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ヘックスが脱獄計画を檻の中で立案している間カラピチののあ、えと、るなの3人は歩哨に連れられ労働に従事していた。
ガンガンガンガン!!
3人はひたすら石を掘っていく。この掘られた石がオクラン像の一部となるのだ。
のあ「もうお腹減って力が出ません…..」
えと「私も…」
るな「るなもお腹空いた….」
3人はこの世界に来てから食事をしていないので約20時間エネルギーを補給できていない。
HN歩哨3「私語を話すな。オクランの任務を果たせ。」
「「「……」」」
3人の身体は限界を迎えつつあった。
HN歩哨2「おーい3!」
HN歩哨3「?なんだ?」
HN歩哨2は3に奴隷服を3着渡す。
HN歩哨2「これアイツらに着させろ。」
HN歩哨3「あーアイツらまだ奴隷服じゃなかったな、わかった着させておく。ついでに髪も剃るか。」
HN歩哨2「そうしておけ。」
HN歩哨3「わかった。任せておけ。」
HN歩哨2はそれを聞くと走って去っていった。
HN歩哨3「あーでもめんどくせーな。誰か代わりにやってくれないかな。」
HN歩哨1「じゃあ俺がやろうか?」
HN歩哨3「おっう!?なんだ1かいきなり話かけてくんなよ。驚くだろ。」
HN歩哨1「すまんすまん。」
HN歩哨3「まあいいや、やってくれるんだろ?じゃあ頼むわ。俺他の奴隷達の監視行ってくるから。」
HN歩哨1「まかせておけ。」
HN歩哨3「おい、お前ら。」
「「「!?」」」
HN歩哨3「労働は一旦やめてあの歩哨1についていけ。」
歩哨3に言われのあ、えと、るなの3人は従順に歩哨1について行く。
3人は*コソコソ*と歩哨1に聞こえない程度に話しながら歩く。
のあ「何処に連れて行かれるのかな?」
えと「奴隷市場とか….」
るな「私たち売られちゃうの!?」
のあ「ワンチャンあるかも…..」
えと「嫌〜」
るな「じゃぱぱさん達も大丈夫かなぁ…..」
えと「多分じゃっぴ達は大丈夫でしょ。」
のあ「どっかで私たちのようになってる可能性も…..」
「「…….」」
るな「もう元の世界に帰りたい……」
「「……」」
話している内に歩哨1の足がある家の前で止まったので3人は話すのをやめる。
すると歩哨1は1着ずつ3人に奴隷服を配る。
HN歩哨1「今からこの服装に着替えろ。着替え終わったらすぐに家の外に出てこい。」
「「「……わかりました。」」」
なにか言おうとも3人は考えたが歩哨1の威圧感のある声に圧倒され何も言えなかった。
3人は家の中に入り一言も話さずに奴隷服に着替えていく。
のあ「脱いだ服どうすればいいかな?」
えと「適当に樽の中にでも入れとこう。」
るな「るなもそうする。」
着替えが終わり3人とも外に出ていくと歩哨1が手に小さな白い布を3枚持って待っていた。
それを3人に一枚ずつ配る。配り終わると歩哨1は話し始める。
HN歩哨1「本来女性の奴隷は髪を全部剃らないといけない。」
「「「!?」」」
3人は驚く。そりゃそうだ。女性にとって髪は命の次に大事なものだ。それを全部剃られるのだから。
HN歩哨1「だが正直俺は髪を剃りたくない。だからこの布を頭に巻いとけ。なんで巻いてるんだと言われても俺が命令したと言えばなんも咎められないだろ。あと今日の労働はもういいぞゆっくり休んどけ。」
歩哨1は言い終わると3人に背中を向け歩いて宿舎の方へ帰っていく。
のあは気になり歩哨1に聞く。
のあ「あっあの!」
歩哨1は歩いていた足を止め3人の方に振り返る。
HN歩哨1「なんだ?」
のあ「なんで私たちにちょっとよくしてくれるんですか?」
歩哨1は暫くうーんと唸ったあと「ただの気分。」と答え再び歩いて行ってしまった。
のあ「なんだったんでしょうあの人。」
えと「まあ、いいじゃんのあさん。髪全部剃らずに済んだんだし。」マキマキ
るな「そうだよのあさん!」マキマキ
のあ(確かに気しててもしかたないですね。)
のあは2人と同じように布を髪に巻き「そうですね。とりあえずヘックスさんのいる家に戻りましょう。」と言い2人を連れて歩きだした。
午前11時36分
ヘックス(この計画で行こう。)
ガチャ!
ヘックス「!?」
いきなり家の扉が開き俺は驚く。歩哨の奴が昼寝しに戻ってきたのかと思って扉の方を見るが帰って来たのはのあ、えと、るなの3人だった。
ヘックス「なんだアンタらか、びっくりさせないでくれ歩哨の奴が帰ってきたかと思ったぞ。」
のあ「それはごめんなさい?」
えと「のあさん早くもう休もう。」
るな「疲れたお腹減った。」
3人は檻の中に入りグッタリと座り込む。それにしても休憩でも貰えたのか?滅多に歩哨の奴らくれない筈なんだけどな。
ヘックス「休憩しに帰ってきたのか?」
えと「いえ、今日の労働がもう終わったので帰ってきました。」
ヘックス「へ?今日の労働終わり?」
のあ「はい、そうです。」
ヘックス「歩哨の奴がそう言ったのか?」
るな「そうですよ!」
………は?
