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#青春恋愛
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夏希(なつき)
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奇蹟あい
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土曜日。
朝九時。
駅前。
「玲くーん!」
「おはよう」
「おはよう!」
星羅が駆け寄ってくる。
今日は私服。
昨日までとは違う。
今日は――。
彼氏との休日。
「待った?」
「今来たところ」
「よかった♪」
星羅は玲の隣に並ぶ。
「今日はどこ行く?」
「星羅が決めたんだろ」
「うん!」
今日の予定は。
ショッピング。
映画。
カフェ。
そして――。
「最後に夜景!」
「結構あるな」
「彼氏との初デートだから!」
「……」
玲は少し照れる。
「じゃあ行くか」
「うん!」
二人は歩き始める。
ショッピングモール。
「玲くん、これどう?」
星羅が服を見せる。
「似合う」
「……!」
「どうした?」
「もう一回言って」
「似合う」
「……ふふ」
星羅は嬉しそうに笑う。
「彼氏に褒められるの、最高……」
次はアクセサリー。
「これ!」
星羅が一つのブレスレットを手に取る。
「可愛い」
「うん」
そして。
もう一つ。
「こっちは?」
「それもいい」
「じゃあ……」
星羅は二つを見比べる。
「こっちにする」
「決めるの早いな」
「だって」
星羅は笑う。
「玲くんが選んでくれたから」
「……」
会計を済ませる。
店を出たところで。
「はい」
星羅が袋からブレスレットを出す。
「玲くん」
「?」
「これ、つけて」
「俺が?」
「うん」
玲はブレスレットを受け取る。
星羅の手首につける。
「……できた」
「ありがとう」
星羅は嬉しそうに眺める。
「これ、ずっとつける」
「学校では外せよ」
「……分かってる」
「バレるだろ」
「うん」
少し残念そう。
「でも、帰ったらすぐつける」
「好きにしろ」
「ふふっ」
映画館。
二人で並んで座る。
暗くなる。
映画が始まる。
しばらくして。
星羅の手が。
そっと玲の手に触れる。
「……」
指先。
少しだけ。
そして。
ぎゅっ。
玲も握り返す。
「……!」
星羅はスクリーンを見ながら。
顔を真っ赤にしていた。
――幸せ。
映画の内容なんて。
ほとんど頭に入らない。
隣に玲がいる。
それだけでいい。
映画が終わる。
「面白かった?」
「……うん」
「星羅?」
「玲くんの手、ずっと気になってた」
「……」
「映画、半分くらいしか見てない」
「それはもったいないな」
「だって……」
星羅は笑う。
「好きな人が隣にいるんだもん」
夕方。
カフェ。
「何飲む?」
「カフェラテ」
「じゃあ俺も」
二人で注文する。
席に座る。
「……」
星羅は玲をじっと見ている。
「何?」
「彼氏」
「それさっきから言ってるな」
「だって嬉しいんだもん」
星羅は笑う。
「ねえ」
「ん?」
「私のこと、本当に好き?」
「ああ」
「どれくらい?」
「……結構」
「ざっくり!」
星羅は頬を膨らませる。
「じゃあ……」
玲が少し考える。
「毎日会いたいくらい」
「……!」
星羅が固まる。
「……それ、本当?」
「ああ」
星羅は顔を隠す。
「……もう無理」
「何が?」
「嬉しすぎる」
そのとき。
「……あれ?」
後ろから声がした。
二人が振り返る。
「天城さん?」
「……!」
同じ学校の女子生徒だった。
「やっぱり天城さんだ!」
「あ……うん」
「休日に誰かと一緒なんだ」
女子生徒が玲を見る。
「もしかして彼氏?」
「……!」
星羅の顔が真っ赤になる。
「えっと……」
玲は何も言わない。
女子生徒が笑う。
「へえー!」
「……」
星羅は玲の腕にそっと手を回す。
「そうだよ」
「えっ?」
「私の彼氏」
はっきりと言う。
女子生徒は驚く。
「本当に!?」
「うん」
「いつから!?」
「最近」
「へえ……」
女子生徒は少し興味深そうに二人を見る。
そして。
「……でも、なんか見たことある気がする」
「……!」
星羅の表情が一瞬だけ固まる。
「どこかで見たような……」
「気のせいじゃない?」
玲が言う。
「そうかな……」
女子生徒は少し考えたあと。
「じゃあ、また学校でね!」
「うん!」
女子生徒が去っていく。
星羅はしばらく黙っていた。
「……大丈夫か?」
「うん」
星羅は笑う。
「大丈夫」
でも。
心臓は激しく鳴っていた。
――もし。
もしセラだと気づかれたら。
学校中に知られる。
玲との関係も。
自分が星乃セラであることも。
全部。
「……」
星羅は玲の腕を強く抱く。
「玲くん」
「ん?」
「これからも」
「?」
「私の秘密、守ってね」
「ああ」
「……絶対だよ?」
「分かってる」
「ありがとう」
夜。
高台。
二人で夜景を見る。
「綺麗……」
「ああ」
星羅は玲の隣に座る。
「今日ね」
「ん?」
「すごく幸せだった」
「俺も」
「……」
星羅は玲の肩に頭を乗せる。
「この時間、ずっと続けばいいのに」
「そうだな」
「……玲くん」
「ん?」
「私、玲くんの彼女になれてよかった」
「俺も」
「……」
星羅は目を閉じる。
「絶対に大切にする」
優しい声。
「玲くんのこと」
そして。
胸の奥で。
別の言葉を続ける。
――絶対に誰にも渡さない。
星羅は夜景を見つめる。
そして。
玲の手を強く握った。
コメント
1件
きゃー!初デート尊すぎます…!!✨ 映画館で手を繋ぐところ、画面越しに私まで顔真っ赤になりました😳💕 カフェで同級生に会って「私の彼氏」ってはっきり言っちゃう星羅ちゃん、勇気ありすぎ!でもその後の「見たことある気がする」で心臓止まるかと思った…。最後の夜景の中の「絶対に誰にも渡さない」、その裏の顔とのギャップに持っていかれます。続きが気になりすぎる…!😭💘