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上野文
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#異類婚姻譚
和泉
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#聖女
桜井正宗@オートスキル1巻発売
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#えっち要素有
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「桃太君、今の状況は良くないんだ。なぜなら反乱を起こした六辻家と七罪家が潰える今、日本政府とクマ国共通の懸念となるのは、地球にも多大な影響力を持ちながら、コウモリのようにフラフラと陣営を変える、クマ国の反政府団体〝前進同盟〟だからだ」
「えっ……」
額に十字傷を刻まれた少年、出雲桃太は、異世界クマ国の代表たる牛の仮面かぶった男、カムロの宣言に生唾を飲み込んだ。
友好的な会談の滑り出しはどこへやら、いまや不穏な気配がぷんぷんしている。ゆえにこそ、桃太はかねてから気になっていたことを尋ねた。
「カムロさん、オウモさん達、〝前進同盟〟が自分勝手に動いているのは良くないことだってわかります。でも、彼らの目的、異界迷宮カクリヨとの接触で失われた失われた地球の国々を復興しようという考えは、正しいんじゃないでしょうか?」
「そうだな。目的だけを聞けば、素晴らしい理念だ。だが、オウモは合理主義者であると同時に急進的な理想家で、見えていないものがある」
桃太とカムロは畳敷きの和室で向き合い、途切れがちになった会話の間を稼ぐため、切り分けた羊羹を爪楊枝でつつきながら、慎重に腹の探り合いを始めた。
「そうだね。たとえば目の前にご馳走があるとして、自分では食べられないほどの長い箸があるとする。桃太君はどうすればいいと思う?」
「カムロさん、こうやって食べさせあえばハッピーです」
桃太がカムロの皿に羊羹を置くと、カムロも桃太の皿に羊羹を置いて、二人は微笑みあった。
「うん、いい答えだ。地球、クマ国を問わず、世の中の大半は、そういった善人によって成り立っている。僕はそう信じているよ」
カムロは牛に似た仮面からのぞく黒い瞳を閉じて、黒染めの紋付袴からのぞく、シワという年輪の刻まれた手をぐっと握りしめる。
「だがね、桃太君。世の中には箸を半ばで折って自分だけ羊羹を食べようとする者もいるだろうし、中には箸で相手を殴り殺して一人占めしようとする者もいるだろう」
「カムロさん、それじゃ鬼の所業ですっ。……そうか、黒山の野郎、啓介さんや六辻剛浚、業夢さんのことか。最初に反乱を起こした〝C・H・O〟は例外としても、〝前進同盟〟はそれ以降の日本政府への反乱者に武器を売りつけたんですね!?」
三度にもわたるクーデター。
その最前線で戦い続けてきた桃太の直感は正しかったようだ。
「そうだ。今、桃太君があげた連中と手広く商売していたのだがオウモだよ。
あのバカは滅亡した国々を復興するという大義名分の元、協力者を集めようとやりすぎた。地球各国から届いたレポートによれば、他にもまずい商売相手がゴロゴロいる。
たとえば、外国企業を狙った誘拐を重ねる、自称、愛国者団体――、
利益のために船舶への海賊行為を繰り返す、自称、海洋生物保護団体――、
学校を襲って女の子を誘拐、人形のように扱う、男尊女卑の山賊――、
己が手で父親や息子を害して男性絶滅を叫ぶ、女尊男卑が行き過ぎた自称、社会福祉団体――。
そんな鬼に憑かれたような過激な団体までが、恩恵を受けているんだ」
「なんてことをっ」
桃太は、カムロが明かした前進同盟のやらかしに愕然とした。
「本当なんですか? オウモさん達を貶めようとする捏造なんじゃないんですか?」
コメント
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桃太くん、カムロさんとの腹の探り合い、すごく緊迫感があって面白かったです。羊羹と箸のたとえ話、めちゃくちゃわかりやすいし、桃太が即「食べさせあえばハッピーって即答するのがもう本当にらしいというか…。そこにカムロが「そういう善人で成り立ってる」って言い返すバランス感。でも、後半のカムロが明かした前進同盟のやらかし…えっ海賊行為する自称保護団て?しかも男尊女卑の山賊や逆に女尊男卑な団までいるって!!理想掲げるんならまずそいつらをどうにかしろよって話でしょオウモの…?桃太が珍しく疑うのも、わかるそれカムロの。全体続きがが合ってる行っそんな。伏線が。