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「あの二人…授業サボる気ですね。」


葛葉に抱えられて飛んでいく叶を廊下の窓から見ているのはグリフィンドール生の剣持刀也。

光に照らされると紫が混じっているように見える髪の毛と、首にかけている逆三角形のネックレスがローブから見え隠れしている。


「いいっすねぇ、俺達もサボっちゃいますか?」


剣持の隣にいるローブも制服も着ないで私服を着ている伏見ガク。

呑気に飛んでいく二人を眺めている。


「”俺達”なんて言ってますけど、周りからは僕が”一人”でサボっているようにしか見られないんですからね。」


剣持はそう吐き捨てて再び廊下を歩きはじめる。

その後に続き伏見も歩く。

伏見ガクはホグワーツの生徒ではない。

そして何故か他の生徒には伏見の姿は見えていない。

剣持が物心ついた時から伏見は剣持の傍にいた。

剣持は自分にしか見えておらず初めは警戒していたが、害を及ぼすことはしないのでそのまま生活を送っていた。

ホグワーツに来てからは伏見の存在が見えている生徒もいるが、伏見の正体はわかっていない。

剣持が子供のころに何故自分のところにいるのかを何度か聞いたことがあったが、何度もはぐらかされてしまっている。

伏見が刀也さんの隣が一番落ち着くとしか言わないので、半分諦めているのだ。


「僕は優等生ですからね。サボりなんてしませんよ。」


ふふんと誇らしげにしている剣持。

伏見はそんな剣持を見て過去に剣持が起こした様々な問題というか出来事を思い出していた。

やられたらやり返す精神の剣持にどれだけ振り回されたかを思い出していくたびに顔色が暗くなる伏見。


「…今、何を考えてるんですか?」


剣持が笑顔で伏見を見つめる。


「いえ、何も考えてないです…。」


何も言えなくなってしまう伏見。


「ふーん、そうですか。さ、授業に行きますよ。」


伏見は目の前を歩く剣持の背中を少しの間見つめていた。


「ガっくん、何してるんですか。行きますよ。」

「…今行くっすよ~。」


剣持には伏見が気づいたときから隣にいた。

剣持にはそれが普通であったかのように伏見が隣にいることが1番しっくりときているのだ。

子供のころにある夢を見た。

魔法を知らない世界で伏見とゲームをしている夢だ。

どこか現実味を帯びていて記憶に残る夢だった。

それは今でも伏見には秘密にしている。

その方がなんとなくいい気がしているから。

教室へ続く廊下を歩く。


カチンっ


突然、ネックレスがぶつかり合うような音がした。

剣持が後ろを振り向くとローブを着ていない剣持と伏見が並んで歩いている光景が一瞬見えた。

剣持にとって懐かしく、その光景をずっと見ていたかった。


「刀也さん?」


伏見に呼ばれ、ハッとする。

どうやら伏見には見えなかったらしい。


「あー、何でもないです。行きましょう。」


剣持の勘が秘密にしなければいけないと告げている。





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クロノワと咎人は一方は覚えている、一方は忘れている設定がいいですね。

クロノワ編で葛葉な羽について触れるのを忘れてました。すみません。

以上余談でした。

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