TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


家に着き、天馬がキャリーを開けると、猫はダッと廊下を走って行き、その姿は、本当に野生のテンのようにも見えた。


「ホント、テンみたいね…」


クスッと笑うと、


「ね、そうでしょ?」


天馬君がニッコリと笑い返した。


「ねぇ、先に二階の僕の部屋に行っててくれる? 僕、さっきのお店でテイクアウトしたケーキとか持っていくから」


「あ…別におかまいなく。気にしないでいいから」


そう手を振って断るも、


「いいから、先に二階に上がってて」


と、階段へ背中を押し出されてしまった。


さっきから、何かと彼に丸っきり乗せられてしまってるようにも感じて、


「しょうがないな…」


私はひとり苦笑いを浮かべると、階段を上がって、目の前の部屋の扉を開いた。


室内は、よく片付いていて、勉強をするための机と、そうしてベッドがあるだけの、ごくシンプルな雰囲気だった。


どこで待っていようかとしばらく部屋を見渡していたら、


「お待たせー」


と、トレイを携えた天馬君がやって来た。


「そこ、座っていいよ。ベッドの上」


無造作に指が差される。


「ああ、うん…ありがとう」


他には座るところもないしと思って、言われるままベッドに腰かけると、


彼の方は紅茶セットとケーキ皿の乗ったトレイをベッドに置き、トレイを挟むようにして私の反対側へ座った。

loading

この作品はいかがでしたか?

10

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