告んないの?」
「こく!?無理無理無理!!!!」
「ありゃ。どうして」
「だって俺はべるのこと好きだけどべるからしたらニグさんたちが俺のこと弟って思てるのと同じようにべるからしたら兄てしてしか思ってないじゃん!」
「ふーん。おれはべるちゃんちゃんとさもさんと同じ意味でさもさんのこと好きだと思ってるけとなぁ。」
ーーー
「で、さもさんどれにするの」
「えっと、、、」
久しぶりにきたけど前より明らかに数が増えていて迷ってしまう
「とりあえず軽量化モデルのほういこっか」
「うん」
みるとほかのに比べて数が少なかった
けどその中でひときわ目を引くのを見つけた
黒なのに一部が紫のグラデーションがはいっていてすごくべるが好きそうだった。
喜んでくれるかな、、、
「それさもさんが使ってるやつの軽量化モデルだね。べるちゃん今日のおためしなに使ったの?」
「俺の、、」
「さもさんはこの銃どう思う?」
「べるが好きそうだし、よろこんでくれるかなって、、、」
「そっか。すまみせーん!経費立て替えでこれくださーい。」
「えっ!?に、ニグさん!?」
「ん?これでいいんでしょ?」
「い、いいの、、、?その経費でかっちゃって、、」
「そりゃ必要なものですから。おどろくさんみたいにプリン買おうとしたらダメだけど、、、大丈夫。そのさもさんが持ってるやつも経費で買ってるし。」
そういってニグさんが手続きしてくれている。
「それじゃ次いこっか」
「次。そろそろべるちゃんの誕生日もちかいからほかのものも見たいんでしょ」
「ニグさんすごいね。」
「そりゃ俺からしたら弟みたいなもんだしね」
このひはニグさんと一緒にいろんな場所を回った
ーーーー
今日は初めてべるとの練習の日。
昨日買ったの喜んでくれるかな?
そうるんるんとしながら練習のための準備をする
自分の練習は終わったから今日はべるのこと付きっきりでめんどうみるんだ~
「さも君おはよ」
「おはよべる」
いつもならまだ眠そうなのに今日はすんなり起きれてるみたいでよかった
「はい」
「なぁに?これ?」
「いいからいいから。開けてみて?」
「うん」
少しびくびくしながら箱を開けている
可愛い、、、
中身をようやく見たのか顔が驚いている
「こ、これって!」
「そう昨日べるが使ったの。まぁ俺のより新しい方のやつだけど」
「い、いいの!?もらっちゃて!?」
「えっ?うん。ストック用に持ってたやつだしむしろ使って?」
いやストックは嘘なんだけど、、、
けどせっかく選んだし、気に入らないとかじゃなければ使ってほしいな、、、
「ストック、、、って、、、もらっていいの?ストックなんでしょ?」
そういいながらもすごくうれしそうな表情をしている。
うれしいなぁ、、、
「銃はちゃんと使わないとだめになっちゃうからね。ストックで買ったっていうよりは試供品だし、、、」
「そ、そっか!」
っとあとは、、
性能面ももう少し説明してあげた方がいいよね、、、
「あ、あと、、、って、、」
相当うれしかったのか、はしゃぎまわってる。
「べーる」
「ん?」
「それ俺が使ってるのより軽いし、反動ないからね」
あ、あれ何か意図とせず耳打ちしてるみたいになっちゃった
ーーー
「じゃあ練習終わり。俺は片付けあるからさきもどってていいよ~」
「か、片づけるんでしょ?なら私も、、、」
「ん?今日初めての練習で疲れたでしょ?先休みな?」
「わ、わかった!」
そういってべるはありがと!っと言ってみんなのいる方へと帰っていった。
もちろん手伝ってくれるのはうれしいけど重いものも多いしね
あんまこういうところでケガさせたくないしな、、、
俺が片づけを終えて急いで戻ると凸さんとニグさんうたいさん、べるがいた
なんか囲まれてて大変そう、、、
「べるちゃんはべるちゃんだよね」
「そういう時だけ仲良くしないで!?」
「まぁまぁ、、、言うてさもさんは呼び捨てしてくれてるじゃん?ね?さもさん」
「お、俺!?たしかに呼び捨てしてるけど、、、」
「ならいいじゃんね」
「いいじゃんね」
「べるさん可哀想に。大変だねあそこ2名にいじられて」
「そうなんだよね〜」
「ってべるさん銃のポーチじゃん。持ってたっけ?それともさもさんかなんかの雑用?」
銃のポーチをつけていたらしくうたいさんにばれてしまった。
ニグさんの方を見るとすごくにやにやしている
「ふっふっふっ!見て!!!さもくんに貰った!!」
「ふーん、、、なんかよさそうだね?」
「あれ?これ昨日俺らが探してたやつじゃない?」
とニグさんはわざとらしく言った。
バカバカ!!