嘘だろ!だってあのオクラン教の狂信者どもだぞ!!そんな奴等が来たばっかりの奴隷の奴らに「今日の労働もういいよ。」なんて言うのか!?
ヘックス「それマジ?」
えと「本当ですよ。」
ヘックス「本当の本当?」
るな「本当の本当です!」
ヘックス「いやいやいや、オクラン教の狂信者どもが来たばっかりのアンタらにそう簡単に「今日もう休め」って言うか!?」
のあ「え〜でもそう言われたんですよ。」
ヘックス「えっえーマジかぁ。」
俺は愕然とした気分になった。
るな「そういえば気になってたんですけどヘックスさんは私たちのように労働してるんですか?」
ヘックス「いいや、俺はアンタらのような強制労働はしてないししなくてもいいんだよ。」
るな「なんで!?ずるい!!」
ヘックス「ずるいって言われても….」
えと「なんで?」
ヘックス「俺は労働力にならないからだ。このリバース鉱山に来た最初の頃はしてたんだけどな。」
のあ「なんで労働力にならないんですか?見た感じだとヘックスさんバリバリに働けそうなのに?」
ヘックス「俺はハイブドローン兵で戦闘に向いてるハイブで労働に向いてるハイブワーカードローンじゃないのが一番の原因だな。」
のあ「ハイブドローン兵?」
えと「ハイブワーカードローン?」
るな「何それ?」
ヘックス「あーお前ら確かこの世界の出身じゃなかったな。知らないのも仕方ないか。」
えと「ずっと気になってましたけどこの世界って一体どんな世界なんですか?」
ヘックス「どんな世界か?そう言えば前話そうとした時にアンタらが歩哨に連れて行かれたから話せてなかったな。」
のあ「たしかにそうでしたね。」
ヘックス「アンタらの労働がもう今日はないらしいから話すのには丁度いいか。」
るな「でもるなお腹減ったよー。」
のあ・えと「私も。」
ヘックス「腹減ってるのか?」
のあ「はい、この世界に来てからまだ一度も食事してません。」
えと「ヘックスさんなんか持ってませんか?」
るな「あるならください!!」
俺は悩んだ。正直あと数日でお別れの彼女らに食糧を恵むより自分用として保存していた方がいいと思ったからだ。
だがこの時俺は過去の自分を思い出していた。
村八分にされ路頭に迷い腹を空かせながら暮らす日々、毎日が絶望感で一杯だった。
そんな俺を助けてくれる人は居なかったアイツ以外は…….
俺はかつての自分の姿を彼女らに重ねた。
……ここであげなかったらアイツに合わせる顔が無くなっちまうな。
ヘックス「わかった、ちょっと待ってろ。」
俺は隠していたブロック型栄養食とパン、水瓶を取り出した。
そして自分の檻をピッキングして開ける。
のあ「ヘックスさん檻開けれるんですか!?」
ヘックス「ああ、ピッキング得意だからな。」
えと「これが捕虜?」
ヘックス「昔ある人に教えてもらったのをここで極めた感じだな。」
るな「それがピッキングだったと。」
ヘックス「そうゆうこと。」
そう言いながら3人の檻の中に一個ずつブロック型栄養食、パン、水瓶を入れ自分の檻の中へと戻っていく。
久しぶりに食べ物を見た3人の目はさっきより輝いて見えた。特にのあの目がな…..
のあ「ご飯だあぁぁぁぁぁぁ!!」
えと「パンと水となんですかこれ?」
るな「ブロック?」
ヘックス「それはブロック型栄養食ってゆう食べ物だ。栄養たっぷり入ってるから美味いぞ。」
のあ「ありがとうございます!」
ヘックス「お礼はいいから早く食べろ、腹減ってるんだろ。」
えと「じゃあいただきます。」
のあ「いただきます!」
るな「いただきます!!」
3人はパクパクと食べ始める。
……..
ヘックス「何見てんだよ。」モグモグ
?「いやさぁ〜人が食べ物食べて幸せそうな顔を見るとコッチも幸せな気分になるんだよ。」
ヘックス「見んじゃねぇ、なんか恥ずい。」
?「ヘックスもいつか俺のこの気持ちがわかる時が来るさ。」
ヘックス「そんな日が俺に来るのか?」
?「俺は来ると思うよ、いつかね。なぁ〇〇!」
?「〇〇もそう思います。」
ヘックス「…….」モグモグ
アイツの言ってたこと今の俺ならわかる気がするよ。
確かに他人の幸せそうな顔を見るとコッチも幸せな気分になれるな。
ずっと3人頬張る顔を見ているとのあが俺の方を向く。
ヘックス「どした?」
のあ「いやヘックスさんさっきからコッチ見てますけど何かついてますか?」
ヘックス「ん?いや、幸せそうな顔してるなぁって思いながら見てただけだ。」
のあ「恥ずかしいのであんまり見ないでください。//」
ヘックス(昔の俺みたいだな。)
ヘックス「わかった、なるべく控えるよ。それと今からこの世界について話していくぞ。食べながら聞いててくれ。」
3人は頭を上下に*コクコク*と揺らす。
そして俺は3人にこの世界について語り始める。