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『言葉で紡ぐ恋のライム』
〜マイクで紡ぐ恋の予感?〜
番外編22『三つ子誘拐事件』前編
浅草にある名門学校「西城学園」小中高一貫の
学園。そこに通えるのは由緒あるご令嬢とご子息しか通えない。そして、その中でも優れている三つ子がいる。そう。荻浪千年。荻浪千代。
荻浪千羽。
三つ子の長女 千年
芸術の才を持つ天才少女である。数々の作品で賞を受賞する。
三つ子の次女 千代
スポーツの才を持つ天才少女である。数々の大会で優勝を修める。
三つ子の長男 千羽。
西城学園の秀才。学年一位の座を小等部から維持している。
そして、3人とも共通しているのは代々姫神家のボディーガードをしているということ。
荻浪家は姫神家に仕えるのが習わしである。
だが、そんな3人は多方面から恨みを買っている。
『千年ちゃん凄いね!また金賞だよ!』
『そんな大したことないわ、運が良かっただけよ。』
『千代ちゃんはスポーツ大会で金メダルだったんでしょ!?』
『うん。まぁいつも通りって感じ。』
『千羽君はまたテスト1位だったんだよね。本当に凄いよね!』
『ボクにかかればこんなの楽勝だよ。』
西城学園の秀才の三つ子。この3人だけでなく
家柄まで優れていることがどうやら気に食わない人達が――。
放課後
『千年姉今日お姉様の大学で演劇発表会があるんだって行くよね?』
『もちろん。何時からだったかしら。』
『えっと、午後の部だから15時からかな?今日は午前授業だから早めに行ってお姉様に差し入れしようよ。』
『それなら駅前のパティスリーのケーキを差し入れしよう。きっと喜ぶ。』
『待ちなさいよ。』
『3つ子。今日は帰らせないわ。』
『話がある。止まれ。』
門の前に3人が行く手を阻む。
『何かしら。確か隣のクラスの…』
城ノ内愛花(じょうのうちまなか)
九条凜子(くじょりんこ)
紫庄春臣(しじょうはるおみ)
『ライバルの名前くらい覚えてなさいよ!』
『ライバル?あぁ、この間の音楽の発表会で2位の城ノ内ね。ごめんなさいね。私下位の者は眼中になくて。』
『なっ!』
『スポーツ大会で銀メダル。私に負けた貴方が何の用?』
『くっ…あんなのまぐれじゃない!審査員の目が節穴なだけよ。』
『自分の実力が私に負けたからって僻み?』
『僻みって…。』
『万年2位がボクに何の用?こんなことしてる暇あるなら次のテストの為に勉強したら?まぁ勉強したところでボクには勝てないけど。』
『く…っ。お前がいなければ俺は1位になれるのに……っ。』
『もう許さないわ…。』
パチンっと指を鳴らして執事達を呼ぶ。
『はい。愛花様。』
『この3つ子を捕まえて!』
『かしこまりました。怪我をさせたくないので大人しくしてくださいね。』
『そう簡単に捕まると思わないでよ。』
『知らないの?私達は姫神家のボディーガード。大人しくなんてしないからね。』
『ボク達に怪我を負わせられると思ってるんだ。』
ボクたちは鞄を置いて戦闘態勢に入る。
『あんたたちを捕まえて、そうね、あんたたち仕えるお嬢様に脅迫でもしようかしら。』
『お嬢様には手出しさせない。千代。千羽。』
『すぐに片付ける。』
『もちろん。早く行かないとお姉様の演劇に間に合わないからね。』
数時間後――
『はぁ、はぁ…』
『いくら3人が強かろうとこの人数には勝てないみたいね。』
『く…。』
『めんどくさい…早く終わらせたいのに…』
と、その時、千年姉の背後から棒を持った男が襲いかかる。
『千年姉……!』
ガッ!
『う…っ!』
『千代!!そんな、私を庇って……。』
グイッ!
