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こんな世界なんて

3 - 第3話

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2024年12月07日

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「ねぇ、光希〜お腹減った〜」

「はぁ?お前もうすぐ夕飯だっての。」

「え〜なんかぁお腹減った〜」

「はぁ…お前は一体何歳児なんだ…」

「ピチピチの17歳児!」

「あーそうかい。なら17歳児は黙って歩いてろ。」

「え〜!!ひどい!子供相手にー!!」

「俺はお前と同い年だし、双子だよ。はぁ…」

全く、ほんとに何歳なんだか…。

「そんなに腹減ったなら早く歩いて帰ればいいだろ。」

「…」

「おい?なんだ?正論すぎてぐうの音も出ないのか?」

「…」

「おい?光葉?」

目を疑った。光葉が倒れて体につたのようなものが巻きつき、蕾のようなものがついている。

「…光葉?」

「ごめん、光希。感染しちゃったみたい。」

「な、なんで…」

「…わかんない。でも、見たところ薔薇病って感じかな。あは、名前に葉が入ってたから植物系の奇病なんてふさわしいじゃん。」

「こんな時に何言ってんだよ!」

「…ごめんね。光希は早く逃げな。じゃないと光希も殺されちゃうよ?」

「…いやだ。」

「え?」

「誰が実の妹を置いていくかよ。」

「なにそれ。こんな時だけ兄貴ズラしないでよね。同い年のくせに。」

「ああ。そうだよ。こんな時だけ兄貴ズラだよ。でもこんなに泣きそうな妹がいたら、誰だって兄貴ズラしたくなるに決まってんだろ。」

「…」

「早く逃げるぞ。」

「逃げるってどこへ?」

「それは…」

「どこにも逃げられないよ、光希。」

「…」

「私も姿が変わっちゃったから、どこへにげてもわかっちゃうよ。」

「…」

「だから、ね?光希。逃げるのは諦めよう?」

「…だから、なんだってんだ。」

「え?」

「逃げ場がないからなんだって?上等だよ。ちょうどこんなクズみたい世界に飽き飽きしてたところだよ。最後くらい思う存分暴れてやろーぜ!それで、奇病になったって殺さないよう脅せばいいんだよ!」

「…なにそれ。厨二病みたい笑…でも、うん。そうだよね。私もこんな世界、嫌いだし、奇病に感染しちゃっても殺されたくない!だから最後まで足掻こうかな!意地汚くても。」

「それでいいんだよ。」

「でも、見つかっちゃたらどうするの?」

「そんときはそんとき。でも、絶対お前は死なせない。俺は腐ってでもお前の片割れの兄貴だからよ。」

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