いじわる!
「へっ!?う、うん」
「ってか昨日のでしょ〜!探すの大変だったんだから〜」
「へっ?けどさもくんストックのだからあげるって、、、」
「昨日わざわざ俺のところ来て探すの着いて来て?ってお誘い来たから探しに行ったんだよね〜大変だったぁ、、、」
「そ、そうなの!?」
かぁぁっと顔が赤くなるのが嫌でもわかる
何もそこまで言わなくてもいいじゃん
「う、うん、、、だってあんま負担なく使って欲しいし、、、」
「大好きなべるちゃんの為だもんねー?」
「凸さん!?」
「俺たちお邪魔しちゃ悪いから行こうぜ〜」
そういいながらあとは楽しめよ!という凸さんとニグさんからの熱い視線を食らいながら三人はほかの場所へといってしまった。
もうあの二人は頼りになるのにこういう時はいったい何なんだ、、、
べるも何か思う節があったのかぎゅっと俺のパーカの裾をつかんだ。
来てから何年もたつけどその癖だけは抜けてないとこがかわいい、、
「べる、、?嫌だった、、?」
「ううん。むしろ嬉しい。その、、、私のために選んでくれてありがとう、、、それに銃ってやっぱ高い、、、よね?」
「ま、まぁ銃はちゃんと経費で落とせるし、、、」
「初めてちゃんと使うものだから、俺がわかる範囲で使いやすいものちゃんと選んであげたいから、、、」
変なもの渡されて怪我とかしてほしくないし、、、
「さもくん。」
「な、なぁに」
「ありがとう!!これから練習よろしくね」
ーーーー
ある春先のことだった
昨日の全体会議でよっぽど疲れた様子のうたいさんが声をかけてきた。
いつもはこの時間はまだ寝てるだろうから様子を見るからに徹夜明けなのだろう
大丈夫かな、、、
「ボスが部屋で待ってるから行ってきな」
大方何が起きるかは予想がついた。
きっと戦争がらみだろうなって、、、
きっとべると同じタイミングで呼ばれたということは、離れ離れになるわけではなさそう。
ってことはお留守番かな、、、
とりあえず俺らは、、、、
ちらっとべるの方を見るとひどく震えている
「べる大丈夫?」
「うん」
とりあえずここにいてもらちが明かないのでボスの部屋の扉を開ける
開けるとそこにはボスと凸さんがいた
やっぱりこうなるよね、、、
「まずは、、、二人はどうだ?仕事とかで困ってることはないか?」
「はい。俺の方は大丈夫です。」
「私もだいぶ書面の扱い方が慣れてきました。」
「それならよかった。特にべるは書面の仕事の裏でさぁーもんとの銃の練習もしているようだしとても頑張っているな」
「ありがとうございます!」
「それでは本題に入ろうか」
「まずは、、、二人は高頻度で町の方に出ているからわかるだろうけど戦争が激化してきていることは知っているだろう?」
「はい」
「それで、、うまいことこの組織は徴兵を回避してきたのだが、、、、」
やっぱりか、、、
となると凸さん、うたいさん、ニグさんはいなくなるんだな、、、
「行かなくてはいけなくなってしまってね。」
「それで、、、ここにのこって今まで道理動けるのは君たちだけだからちゃんと伝えておかないといけないと思ってな。」
「ね、ねぇ凸さん」
べるが少しおどおどした感じで凸さんにパスを振る
「う、うたいさんは?」
「あぁうたちゃんはこっちに残るぞ」
「凸もりのいった通り残るには残るのだが基本は私たちに情報の提供などの仕事をまかしてあるからなちゃんと動けるのは二人だけだと思うぞ」
ちらっとべると顔を見合わせる
すごく心配そうな顔をしている
「二人とも大丈夫か?」
「はい大丈夫です」
