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美虹「それで?フウちゃんって誰なの?」
雑誌記者として働いている快晴と美虹。職場のビル近くにある喫茶店に入り、快晴の知り合いの『フウちゃん』と言う人物を待っていた。
快晴「フウちゃんは、僕の幼馴染みです」
美虹「あらそうなの?女の子?」
快晴「いえ、男です」
美虹「名前は聞いてもいいかしら?」
快晴「轟雷風太なのでフウちゃんです」
美虹「あだ名可愛いけど名前聞いたら厳ついわね」
快晴「確かにフウちゃんはどっちかって言えば厳つい方ですね」
美虹「外見は厳ついの?」
快晴「多分」
美虹「多分…って」
快晴「フウちゃんの外見を気にした事が無いので何とも…」
美虹「なるほどね」
美虹はそう言いながら、抹茶パフェを一口食べる。そして、快晴もブラックコーヒーを飲んでいたその時、「おい!!」と男の声がした。
美虹と快晴が声のした方を見てみると、身長182cmはある体躯の良い、浅黒い肌の厳つい男性がいた。
快晴「遅いでフウちゃん」
風太「急に呼んどいて遅いって何どいお前!!」
ブラックコーヒーを飲みながら、風太に毒を吐いている快晴。風太は右頬に青筋を浮かばせて、関西弁で怒っていた。
快晴「先輩、フウちゃんです」
美虹「轟雷さんね?お話はさっき快晴君から聞いたわ」
美虹が微笑むと、風太は思わず見蕩れてしまっていた。
風太「……快晴お前、いつからこんな別嬪さんと付きおうてん?」
快晴「職場の先輩」
風太「ほぉか。あ、えっと…初めまして…。轟雷です」
快晴「さっき言うたから」
風太「いや改めて挨拶してんねや!てか俺、もしかしてこの別嬪さんに呼ばれた?」
快晴「何言うてんの?フウちゃんは僕の護衛やって」
風太「またかい!!」
美虹「……もしかして、轟雷さんは何か武道でも?」
快晴「空手と柔道」
美虹「あら強そう」
美虹が微笑むと、風太は頬を朱に染めて鼻の下を伸ばしていた。風太は快晴とは違い、顔に出易い性格のようだった。
美虹「フフ、轟雷さんは隠し事は出来なさそうな人ね」
風太「そんな事無いです……///」
快晴「そんな事あるんですよ」
頬を朱に染めて鼻の下を伸ばしながら否定する風太。そんな風太の言葉を静かに零すように否定する快晴。
快晴「フウちゃん。雨戸先輩とデートしたいんやったらしてええよ。僕の事護ってからでええなら」
風太「お前と別嬪さんどっちか護らなあかん……ってなったら別嬪さん選ぶわ」
快晴「サイテー」
美虹「あら嬉しい♡」
風太が正直に言うと、快晴は抑揚のない言葉で短く言って、美虹は甘い声で風太に向かってそう言った。
快晴「フウちゃんそんな悪い子やったんや」
店員「お待たせしましたぁ!お持ち帰りのホットケーキ三つです!」
快晴がそう言った直後、タイミング良くホットケーキが三つ入っていると思われる深緑色の紙袋が来た。店員は快晴が座っている前に置いて、そのまま足速に去っていった。
風太「ホットケーキ…!?
店員が去ったあと、風太はホットケーキが入っているであろう紙袋に目を移した。
快晴「あーあ。せっかくフウちゃんの為にホットケーキ三つ買うたのになぁ…。残念やなぁ」
風太「ぐッ…!」
美虹「(轟雷さんはホットケーキ好きなのね)」
快晴は抑揚の無い声色、あまり変わらない表情で風太を見上げると、風太は何か耐えるような苦々しい顔をした。そんな風太を見て、美虹は口元を緩ませ、「風太の好物がホットケーキ」と見抜いた。
快晴「僕こんなデカイホットケーキ三つも食えへんわ。先輩、二つ半いります?」
美虹「一個でいいかなぁ」
快晴「分かりました。あとは僕がフウちゃんの家族に……」
「送っておきます」と言葉にしようとする前に、快晴の目の前を逞しい男の腕が伸びた。骨ばった男らしい風太の手がホットケーキが三つ入っている紙袋を掴み、そのまま自分の方へ引き寄せた。
そのあと、風太は紙袋からホットケーキが入ったケーキ用の箱を取り出して、そのまま開封した。中にあるホットケーキを取り出して、シロップをかけて手で食べる。
快晴「行儀悪いで」
快晴が静かに指摘するが、風太は快晴の横に座ってそのまま手で三枚のホットケーキをペロリと食べてしまった。
風太「話聞いたろぉやないかい」
風太が低い声で言いながら、快晴に向かって鋭い眼光を飛ばす。
快晴「口周り付いとるで」
快晴が静かに言うと、風太は紙袋の中に入っている白いナプキンを三枚取り出して豪快に拭った。
快晴「お前口周り付けて可愛いんわ可愛い女の子だけやで?」
風太「可愛い狙てへんわ!!」
美虹「それじゃぁ私がやったら可愛いんじゃ?」
快晴「先輩綺麗系ですからアウトッス」
風太「アホかお前!別嬪さんは何やらせても許せるやろがい!!」
快晴「言うとれお前。ハァ、フウちゃん。僕と先輩今からナゴミヤ旅館に行くねん、つきおうてや」
風太「ホットケーキ三枚くれた時点で俺断る権利無いやろ?」
快晴「おん」
風太「ハァ…。しゃーないな」
快晴「恩に着るわフウちゃん。って事で先輩、フウちゃんも旅館に行くッス」
美虹「わかったわ!」
快晴、美虹、風太は喫茶店から出て、ナゴミヤ旅館へと向かった。
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桜丸
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