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 ピーピーピー。


(魔王さま、どうなされましたか)

(マレンツが迷宮都市を出ていったわ)

(それはおめでとうございます)

(めでたく無いわ、王府がマレンツを迷宮都市の領主にしたわ)

(それはまた、王府も思い切った事をしましたな)

(一時的に迷宮都市を離れただけで、ほどなくして戻ってくるわ)

(悩ましい事ですな、暗殺者を送りますか)


 少しの間。


(いえ、暗殺者はいいわ、その替わり迷宮探索に長けた者を三人ほど迷宮都市によこして)

(おお、最深部へアタックを決心なさいましたか)

(ええ、マレンツが都市を離れている間になんとか攻略をしてしまうわ)

(それはようございますな。選りすぐりの者を三人お送りいたしましょう)

(施設はメンテナンスしなくては駄目って思い知ったわ)

(百年ごとぐらいで点検をすべきですな)

(まったくだわ)


(しかし、マレンツは最深部に到達できましょうか? ただの人間なのでしょう?)

(解らないわ、私でも到達出来ないほどの迷宮最深部、でも、マレンツならば到達するような予感がするのよ)

(まさか、勇者パーティでも撃退できるように設計しておりますぞ)

(嫌な予感がするのよ。それで私の嫌な予感はあたる事が多いわ)

(確かに、早急に手を打つべきですね)


(迷宮の最下層の資料はそちらにあるかしら)

(いえ、魔王城にはございませぬ。迷宮の各種資料はアマーリエの最深部ですな)

(どうしてあちこちに資料を散らばせたかしらね、三千年前の私は)

(浮かれておられましたね)

(アレの性能とかは?)

(アレの資料はメルキルでございますな)

(悲しくなっちゃうわね)

(ゼラビスは最後に出来た迷宮ですからな)

(良く無いハッスルをしたわねえ)

(関係資料があったら、ゼラビスに来る三人に持たせておいてね)

(かしこまりました)


 ブツリ。


 魔王レティシアはため息をついて通信を切った。

 窓の無い白い部屋であった。

 部屋の隅のソファーではキアラが寝ていた。


「マレンツ博士が迷宮探索を再開するのに、最短で一年か。なんとかして先手をとらないとね」


 魔王レティシアが独り言をつぶやくとキアラが返事をするようにむにゃむにゃと言った。


(了)

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