「なら安心だな。さぁーもんがしっかりしてればいない間も、帰ってきた後のこの組織も安心だ。」
「そうですね。ボス」
俺は正直凸さんとかに頼り切ってた面はあるから心配だけどな、、、
そういわれて二人でボスの部屋を後にした
話が終わって少し安堵したのか俺のパーカーの裾をきゅっとつかんだ
そうだよね。
みんな行っちゃうんだから心配だよね、、
怖いよね、、、
「べる?大丈夫?無理してない?」
「さも君は一緒にいてくれる、、、?」
「うん。大丈夫だよ。絶対に一緒にいるし、、、守るから。」
絶対にこの子に俺のせいで怖い思いをさせたくないな、、、
ちゃんと守らなきゃ、、、!
もう小さいべるじゃないんだからこんなことで安心してくれるわけないよなと自分に突っ込みをしつつぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫だからね。」
「うん」
「ココアでも入れてあげよっか!」
「嬉しいけどもう春先だよ?」
「じゃあ飲まない?」
「飲む!」
うれしかったみたいで二人で少し指を絡めてキッチンへと向かうのだった。
ーーー
その日の夜のことだった。
俺は久しぶりに凸さんのところへ訪れていた。
凸さんたちは徴兵前の休暇に入っているらしい
「にしても昔を思い出すな」
「昔?」
「べるちゃんが来る前はよくこの時間ぐらいに俺とこうやって話してたよなって」
「確かに」
「それで?さもさんが俺んところに来るなんて珍しいじゃん?なにかあった?」
そういいながらビールを一杯あけている
ほんとどっからとってくるんだか、、、
「とつさんの未成年飲酒、、、」
「えーこの前バー行ってカクテルおごってあげたらはまったの誰だっけ????」
「うぅ、、、」
「まぁべつになんでもいいんだけどね俺は。」
そういいながら俺にグイっとビールの入ったカップを押し付けてくる
「これでさもさんも共犯者な」
「はいはい」
「で?とつさんとこ何しに来たん?」
「これでも自分にとっては凸さん恩人だと思ってるんだけどな~?」
「ふ~んいいこと言ってくれんじゃん。」
「自分が人間不信治らなかったときに一番支えてくれたのは凸さんだからね」
「あっそうなんだ」
「反応薄くない!?」
「反応薄いというか人間不信治したのはべるちゃんじゃん。」
「べる、、、が、、、?」
「あれ?自覚してないの?さもさんが今のさもさんの性格になったの十中八九べるちゃんの影響だからね?」
かぁぁっと恥ずかしくなってくる
「ほんと表情豊かになったなぁ、、、」
「それで?いまべるちゃんとどうなのさ?告んないの?」
「ニグさんにも前おんなじこと言われた」
「そりゃそうでしょ。こっちとしては言いたくなるよ」
「そうなの?」
「そうそう」
、、、確かにべるのことは大好きだけど、、、
きっと恋愛対象として俺は見られてないよなぁ、、、
「まぁ俺が帰ってくる頃には付き合ってたりしてな!」
「へっ!?」
「俺、おどろくちゃんの成長とさもさんとべるちゃんが付き合ってるの楽しみに帰ってくるわ。」
「うたいさんのこと考えてあげなよ、、、」
「うたちゃん、、あいつは強いから大丈夫だよ。俺の、、、、幼馴染だからな」
そう少し寂しそうな声でいう
きっととつさんの守りたかった人ってうたいさんのことさんだろうな、、、
こうも長いこと一緒にいればなんとなくわかる
「凸さん」
「ん?なんだ?」
「俺凸さんとの約束ちゃんと守ってるからね」
「おっ!じゃあとりあえずべるちゃんは安心だな!しばらくはおどろくちゃんとうたちゃん任せることにはなるけど、、、」
