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にゅうひん☆
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唇が触れ合うと、ふわりと甘い香りがした。
さっき食べたプリンの残り香だったかもしれない。
軽い唇を合わせるだけのキスを繰り返した後、岩本が鼻先を突き合わせて阿部を見つめると、彼は照れくさそうに目を伏せた。
「…なに?」
ぶっきらぼうに阿部は尋ねる。
早くすれば、と素っ気なく、しかし明らかに赤面して呟かれ、岩本は思わず吹き出した。
「早くしたいって、素直に言えば?」
Tシャツを脱ぎながら岩本が言う。
「ば…っか、違うっ!」
阿部は狼狽えたように、声を上げる。岩本は、はいはい、と笑いながら流して、ベルトを外した。
「したがってるのは、ひかるじゃん!」
「そうだよ?」
阿部の言葉に素直に認める。
「言ったじゃん。美味しくいただくって。阿部は?したくないの?」
尋ねると阿部は一瞬、言葉に詰まった。岩本は自分のスラックスを脱ぎながら、どうすんの?と、選択を迫る。
「………しても!いいけど!?」
照れから何故かキレる阿部に、岩本は声を上げて笑った。
「素直じゃなーい」
下着も脱ぎ捨て、再び阿部に迫る。阿部のTシャツに手をかけると、問答無用で一気に脱がせた。
Tシャツを放り投げ、そのまま阿部をベッドに沈める。
「人の服、投げんなっ」
「お。まーだ言うか」
文句を言う阿部を軽くいなし、彼のベルトを緩めにかかる。
これだけキレたり文句を言ったりしていても、彼はされるがまま、次を待っている。
身体からふわりと石鹸の香りがするのにも、岩本は気づいていた。仕事終わりに来たと言いつつ、一旦自宅に寄ってシャワーを浴びて、一式服を着替えてきたのだろう。
口では色々言うが、結局は阿部も『そういうつもり』で来ているのだ。なので岩本は、阿部の拒否も上から目線の物言いも、すでにプレイの一環として捉えていた。
現に阿部は裸にされても、何も言わなかった。なんならスラックスを脱がせやすいように、脚を上げすらした。
岩本は苦笑して、それからぴたりと閉じられた脚を割り開こうと、立てられた膝に手をかけた。
「なっ!?キ、スくらいしろよっ!」
阿部がさらに固く脚を閉じ、上擦った声で言った。堪えきれず、岩本は声を上げて笑う。
「キスしたかったんだ」
足元から這い上がって阿部を見下ろす。
気恥ずかしそうに目を伏せる阿部に、岩本は口付けた。
さっきまでの軽いキスとは違う、熱を含んだ深いキス。
「ん…ッ」
漏れ出る阿部の吐息を吸い込むように、岩本は角度を変え何度も唇を喰んだ。
強引に舌を割り込ませると、阿部は一瞬身体を反応させたが、素直に口内を開き、岩本の首に腕を投げかけた。岩本の舌が絡みつくたび、阿部は掠れた声を漏らし、首に回した腕に力を込めた。
口内をすみずみまで乱暴かつ丁寧に愛撫され、頭の中が白く痺れていく。
「っ…ん、ぁ、ひ…かる」
息が続かなくなり、阿部が浅く息を吐いて、岩本の胸を軽く叩いた。
岩本は一度唇を離す。
阿部は荒い呼吸をしながら、ぼやけた視線で岩本を見上げた。
「ホント、口は素直じゃないくせに、身体は正直だよな」
岩本が言うと、潤んだ目で阿部は彼を睨む。そんな阿部の視線に淡く微笑み、岩本は指を脇腹から腰骨に滑らせた。
阿部がビクッと身体を震わせる。
耳たぶを甘く喰み、鎖骨を唇でなぞりながら、ゆっくりした動きで、内腿を撫でた。
「…阿部、良い匂いする」
岩本が、胸元で低く囁く。『準備』して来たことを暗に指摘されたのに気付き、阿部は恥ずかしそうに唇を噛んだ。
内腿を撫でる岩本の長い指が、ぴたりと合わさったままの阿部の膝の隙間に差し入れられる。
そっと力を掛けると、拒まれることなくゆっくりと左右に開かれた。
じりじりと指が内腿を這い、一番熱を孕んだ場所へ近づいていく。触れるか触れないかの絶妙な力加減で。
「…っ、ひかる、焦らさないで…」
もどかしげに阿部が言う。
「ん?なに?」
とぼけたように岩本は囁く。そして無防備な胸の先端に吸い付いた。
「んあっ」
突然の刺激に甘い声が漏れる。強めに吸って、歯を立てると、阿部は堪らず背を反らした。
「ぁ、や…っ、んぅっ」
相変わらず指は内腿を彷徨っている。求める場所に到達しない。
「…良い顔になった」
岩本は顔を上げ、上気した阿部の顔を見つめて笑った。呼吸を乱しながら、阿部は潤んだ瞳で訴えるように岩本を見る。
もう強がりも出てこない。ただの従順な快楽の虜がそこにいた。
「相変わらず、可愛いな」
独占欲が満たされるのを感じながら、岩本は指先にローションを馴染ませると、阿部の窄まりへそっとあてがった。