隙を見て3人を拘束する。
『千年姉に触るなよ!く、離せ!』
『さぁ、大人しくなさい?』
『今までの屈辱を晴らしてやる。』
3人を車に乗せて走らせる。
『さて、姫神家のお嬢様に電話しないとね。』
一方その頃――。
『午前の部お疲れ様でした。午後の部は15時からです。次も頑張りましょうね。このまま行けばあなた達が優勝よ。』
『はい、先生!』
『麻里衣さん。今回も凄く良かったわ。流石ね。』
『先生、ありがとうございます。午後の部も気合を入れますわ。』
『えぇ。期待してるわ。』
『まりぃちゃーん!』
『きゃぁ!』
後ろから乱数さんに抱き締められる。
『やほやほー!差し入れ持ってきたよん♡♡』
『劇すごく良かったです!流石麻里姉です!』
『ありがとう三郎君。』
『次も頑張れよ。麻里衣。』
『はい。』
『お姉ちゃん〜!』
『百合菜。部活終わったの?』
『うん!だからお姉ちゃんの劇見に来たよ♡』
『ふふ、ありがとう。差し入れ持ってきてくれたみたいだからみんなで食べましょうか。』
『わーい!』
と、その時――。
プルルル
『?電話?非通知……?』
私は電話に出る。
『もしもし。』
『初めまして。姫神麻里衣様。』
『!どうして名前を?』
『姫神家財閥のご令嬢の名前くらい知ってますわ。西城学園の城ノ内愛花です。貴方に仕える荻浪家の3つ子は誘拐させて頂きました。』
『千年達を……誘拐!?』
『え!? 』
『三つ子達を返して欲しければ今から指定する場所に来なさい。確か今日は演劇発表会があるんだとか。』
『!』
『賞がかかった演劇発表会とあなたに仕える使用人の命。貴方はどちらを取るかしら。』
ブチッ。
『お姉ちゃん、どういうこと?千年達が誘拐されたって。』
『そのままの意味だと思うわ。西城学園の城ノ内愛花って…3人の同級生だと思うけど…』
『ガキ同士の喧嘩かよ。誘拐ってのもただの悪ふざけじゃね?』
『……そんな雰囲気には見えなかったけどな。俺には。』
『兄貴……。』
『お嬢様、遅れて申し訳ございません。差し入れを…』
『蘭、千鶴。貴方たちの妹達が……』
事情説明中――
『なっ…!千年達が!?』
『城ノ内愛花…まさか…』
『蘭、何か知ってるの?』
『お嬢様知っての通り、千年達は西城学園の秀才と言われています。芸術の才を持つ千年。スポーツ大会で好成績を修める千代。学年1位の座を持つ千羽は恨みを買っています。一部の生徒に。それが城ノ内愛花。千年のライバルです。残りの2人は確か…九条凜子。千代のライバル。紫庄春臣。千羽のライバルです。』
『恨みを買うって……逆恨みじゃないか。ただ自分の実力が劣るからって。』
『……その子たちの要求が私ってことね。』
『でも、お姉ちゃん、劇は15時からでしょ?
あと1時間…間に合わなかったら優勝を逃すことに…』
『……。』
『お嬢様。これは我々荻浪家の問題です。本家で対応致しますのでお嬢様は気にすることありません。お嬢様は劇を優先して……』
『…何言ってるのよ。』
私はウィッグを外す。
『千年たちは私の大切な妹と弟。本当の姉弟のように幼い頃から育てられた。ただの使用人なんかじゃない。大切な妹と弟よ。劇の優勝なんて二の次よ。』
『お嬢様……。』
『お姉ちゃん……。』
『相手が子供で容赦しないわ。この姫神家に喧嘩を売ったのよ。後悔させてやるわ。』
『麻里衣。俺たちも一緒に行くぜ。お前に喧嘩を売ったってことは俺達にも喧嘩を売られた
ってことだからな。』
『左馬刻さん…。ありがとうございます。』
『先生。午後の部は確かさっきの午前の部の続きからですよね?』
『え、えぇ。麻里衣さんが出るのはまだ先だけど……。 』
『それなら大丈夫です。必ず劇には間に合わせます。お願いします。私を行かせてください。』
『麻里衣さんなら信用できます。必ず戻ってきてくださいね。』
『はい、先生。指定された場所は…廃工場…ここから車で行ける距離…。蘭、千鶴。車を出して。』
『『はい。お嬢様。』』
『百合菜。貴方は…』
『お姉ちゃんが行くなら私も行くよ。私にとっても大切な妹と弟だもんね!』
『えぇ。そうね。』
私達は廃工場へと向かった――
次回後編へ続く!
コメント
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番外編22『三つ子誘拐事件』前編、読み終えました! まず三つ子のキャラが立ってて、それぞれの得意分野がはっきりしてるから一瞬で違いが分かるのがいいですね。そしてライバルたちに煽り返す感じが小気味よくて、思わず「言うね!」って笑っちゃいました。 でもそこからの誘拐は急展開で、一気にシリアスに。特に麻里衣さんが劇の優勝より三つ子を選ぶところ、胸に来ました。家族みたいに育った絆がちゃんと描かれていて。 後編、どうなるのか気になります!