「大丈夫。俺だって成長してるんだから」
「そうだな」
ーーーー
【べる】
「ボスたち行っちゃうね。」
今日は凸さんとボスを送る日。
二人はちゃんとかえってこれる、、、、
よね
二人がしばらくの間いなくなるのは怖いけど、、、、
私にはさも君がいるから大丈夫、、、、、
「とつにー!!!パパ!!!待って!!!やだ!!!!行かないで!!!!」
、、、そうだよね、、、おどろくさんはつらいよね
みんなそれがわかってるのか、ボスと凸さんは必死におどろくさんをなだめてるし、うたいさんとさも君は目をそらすかのように送る準備をいている
私はただそれを見守ることしかできなかった。
せめてどちらかを手伝った方がいいことぐらいわかってはいるんだけど、、、
思うように体も心も動かない。
ママが死んだように、お姉ちゃんが見つからないように、もしかしたらこの二人が、、、
と考えてしまうと動けなかった。
「やだ!!!とつにーのことちゃんとかっこよく書くからおどろくと、、、、!おどろくと一緒に遊んで!!!ぱぱも、、!おどろくちゃんとお勉強するし、べるねーみたいに銃の扱い方練習するから、、、、行かないで、、、おどろくみんなと、、、、、みんなと一緒にいたいのだ、、、、」
最近はそんなことなかったのに今日は一段とぐずっている
、、、考えててもしょうがない
私はおどろくさんをなだめよう、、、
「おどろくさん」
そういって二人に張り付いているおどろくさんを抱き上げる
「べるちゃんありがとな」
「ううん。まぁおどろくさんからしたら寂しいよね」
たしかおとうさんとお姉ちゃんが家を出て行った日の私もこんな感じだったんだろうなと想像がつくし、、
「べる。しばらくはここを、、、おどろくを任せたからな。」
「わかりました。ボス。」
「べるもしっかりしてるな」
「い、いえ!ぜんぜんそんなわけ、、、」
「まぁさもさんがいないと動けなかったべるちゃんではなくなったよな!」
「そうだな。しっかり自分で動けるようになってる。」
ちゃんと成長できてるんだなぁ、、、
「ほらおどろくさん。ボスと凸さんに行ってらっしゃいしよ?」
「ううぅ、、、べるねー遊んでくれる?いっぱいおどろくとおしゃべりしてくれる、、、?」
「もちろん」
「べる。抱っこ変わろうか?」
「じゃあおねがいしてもいい?」
「おどろくさんおいで」
「わかったなのだぁ、、、、」
「ボス。準備ができたので向かいましょう」
「さもさん」
凸さんがさも君に声をかける。
「乗る前一瞬だけ俺のところにこい」
「わかった」
「、、おどろくさん。僕二人送ってくるからね。いい子にするんだよ。」
うたいさんもなだめるようにおどろくさんの頭をなでている
「わかったのだ、、、パパ、、、とつにー、、、ちゃんと、、、、かえってきて、、、、おどろくと、、、、」
ボスもやっぱり離れがたいのか最後におどろくさんのことを抱きしめていた
「ああもちろんだ。帰ってきたら遊ぼう。」
「、、、うん」
「それじゃあ、、行ってきます」
こうして四人は外へ出て行ってしまった。
「べるねー、、、」
「プリン、、、この前買ったの入ってるけど一緒に食べよっか、、、」
「うん。」
二人でダイニングに向かう
私はキッチンの方まで行ってプリンを三つ取り出す
つい昨日まで六人で囲んでいた食卓にしばらく全員がそろうことはない。
寂しいな、、、
あっ、、、苺ある、、、悪くなる前に食べなきゃな、、
クリームはないけど苺でも添えとくか、、、
「さもにーおかえりなのだ、、、」
「ただいま」
