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???「げぇ〜もうすぐ中間テストじゃねぇか……」???「そうですね。つい最近、進級したのにもうテストですか。早いですね」
???「みんなは勉強してるのか?」
???「こいつ以外は大丈夫でしょ。そうこいつ以外は」
ここは、生徒会室。「瑠璃人」はもうすぐ行われる中間テストに嘆いていた。そして、「橙」、「桃時」、「兎白」もテストに向けて準備をしていた。そんな人たちが心配そうにみつめているのは……
???「小雨丸〜新しい餌だよ〜」
橙「雨花さん……」
みんながみつめていたのは「雨花」だった。
桃時「ちょっとあんた……テストまであと一ヶ月しかないのよ。勉強できてるんでしょうね?」
雨花「ん?一応勉強はしてるよ?」
橙「でもあなたつい最近もサボってましたよね?」
兎白「サボるのは良くないぞ」
雨花に注意する面々。
瑠璃人「もうテストまで少しなのに何でサボれるんだよ……」
雨花「サボりたいから〜」
桃時「でも瑠璃人あんた、勉強苦手そうな雰囲気出してるけど、いっつも三百人中上位五十人の内には入ってるわよね?」
橙「確かに意外です」
瑠璃人「まぁ毎日勉強してるからな」
桃時「マジかあんた勤勉なのね」
兎白「偉いじゃないか」
瑠璃人「まぁあまりにも成績良くないと親が出てくるんで。橙は……心配なさそうだな」
橙「わたしも勉強してますよ。各教科の参考書の内容を丸暗記しました」
桃時「「嘘つき!」って声を大にして言いたいけど、橙の場合、逆に「全然勉強してない」って言った方が「嘘だろ!」ってはっきり言えるから真実味があるわね。」
橙「兎白さんはどうですか?」
兎白「俺はあまり記憶力が良くないから参考書や教科書の書き取りをひたすらやったな」
瑠璃人「ふへ〜やっぱり学年首席たちの言ってることは違うなぁ」
桃時「アタシは数学以外の成績は、全部赤点ギリギリか良くて平均点くらいだから、何だか将来が不安になってきたわね」
雨花「みんな大変だねぇ」
桃時「いやあんたが一番ヤバイのよ」
橙「本当に勉強してるんですか?」
雨花「うん!赤点にならないくらいには!」
瑠璃人「嘘ついてないだろうな」
兎白「無理しない程度にだが頑張った方が良いぞ」
雨花「え、わたし信用なさすぎじゃない?」
各、自分たちなりに勉強に取り組んでいる。
果たして結果はいかに……
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三年生のテスト結果発表
桃時「相変わらず兎白は、首位なのね。すごいじゃない」
兎白「数学ではお前には勝てないな。お前もすごいぞ」
雨花「二人ともすごいね!!」
桃時「あんた……」
「「どうしてあんなにサボってるのに平均点取れてるのよ!!」」
雨花「ん?だから勉強したんだって」
兎白「もしお前が真面目に授業に出ていたら、かなり上位狙えるんじゃないか?」
雨花「わたしは真面目に「学校生活」なんてものに取り組むつもりはないよ」
雨花は、微笑む。
その笑顔はどこか何かを諦めてるようなから笑いだった。
桃時「まぁ良いわ。橙たちの成績もみに行きましょ?」
雨花「何となく結果は分かるけどね。あはは」
兎白「行ってみるか」
二年生のテスト結果発表
橙「よし……ちゃんと首席になれてる。良かった」
瑠璃人「すごいな!!橙!!」
橙「あなたも上位五十人に入れてるじゃないですか。偉いですね」
瑠璃人「ははっ!ありがとう!」
「あの子でしょ?あの首席の子」「あの子の親めっちゃやばいんでしょ?」「あの子も良くないんじゃない?ほら蛙の子は蛙って言うし」「近づかない方が良いよ」
瑠璃人「なっ!おい!おまe……」
橙「大丈夫です。慣れっこなので」
私は首席を取り続けなくちゃいけない
一体いつあの人が私に近づいてくるか
《……良い?橙、絶対いつか思い知らせてやるから》
……分からないから
もしあの人たちに あんなことされたら
瑠璃人「でも……」
「「ねぇ君たち」」
「え?」
橙「あなたたちは……!」
橙たちの目の前にいたのは、雨花、桃時、兎白だった。
雨花「蛙の子は蛙?それほど人と遠いことわざは無いね。親は一人の人間で、子供も一人の人間。意志も考え方も性格も何もかも違う。親と子供なんて血が繋がってるだけの他人だよ。でもそういう考えがあることは否定しないよ。そういうこともあるからね。でも、必ずしもそうってわけじゃない。橙ちゃんに無理やり自分たちの考えを合わせない方が良いよ。お互いのためにも……ね?」
雨花がニコッと笑うと、「ひぃ」と声を上げて橙について話していた女子たちは行ってしまった。
桃時「あんた、自分が「黒い彼岸花」と言われていたこと忘れてるわよ」
兎白「言ってくれてありがとう。雨花。橙たち大丈夫か?」
瑠璃人「オレは大丈夫っす!雨花が言わなかったらオレが言ってたすよ」
橙「雨花さん」
雨花「ん?なぁに?」
橙「ありがとうございます。私のために」
雨花「ん?橙ちゃんのためじゃないよ?」
瑠璃人「じゃあ何のために?」
雨花「わたしを見て恐がる姿を見たくなっただけ〜」
桃時「何よそれ〜」
瑠璃人「やっぱりお前変なやつだわ」
兎白「それが雨花だ」
雨花「いやぁ〜それほどでも〜」
橙「…………ふふっ」
先程の言葉が本心であれ
あんな言葉は
言って貰えることは
そう
ないですね
桃時「じゃあそろそろ戻りましょ」
兎白「そうだな」
雨花「じゃあね!また放課後!」
雨花、桃時、兎白は、三年生のフロアへ移動した。
瑠璃人「じゃあオレたちもクラスに戻ろうぜ」
橙「はい」
外は少し暑く、汗が太陽に照らされ輝くほど綺麗な快晴だった。
晴れた風が橙の体に通り抜けて、橙は振り返ると笑みを浮かべた。