思いの外、スムーズに指が飲み込まれていく。
「はぁ…っ、ふ、」
阿部が身を震わせ息を吐く。
熱い腔内は岩本を待ち望んでいたかのように、キュッと指を締め付けてきた。身体が悦んでるのがわかる。
「指が入って、嬉しいね。すごい締め付けてくる」
「違っ、そういうんじゃ、なっ、い」
囁かれて阿部は、真っ赤になって否定する。しかし内壁は、指をさらに締め付けていた。
阿部の腔内を探る。ゆっくりといつものポイントへ近づく。奥の熱い頂点を掠めると、阿部の腰が反った。
「あっ、そこ…ッ」
指の動きに合わせて嬌声が溢れる。
「んんっ、は…っ、あ、ん、ナカ、きもちィ…ひかるの指、すき…っ」
ビクビクと身体を小さく震わせて、阿部はうわ言のように呟いた。
その顔は、完全に蕩けている。
岩本はちょっと笑って、指をもう一本挿入すると、同時に緩く勃ち上がった阿部の自身に舌を這わせた。
「ッ!?」
前と後ろからの刺激に、阿部が声もなく身を捩った。
「あ、やっ、ダメっ、両方はっ、ダメなの…ぉ…ッ」
混乱した様子で阿部は手を彷徨わせる。
「ひかっ、あっ、待っ…」
「待つ必要ないでしょ。気持ちいいんなら」
岩本は淡々と言って、裏筋を舌先で繰り返し刺激する。亀頭に吸い付くと、それは一層硬さを増した。
生温かい舌に弄ばれ、指で前立腺を攻め立てられ、阿部は完全に混乱していた。快感の波が次々押し寄せ、腹の奥から迫り上がってくるものを感じる。
「はあ…ッ、ん、イク、もう、イっちゃう…っ、ひかるっ」
半泣きになりながら阿部は、岩本の名前を繰り返す。そして喉を反らし、身体を引き攣らせると、大量に射精した。
「あ…ん、は…っ」
「いっぱい出たね。良かった」
岩本の声を遠くに聞きながら、阿部はのろのろと身体を起こすと、岩本の足の方へ這い寄った。
「…おれもっ、ひかるの、する」
完全に発情した顔をして、岩本を押し倒そうとする。岩本は、後ろに手をついて押し止まると、あぐらをかいて座り直した。
阿部は躊躇うことなく、むしろ嬉しそうに脚の間に顔を埋めた。
岩本は、一心不乱に口淫する阿部の髪を撫でる。
(やば…可愛すぎる)
口いっぱいに自身を頬張って、口の端から涎を溢して、熱っぽい潤んだ瞳で上目遣いに見つめてくる阿部は、ギャップの塊で堪らなく愛おしい。岩本は容易く反応してしまい、それは痛いくらいになった。
「…もういいよ」
岩本が呼吸を乱しながら言った。阿部はゆっくり身体を離す。期待してる顔で。
岩本は阿部をシーツに沈めると、脚の間に身体を割り込ませた。
細い腰を掴むと、熱い質量をあてがい、一気に奥まで挿入した。
「っ…あ」
阿部が深く息を吐く。
彼の中は熱く湿って、肉壁がキュウキュウと纏わりついて、口の比じゃないほど気持ちよかった。
岩本は最初から、急ピッチで腰を使い出す。
「あ゛っ、は、やい…っ、ひかっ、」
阿部が背中に腕を回し、抱きついてきた。岩本は身体を密着させるようにして、さらに深いところに入り込む。
「んあっ、は、おくっ…ぅ」
阿部は甘い声を上げ、恍惚として身を震わせた。
「は…ぅ、…っき、すき…っ、ひかる」
激しく奥を突かれながら、阿部は熱に浮かされたように、好きと繰り返し出した。
好き好きモードにスイッチが入ったな、と岩本は思った。
セックスが佳境に入ると、阿部の感情の堰は壊れる。甘い声で好きと想いを吐露し、昇り詰めていくのだ。
「んっ、あ、ふ、すきっ、だいすきぃ…っ」
あれだけ強がりを言っていたのにこれだ。
だが、岩本はこの『好き好きモード』になった阿部が好きだった。
「俺も…っ、好きだよ」
荒い呼吸の中で、岩本は阿部の目を見て小さく告げる。
「ひかる…ッ」
吐息混じりに名前を呼んで、阿部は身体を痙攣させ果てた。
と、同時に岩本にも限界が来た。短く息を吐く。一瞬身震いすると、深いところで欲を吐き出した。
「あ…、中、熱い…」
大量に流れ込む熱い体液を感じ、阿部が呆然と呟く。岩本は長い射精の後、ゆっくり自身を抜き、乱れた呼吸を整えながら天井を仰いだ。
心地良い疲労感と脱力感。
阿部もまた同じだったが、視線を落とした岩本と目が合うと、ふっと笑った。伸ばされた手を握り、岩本は身体を重ねる。
「…おかわり、するんでしょ」
耳元で阿部が囁いた。
そして岩本を押し除けるようにして、身体を反転させる。
岩本の身体に馬乗りになって、阿部は妖艶な笑みを浮かべた。
岩本は彼を見上げて手を伸ばし、後頭部に手を添え引き寄せると、口付けた。
互いの中でチリチリと燻る熱が、再び燃え盛る。
岩本は唇を離し、不敵に笑った。
長い夜になりそうだ、と思った。
コメント
7件
好き好きモードにはいった💚と、それを愛でる💛‥もう幸せすぎます😭 最高の続きをありがとうございますー💛💚
🐴の阿部ちゃんいい………………