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⋆. ݁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈꙳ᕀ
今日も何事もない日々がすぎていく。
道端に一輪だけ咲いている花があまりにも綺麗に見えてしまうほどには自分は堕落しているのかと錯覚するほど何も無い日常にもはや辟易していた。写真だけでも撮るか、そう考えて花の近くに腰を下ろした。
「…あの!」
咄嗟に声を掛けた。背の高い男の人がハンカチを落としたから。それだけだった。それだけで、終わらせようと思った。
「ハンカチ、落としましたよ…?」
「……ありがとうございます…、」
えへへ、と照れくさそうに笑った彼があまりにも綺麗で…いや、これはきっと堕落した感覚ではない。まだ人生捨てたもんじゃないな、そう思っては思わず吐息で笑った。
「…写真……撮ってたんですか?」
思いもよらない発言に思わず目を瞬いた。
「いや…、まぁ……、はい……」
尻窄みになりながらも是を示せば頭上から好奇の視線を感じ、思わず目線を持ち上げる。
「どんな写真を撮ってるんですか!」
再び目を瞬いた。
牛沢は少々逡巡した後、スマホを取りだしSNSを開いた。
「こういう…感じのを…」
あまり見られてるわけではないがただ忘備録として使っているSNSアカウントを男に見せる。
「…あれ?もしかして…牛沢さん…??」
次は2人して目を瞬かせた。
何故?お互いそんな顔をして見つめ合う。先に沈黙を破ったのは──
「俺大ファンなんです!!」
目の前の背高の彼だった。
「いつも何気ない風景をお洒落に撮って見せる牛沢さんが大好きで1日の終わりには癒しを求めて見てました!!」
ぱぁっ、と輝く笑顔で捲し立てられる様に言われては牛沢は一歩後退った。
「ぁ、ありがとう…ございます……?」
こんな人には会ったことが無かったし会うとも思っていなかったあまりにカタコトになってしまう牛沢に彼はくすくすと笑う。
「本当にファンなんです、会えて光栄です…」
心の底から嬉しいを体現した瞳に見詰められては牛沢はほぅ、と感嘆の息を吐いた。
「あの…良ければ一緒にご飯でも……」
口を突いて出た言葉に牛沢は口を塞ぐ。再び肩を揺らして笑った彼は
「えぇ、喜んで」
そう答えたのだった。
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