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番外編9 『幼児化執事(見た目めちゃ子供、中身大人)』After story
みんなが幼児化から戻ったその翌日のこと。
『な、なにこれー!!!』
バタンっ!!
『如何なさいましたか!』
私の叫び声を聞き、ベリアンが私の部屋に駆けつける。
『べ、ベリアン…。』
(あ、やばい。小さくなって服のサイズが合わないから…今裸…。)
私は毛布をかける。
『あ、主様、ですか?なんで子供に…。』
『ま、まって、今こっち来たらダメ。』
『え?あ…っ。ふ、フルーレ君を呼んできます。あの、今はこれを…』
ベリアンは顔を赤く染め、私にシャツを渡す。
『あ、ありがとう。』
(ベリアンのかな……ブカブカ…ふふっ。)
数時間後――。
私の部屋にベリアンとフルーレ、ルカスが集まる。
『ごめんねフルーレ、急に作ってもらって。』
『いえいえ。大丈夫です。でもどうして子供に?』
『分からない…朝起きたらこうなってたの。』
『身体に何か異常はありますか?』
『ううん。子供になった以外はなにも…。』
『うーん、困りましたね…。』
『でも、俺達も次の日になったら元に戻ってましたし、もしかしたら戻るかもしれませんよ。』
『確かにそうだね。今日一日は様子を見ましょう。』
『うん。ありがとう。』
(それにしても子供の主様…。)
(可愛いです。)
『可愛いです。』
『ベリアン、声に出てる。』
『( ´꒳`)アッ…』
食堂にて。
『もぐもぐっΨ( ‘ч’ ☆)』
『美味しいですか?主様。』
『うん!』
『デザートもあるぞ。』
『ちいせぇ身体でよく食うな…。』
『って、え、それ主様なんすか?』
『えぇ!そうなの?』
『お前ら見て分からねぇのか。どう見ても主様だろ。』
『いや、確かに似てるなとは思ったっすけど。』
『ボスキ少しは戸惑うだろう。なんで平常心でいられるんだ。』
『ご馳走様でした!』
『主様。口元についてます。』
ヒョイッ
俺は主様を抱っこして口元を拭く。
『お前も順応してんじゃねぇか。』
『Σ(゚ロ゚;)す、すみません。トリシアを抱っこした時の癖が…』
『大丈夫だよ(^^)』
(お優しい…主様だ…。)
『えぇ!主様が子供に!?』
階段からラムリの声がする。
バタバタッ…!
『えー!小さーい!可愛いですね!』
『待ちなさい!ラムリ!』
『どうして小さくなっちゃったんですか?可愛いけど…』
『起きたらこうなってたそうだ。理由は分からないがな。』
『俺達が子供になった時と同じだな。』
『でも今日一日はこのままなんですよね?それなら子供のうちに出来ることしましょうよ!』
『なんすかそれ?』
『鬼ごっことかかくれんぼだよ!』
『くだらねぇな。俺はやらねぇ。』
『ボスノリ悪ー!』
私たちは庭に出て遊ぶことになった。
『これが主様か?随分可愛くなったなぁ。』
『えぇ、ほんとに可愛らしいです。』
ユーハンは私の前にしゃがみ込む。
『これからなにかするんですか?』
『鬼ごっこするみたいだよ。』
『ふん、我はやらん。』
シロは別邸へ戻る。
『全くあいつは……。』
こうして私達は鬼ごっこすることに。
『僕が鬼だよー!みんな逃げてねー!』
『俺と一緒に逃げましょう主様!』
『うん!』
私はテディの手を握る。
『ふふ、主様楽しそうだね。』
『えぇ。』
3階執事部屋から主様を見守っていた。
『子供になった件について…今ナック君とフェネス君が書庫で調べてくれています。何か理由が分かるといいのですが……。』
『はぁ、はぁ…!』
『ハナマルさんもうバテてるんですか?』
『お前ら俺との年の差考えろよ!』
『おやおや、それは失礼致しました。』
『主様、次は何しますか?』
『かくれんぼしたいな。』
『分かりました。では次は私が鬼になりますね。』
『ラトっちが鬼ならすぐ見つかっちゃいそう。』
私はテディと草の影に隠れる。
『しーですよ。主様。』
『うんっ。』
『ラムリ君。見つけました。』
『うげっ。』
木に登ろうとするラムリ君を見つける。
『後は主様とテディさんだけですね。』
『どこに隠れたんだろ。』
『そうですね…。あ、あっちから音がします。』
こうして遊びは白熱し、気付けば時間は過ぎて――。
『_( ¯꒳¯ _ )ウトウト』
主様はウトウトしていた。
『主様、おねむなんじゃない?』
『眠くないよ!』
『ほんとに〜?』
『ホントだよ!』
『眠そうにしてるけどなぁ…』
俺は主様を抱っこした。
『すぅ、すぅ…』
『なるほど、寝てしまわれたんですね。』
『あんだけ遊んだら遊び疲れるのも無理はない。主様を部屋まで運んでやってくれ。』
『はい。分かりました。』
『おやすみなさい。主様。』
私は主様をベットに寝かせる。
次の日――。
『ん?あ!戻ってる!って、服破けてる!』
ガチャ
『主様、おはようございま――』
『見て、ベリアンもどった!』
『( ˙-˙ )』
『きゃぁぁぁぁ!!』
『えっ!?』
『主様!?』
バタバタッ!
『主様!失礼します!』
『ルカス!ベリアンが!』
ベリアンが血を流して倒れていた。
『致死量っ!!急いで輸血しないと!フルーレ君!主様に服を!』
その後ベリアンは部屋で安静にしていた。
だがしばらく私とベリアンは目を合わせられなかった。
次回は番外編10のAfter story!
コメント
2件
最高.ᐟ .ᐟ.ᐟ .ᐟ