テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『言葉で紡ぐ恋のライム』
〜マイクで紡ぐ恋の予感?〜
番外編22『三つ子誘拐事件』後編
廃工場
『無様ね。秀才様揃って手も足も出ないなんて。』
『…弱い犬ほどよく吠える。』
『……!なんですって?』
『実力が勝てないからこんな卑怯な手を使うお前らにふさわしい言葉だな。』
『これだけ痛めつけられたのにまだ足りないの?』
『まぁ落ち着きなよ、愛花。この3人のお嬢様が来たらそのお嬢様も一緒に痛めつければいいじゃん。その方がより面白い顔が見れるかもよ?』
『それもそうね。そろそろ来るかしら。』
『お姉様なら、来ない。今日は大切な演劇発表会がある。賞がかかった大切な発表会なんだ。それを後回しにして私たちを助けになんて…。』
『あらまぁ!可哀想ね。大好きなお姉様にも見捨てられちゃって。』
『信用してるからだ。私もお姉様もお互いに信用してるからこう断言出来る。本当の妹、弟のように扱ってくれてるけど、使用人という事実は拭いきれないんだ。』
『それに、お前らごときじゃ敵わないよ。
私達の仕えるお嬢様は完璧だから。』
『っ……!』
と、その時――。
ドゴッ!
『左馬刻さん、お姉ちゃん!キョウコウトッパなの!?』
『チマチマしてたら意味無いでしょ!』
『こういうのは勢いが大事なんだ。』
シャッターが蹴破られる。
『城ノ内愛花。九条凜子。紫庄春臣。よくも私の大切な妹と弟を攫ってくれたわね。』
『どうして、来たの…今日は大事な発表会があったんじゃないの!?それに、見張りもいたのに…。』
『全員片付けたわ。それに……発表会なんてものより、私達の妹と弟の方が何より大切よ。 』
『『『お姉様……。』』』
『さて。見張りの人達も懲らしめたし…あなたたちにも本来なら同じことをしなきゃだけど…。』
『あぁ。こんな奴らボコボコに……。』
拳を構える左馬刻さんを抑える。
スっ。
『ここは私が。』
『麻里衣……?』
私は竹刀を捨てて3人の前に立つ。
『まだあなた達は子供だからお説教が必要ね。』
『っ、私達はただ秀才のこいつらが気に入らないから痛めつけただけよ!大体いつも才能を引け散らかすようなことをして、ムカつくのよ!』
『ただ運が良かっただけで金メダルだって、賞状だって…。』
『あいつがいなければ僕は1位になれるのに!』
『……引け散らかす、ね。確かに、3人は秀才と呼ぶに相応しいわね。でも、それは努力してるからよ。あなた達以上に。3人が結果を残すのは努力に見合った対価を貰っただけ。あなたたちはそれに負けた。勝つ努力もしないでその怒りを3人にぶつけた愚か者よ。』
バシンっ!×3
『『『いたっ!』』』
『これは3人の痛みよ。子供でよかったわね。中学生をボコボコにするほど私は愚かじゃないから。貴方達子供にはこれで充分ね。さて…。』
私は3人の縄を解く。
『お姉様…どうして…。』
『発表会は良かったんですか?』
『ボク達のことなんて……』
『……。』
ぺちんッ。
私は3人の頭を叩く。
『『『っ!?』』』
『3人にもお説教よ。千年。千代。千羽。確かにあなた達は秀才よ。でも、本当の秀才って言うのはね。』
私は3人の頭を撫でる。
『自分の実力を引け散らかすような真似はしない人のことを言うの。自分の努力は周りに自慢するようなものじゃない。自分自身で誇りに思えばいい。それがあなた達には出来るでしょう?』
『『『お姉様……。』』』
『…ほんと、敵わないね。』
『俺達の好きになった子は最強やわ。』
『不意打ちでドキドキさせにくるなんて…ずるいなぁ。』
『さて、帰りましょう。ね。』
3人の手を引いて車へ戻る。
『お嬢様。あの3人のことはどうしますか?』
#ツイステッドワンダーランド
霜
887
椎名
219
#ヒプノシスマイク
『…すぐに分かるわ。』
『え?』
私はパソコンを開く。
カタカタカタ……。ターンっ!
