テラーノベル
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皐月side
グイグイ引っ張って知らない場所へ連れてかれるのに恐怖を感じた俺は
皐月『ちょっ!ちょっと待てって!』
男の俺が引っ張っても椿は止まらない。
ど、どうなってんだよ!?
皐月『…ッ!椿っ!』
椿「なぁに?やっと呼んでくれたわね名前!」
皐月『…へ?』
椿「もー、折角アタシ名乗ったのにぜんっぜん名前呼んでくれないから…、ちょっと意地悪しちゃったわね、ごめんなさい。」
椿はバツが悪そうに謝罪をした。
皐月『いや、悪いのは俺だろ…、ごめん。』
椿「うふふ!やぁね!でもこれでアタシたちはお友達ね!それに多分勘違いしてるかもだけど…、アタシ皐月と同じモノ付いてるわよ♡」
皐月『……は?』
こ、こんな綺麗な人が…お、男??嘘だろ!?
皐月『え、エイプリルフールは…過ぎましたけど…?』
椿「あははっ!皐月って案外天然さんなのね!可愛らしいわ〜!」
皐月『だ!だって!こ、こんな綺麗な人みたら女性だと思うだろ!?肌だって整ってるし…髪だってツヤツヤ…だし、それに…それに…。』
椿「?どうしたの?」
ボソッ
皐月『……、母さんみたいに強くて優しいのそっくりだから…。』
椿side
皐月の口から小さく聞こえた独り言のような言葉に息を飲んだ。
梅から聞いてた…、皐月は両親を事故で亡くして一人ぼっちになっちゃったこと、高校も行かないこと、何より、それまでに頼る人間が居なかったこと……。
皐月はずっと両親が恋しいのね…、いないと分かっててもどこか探してしまうくらい…とても大切で幸せだったでしょうに…。
アタシ達が皐月の周りに居て、頼ってくれるような存在にならなきゃダメね!
椿「…、皐月お腹減ってない?」
皐月『は?べ、別n(グゥ〜)……///』
椿「お腹が減るってことは健康の証よ!アタシが働いてる店にいらっしゃい!ご馳走してあげる!」
皐月『…何でそこまでするんだよ…、俺は風鈴じゃねぇし…。』
椿「風鈴は皐月に感謝をしてるのよ、他所から来たのに町を守ってくれる、もう一人話では聞いたけどまだ会ったことないからアタシは分かんないけど、でも皆が感謝をしてる、皐月はその分受け取っていいはずよ?アタシが言うんだから!」
皐月side
何で風鈴の奴らはこうも世話焼きばっかなんだよ……。
一緒に居て本当グチャグチャにされる感覚だ…。
俺の気持ちが、心が……、どんどん分からなくなる…。
でも…、風鈴の奴らが眩しく思える、周りを見て、対面して、話をしてくる…。
困ってるヤツらを真っ直ぐな目で見て、話て…、困ってるヤツらの為に自分らが何が出来るか、何が出来そうか…。
あぁ、そうか、そうだったんだ。
俺はアイツらと対面して怖気付いたんだ…。
弱ってく俺を、いつか捨てるんじゃないかって…。
対面して話て…荷物だと思われたくなかったんだ…。
あーあ、本当どこまでもクソだよな…、勝手に決めつけて離れて…くっそダリィ。
俺は逃げ続けてたんだよな、アイツらは真っ直ぐ俺の、俺自身を見て受け入れてくれたのに…拒否をしてたのは俺だ…。
心にストンっと当てはまった…まるでテトリスの様なグチャグチャな盤面でもそれを全て埋まるように…、納得した。
椿「…ふふっ!ちゃんと答えわかったんじゃない!」
皐月『…うん、変に納得した…気がする。』
椿「気がしたんじゃないのよ、確かにまだ確信がもてたわけじゃないわ、でもその思いや気持ちに皐月が向き合わなきゃダメなのよ?」
皐月『…うん。』
椿「だから…、今日はアタシの仕事場でお話しましょ!」
皐月『えっ!?ここは普通話に行けとかじゃねぇの!?』
椿「もー、折角風鈴を助けてくれてた人が居るならアタシは帰す気ないし、梅にも渡したくないわ!アタシは皐月とお話したいの!」
た、助けてくれたし…確かに今アイツらと会っても気まずいしな…。
皐月『わかった、じゃあ頼もうかな。椿ちゃん?』
俺がそう言うと椿は
椿「勿論よッ!アタシが絶対退屈させないわ!!皐月は絶対タラシね!絶対!間違いないわ!アタシが梅以外に恋する訳ないのにッ!何でこうも心に刺さるのよ!!あーん!もう選べないわよ〜!!」
え?これ俺が悪いの…?
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