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その時、ヘレンの肩を誰かが後ろから掴んだ。
ヘレンは「ヒッ」と、小さな悲鳴と共に心臓を握られたかのように動けなくなった。
「ヘレン? ……大丈夫かい?」
「モート……?」
その声はモートだった。ヘレンは嬉しくなって、振り向くとモートに抱き着いた。
派手な靴音が近づいてくる。
「ヘレン。少しここで待っててくれ……」
「ええ。相手は多分、アンデッドよ。気をつけて……」
モートが銀の大鎌を持ち、厨房のドアを閉じた。外の廊下から激しい戦いの音がする。ヘレンは目を閉じて静かにしていた。
しばらくすると、濁った血液で黒いロングコートを盛大に汚したモートがドアを開けた。
「終わったよ」
「ああ、モート……」