『城ノ内財閥の経営する会社…。
九条ホテル…。紫庄病院…。この3つを姫神家が買収したわ。』
『え……!?』
『車の中でパソコンいじってたのって…』
『えぇ。3人の親の会社を姫神家が買い取ったの。素直に謝ってれば…許してあげたのに。 』
私はニヤリと笑う。
『嘘、パパの会社を…?』
『そんな、お父さんのホテルが…。』
『お父様の病院を…?』
同時に3人のスマホが鳴る。
『愛花!なんてことしたんだ!姫神家のお嬢様を怒らせるなんて!』
『凜子!私のホテルの経営権を姫神家に奪われた!どうしてくれる!』
『春臣!!姫神家のお嬢様に何をした!この病院は姫神家に買い取られた!お前が跡を継ぐはずだったのに!』
『パパ!違う、私は荻浪達に…!』
『『『荻浪家だと!?』』』
『馬鹿野郎!荻浪家は姫神家の傘下だ!荻浪家に手を出せば姫神家を敵に回したのと同義なんだ!』
『『『そ、そんな…。』』』
『……。』
パタンッとパソコンを閉じる。
『ま、まさか、子供にはこれでいいって…
最初から許す気はなかったの…?パパ達の会社を買収するのが大人への罰…ってことなの…?』
『……貴方達が素直に3人に謝れば少し懲らしめるくらいにしてあげた。貴方達の親の会社の株をちょっと買い占めるだけとか。』
(それもそれで怖いな。)
『だけど、貴方達は謝らなかった。あまつさえ暴言を吐いたから。だから全部奪ってあげた。これで親諸共おしまいよ。これからあなたたちがどうなるかはすぐに分かる。それに…良かったわね。この3人が嫌いだったんでしょ?邪魔だったのよね?それなら、貴方達が消えればもう学園で会うこともないわね(*^^*)』
『あ、悪魔だ……。』
『自業自得よ。私を敵に回したこと後悔なさい。蘭、千鶴。』
『車を出して。大学まで向かって。』
こうして、無事に3人は救出され、劇も大成功なのでした。
数日後
『二郎くん。宿題で何かわからないこととかある?』
『な、ないです!自分でやります!』
『何故敬語…』
『ま、麻里衣、さん。お腹すきませんか?小生がお菓子を……』
『他人行儀が凄い…』
『無理もないですよお嬢様…あんなお嬢様の怖い一面を見られたら…』
『怖い一面…。あぁ、会社を買収したこと?』
『1つでもやべぇのにそれを3つだもんな…』
『うん…流石っていうか、ここまで来ると怖い。』
『なんかすごく引かれてる。』
『僕はこっちの麻里姉も好きですよ。僕と似てて。』
『兄としては複雑だ。三郎。』
『ふふっ。千年達じゃなくても同じことをしましたよ。たとえ皆さんが攫われても、蘭や千鶴が攫われても。ね。』
私は不敵な笑みを浮かべる。
(こえぇ……。)
『じゃあ私が攫われたら?』
『ふっ。そんなのもちろん――
(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)』
『お嬢様もうやめてください!』
『ふふ、冗談よ。』
(絶対まじじゃん。)
おまけ
『麻里衣!また貴方会社を買収したでしょ!』
『お母さんにはバレちゃったのね。』
(また?またって何?)一同
めでたしめでたし……なのか?
コメント
1件
読み終えたわ。麻里衣お姉様、かっこよすぎる……!発表会すっ飛ばして乗り込むのがもう姉の鑑だし、「子供にはお説教で充分」って線引きしつつ、親の会社3つまとめて買収するとか悪魔過ぎるだろ。でも読んでてスッキリしたわ。最後の「自主規制」連打と夫たちの「絶対まじじゃん」に笑った。面白かった🔥