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#ファンタジー
芙月みひろ
213
520
#異世界転生
しめさば
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#学園
要 九十九
10,615
一通り食べ終わり、芦兆さんは恐る恐る缶チューハイの蓋を開ける。
(カシュッ)
「かんぱーい!」言芦
「かんぱい…」芦兆
一口を含み、しっかり口の中で味わう…。
「なんか…ほんのちょっと苦い炭酸ジュース…?」芦兆
「はははっ!チューハイはそんなもんだ!それ弱いやつだしコーラ飲んでる感覚でぐびぐびいっちゃっても大丈夫だと思うぞ」言売
「ふーん…」芦兆
(ゴクッ…ゴクッ…)芦兆
「にしても俺のは早めに帰るからって前飲んでたの買ったけど、久々すぎて少しきちいな…この一本でやめよ…」
その頃私はと言うと、滅多に飲まないコーラをちまちま飲んでいた。
「それって何パーなんだ?(俺のは3%って書いてある)」芦兆
「7パーだ、芦兆が赤ん坊の頃はこのぐらい平気だったんだけどなぁ、俺もおっさんだなぁ」言売
「芦兆さんの赤ちゃんの頃ってどんな感じだったの?」月二夜
「えっ、気になるのか?んー…んーーー…1個思い出した!俺のこともパパって呼んでたぞ」言売
「ぶふっ…ほんとかそれ」芦兆
「まぁ歳も近かったし周りからも似てたって言われてたしなぁ、何せ兄弟だし…あの頃は可愛かったぜ…兄貴と二人並んでも疑い無くパパが二人いるって思い込んでたしよ、今でも可愛い息子みたいなもんだけどな!」言売
「可愛い、ありがとう(^q^)」月二夜
「月二夜は何を得たというんだ」芦兆
なんやかんやでお話は盛り上がり…外はすっかり夜になっている。
「ぷあああ…久々にちょっとふらつくなぁ…ちょっくら横になってくるわ、片付けはその後やる、そのまま寝てるかもしんないけど」言売
「おやすみー」芦兆
居間で芦兆さんと二人きり…。
「なぁ、その残ってるコーラ飲んでいいか」芦兆
「え、えっ?…いい…けど…口付けちゃってるよ?」月二夜
「平気平気」芦兆
芦兆さんはそのまま私の手元にあるコーラを手に取り躊躇なく口の中に流し込んだ。
私は何故かその姿から目を逸らせずにいる…。
してる!してるよ!キス!…いや、関節キス!芦兆さんって気にしない人なの?!… いや、あまり意外でもないのかも…?
「うん、やっぱ飲み慣れてるコーラが美味い」芦兆
「芦兆さんってコーラ好きなんだね」月二夜
「うーん、味も好きってのもあるけど、甘いものも好きなのも大きいかな、和菓子はそこまで好きじゃないけど」芦兆
たしかに隙あらば甘いもの口にしてる気がする。
「食器ぐらいは片付けないとな…っと…」芦兆
芦兆さんは立ち上がろうとした時、何故かこっちに倒れこんだ。
「きゃっ…」月二夜
「ご…ごめ…危なかった…」芦兆
かろうじて、私の上で腕を立てて直撃を免れていた。
え?ラッキー床ドン?!
「芦兆さん大丈夫…?」月二夜
「初めて酒飲んだせいなのかな…ちょっと体に力が入りにくくて…弱くても侮れないな…」芦兆
たしかに少し顔が赤い、息も荒いし腕もプルプルしてる。
酒って怖いな。
「少し休んでからにしよ?」月二夜
「ああ…そうしよっかな…」芦兆
「……えっ?」月二夜
芦兆さんは大胆にもそのままゆっくり私の体に体重を預けた。
互いの全身が衣服越しに密着していく。
そして芦兆さんの顔面が私の右側の首元に…触れるか触れないかギリギリにまで近づく。
あったかい吐息が…首筋に当たって…くすぐったい…自分で匂いは気にしてないとはいえ今日は風呂に入ってないし…。
「芦兆さん…臭かったらごめんなさい…」月二夜
「んー…いーにおい…」芦兆
芦兆さんの吐息混じりの低い声が右耳の鼓膜に響く。
「んんっ…そ…そんな…」月二夜
そういうシチュエーションは恥ずかしいものと聞いたことはあるが想像以上に相当恥ずかしいぞ!