「さもくんいまプリン用意してるからふたりでまってて~」
「お皿運ばなきゃでしょ?手伝うよ」
「ありがとう」
「それじゃあおどろくさん食べよっか。」
「うん。」
いつもならあんなに喜んで食べるのに。
今はそれが嘘みたいにしゅんっとなっている。
悲しいよね。
慰めにしかならないだろうけど私は自分のお皿にのっけた苺を一つおどろくさんに上げるのだった。
ーーー
【さぁーもん】
「それじゃあいってきます。」
凸さんに呼ばれたからそのまま三人についていく。
「さもさんいままでありがとな」
「なんでそんな、、、」
そんなもう会えないみたいな感じで言わなくても、、、
「次会える保証がないからな。」
そう悲しげに笑った。
てには煙草が握られていた。
いつからやり始めたんだか、、
「ほんと。お前は大きくなったな。もうすぐ背も凸さんを越せるだろうな」
「俺とボスはいなくなるから、、、頑張れよ」
「、、、」
「俺はここ来る前にうたちゃんを守り切れなかった、、、それだけが唯一心残りかな。」
やっぱりうたいさんだったか、、、
「でもうたいさんはきっと、、、」
「さもさんはちゃんと、、、、」
「べるちゃんのこと守るんだぞ。」
「最後に凸さんとの約束だ。できればここにいる奴ら守ってほしいけどな。とりあえず一番大切な奴だけ守り切れればいいよ。」
「でもおれ、、、」
「とっくに俺なしで実戦出れるようになったんだし、今はべるちゃんの面倒見ながらできてるだろ?もう俺より立派だよ。大丈夫。さもさんならやれるから。」
小さかった時と同じように頭を凸さんにわしゃわしゃとなでられる。
「じゃあ行ってくるからな。ここのこと。任せたからな。」
「うん、、、いって、、、らっしゃい、、、、」
俺ほんとに強くなれてんのかな、、、
三人を見送った後しばらく俺はその場から動けなかった。
ーーーー
屋敷の方に戻ると二人がキッチンの方にいた。
「さもにーおかえりなのだ、、、、」
「ただいま」
おどろくさんは受け止め切れていないのか今にも泣きだしそうな顔になっている。
、、、俺ですら受け止め切れてないんだから当たり前か。
俺は親との関係が良かったわけじゃないからちゃんとはわからないけど、、、
お父さんと離れるのはしんどいだろうな、、、
「さもくんいまプリン用意してるからふたりでまってて~」
「お皿運ばなきゃでしょ?手伝うよ」
「ありがとう」
べるは優しいな、、、
こんな時でもおどろくさんに気を使ってあげて。
「それじゃあおどろくさん食べよっか。」
「うん。」
もう今三人がいない食卓には沈黙しかなかった。
今にも泣きそうなおどろくさんと、なんとなく漠然とした責任が置いて行かれたような空間は重苦しかった。
あの二人が「組織の顔」として背負っていたものすべてを置いてここを出て行った。
出て行かなきゃならなかった。
それを今俺たちは代打として背負っていかないといけない。
もしかしたらこの重荷が終わることがないかもしれないことにおびえながら。
時が来ればその重荷はおどろくさんに代わるのかもしれないけれど、、、
それでも、、、
そういえばこのプリン昨日ボスが買いに行ってたやつか、、、
おどろくさんが大好きな奴で、、、、
そう思っておどろくさんを見ると食べてはいるけどぽたぽたと涙があふれていた。
べるがあまりにかわいそうだと思ったのかおどろくさんのお皿に苺を一つ上げていた。
俺も便乗する形で一つおどろくさんに上げる。
「べるねー、、、、さもにー、、、、」
この日は食べ終わった後うたいさんが帰ってくるまで誰一人として動けなかった。