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「俺より、うみにゃのほうがよっぽど、元気じゃなさそうだけど」
「まあ……そうね」
昨日はゲームしてて寝不足で、そういってうみにゃはへらへら笑った。
「俺も誘ってくれたら良かったのに」
「DDは好きじゃないと思うよ〜?」
笑顔を崩さないうみにゃの瞳を覗き込む。なんか、無理してないか。目の奥がちっとも笑えていない気がして、でも、単に俺とは一緒にできないゲームをしていることを気まずく思っているだけなのかもしれない。いや、それにしても。
「うみにゃ、結構顔色ひどいから、今日は寝た方がいいよ」
「…………いや〜、社会にでると、削れる時間が睡眠時間しかなくて、はは、でも、ほどほどにするよ」
DDにそんなこと言われる日が来るとは思わなかったな、乾いた笑い声が響く。じっとうみにゃを見つめれば、すいと視線を逸らされてしまった。その横顔は、光の加減を差し引いても、随分と蒼白に見える。
「もう、家に帰るんだよな? 送る」
「……え、いいよ。むしろ俺がDDを送らなきゃ」
「いいから。帰るぞ」
このまま放っておいたら、ふらふらどこかに行ってしまいそうな気がして。折れそうなくらい白くて細い腕を掴んだ。まあ、俺も人のことは言えないんだけど。
うみにゃの家は知っていた。何度か遊びに行ったことがある。確か、こっち。
呆けているうみにゃを先導して、帰路に着く。うみにゃの家に向かっているはずなのに、なぜかうみにゃは俺の半歩後ろを、覚束ない足取りでついてきていた。