霧の濃い_
深い深い森の奥_
少年の前に突然現れた白い小屋_
その中にはとても美しい少女がいた_
どこか儚く、大切な人をなくした
悲しみを纏っているような雰囲気を放つ少女_
少女は少年に沢山のことを教えてくれた
世界の大きさ
木々の美しさ
生命の神秘_
「なんでそんなに森に詳しいんだい?」
少年は尋ねた_
少女は言った_
「何年もここにいるもの
嫌でも覚えてしまうわ。」
少年は少女に惹き込まれていった_
数年経ち少年は青年になっていた_
少女はあの日と変わらず
とても美しいままだった_
青年は言った_
「相変わらず君は美しいままだ。」
「女性はいつまでも綺麗でいなくちゃ
あなたに嫌われないように」
少女は微笑んだ_
青年と少女は恋に落ち
愛し合う喜びを感じながら幸せに暮らしていた_
それからまた数年_
青年は老人になった_
少女はまだあのときの少女のまま_
空に手を伸ばし少女は言った_
「月が綺麗ね。」
「あぁ…まるで君のようにね。」
老人はそう微笑みながら息を引き取った_
少女は泣き崩れた_
自分が成長出来ないことが憎かった_
何回目だろう…こんな思いをするのは_
何人目だろう…彼は_
時はおとぎ話のように
あっという間に過ぎていった_
幾千
幾万
幾億
どれくらい時が経っただろうか_
また小屋の外で足音がする_
「綺麗なお嬢さん、こんにちは
少し道に迷ってしまってね」
見知らぬ少年はそう言った_
…あぁまた始まる_
新しい物語が_
コメント
1件
いやいやすごくね!? 普通にすごい、てかすごいしか言えない(いい意味で)