それになんか…お腹に…芦兆さんの…芦兆さんの芦兆さん♂が私のお腹に当たってる…。
芦兆さんのズボンとか私の服とか隔たりがあるはずなのにはっきりと形や熱が腹部に伝わってくる。
…しかも…意外と大きい…体は小さい方だと思うのにそこは立派だなんて………ちょっとどんな反応すればいいか分からない!
入ったら…どんな感じなのかな…。
ちょっと怖い気はしてる。
やっぱり最初は痛い…?
慣れると気持ちよくなるものなのかな…。
私の体はまだその感覚を知らないが故に期待してしまっている。
隔たりがなければ…あと数cmズレていたら…。
芦兆さん♂の熱に当てられ入りかけていたエンジンがフル稼働直前にまで入っている。
…でも、嫌じゃない。
酒が入ってるとはいえ、誕生日のこの日、芦兆さんが自ら仮面を外して甘えてくれてるような気がした。
芦兆さんの胸元から心臓の音が聞こえる、どんなに信じられない力を持っても、芦兆さんはこの世の一人の人間だと教えてくれる。
私は彼の背中へ両腕をまわし、静かに抱き寄せた。
このまま…溶け合えたら…。
私は互いの熱が、互いの鼓動が、互いの境目を曖昧にしていくような感覚に酔いしれた。
私にはきっとお酒よりも効く麻薬だ。
「はっ…」芦兆
「びっくりした…どうしたの?」月二夜
「いや、酔った勢いでこのままふて寝するとこだった」芦兆
…私はこのままでもいいんだけど。
「部屋戻るかー…んしょっと」芦兆
「あっ…」月二夜
芦兆さんが離れてく、密着していた部分に籠っていた熱が空へ離散していく。
芦兆さんはふらつくことなく立ち上がった。
まぁ弱いやつって言ってたし仕方ないよな。
「なんか眠いし皿片付けるのめんどいな…やっぱり言売に任せよ…ふぁあ…ちゃんと自分の部屋で寝てくr──」芦兆
「あのっ!」月二夜
戸を開き居間から出ようとした芦兆さんの腕を掴んで無理やり引き止めた。
「なんだ?」芦兆
「………」月二夜
「さっきは重かったよな、すまん」芦兆
「………謝らないで」月二夜
「お、おう…」芦兆
本当は芦兆さんが求める立場。
その本人に謝罪させるなんて…そんな救いのないこと…私はこのままにしたくない…。
かといって「私を抱いてもいいんだよ」なんて言ってしまうのは、それって私が求めてしまってるしそもそも恥ずかしくて言えないし…そもそも芦兆さんがその気なのかもわからない…。
居間のアナログ時計の短針は既に23時を過ぎていた。
芦兆さんの誕生日が終わってしまう。
このままじゃ…私は芦兆さんに何も与えられずに…。
先程酔いしれた熱があるからこそ、今私の中で渦巻いている無力さが一層冷たく感じられる。
胸がぎゅっと締め付けられる。
芦兆さんの誕生日とか以前に、私はただ芦兆さんとの二人の時間を過ごしたいだけなのかもしれない、いや実際そうだけども。
突然、芦兆さんは私の顎をそっと持ち上げた。
そしてもう片方の手…人差し指を私の唇に押し当てる。
すると急に芦兆さんの顔面が近づいてきて──。
「…っ」月二夜
思わず目を閉じてしまう。
鼻息が近い…今確実に芦兆が目の前…至近距離にいるのが分かる。
しばらくして、気配が遠のいていく。
目を開けると…いつもの芦兆さんが私の目の前でいつものように立っている。
「その…俺は嫌じゃないからな…月二夜のこと」芦兆
芦兆さんは目を逸らしながらそんなことを言う。
「え………、っ?!」月二夜
目を閉じてたから分からなかった、さっきのって…指越しに…き、ききき、キスを…を…を…をおうおを ?!
「まぁあれだ、まだ親御さんに相談できてないだろう…この続きはその後でってことで…」芦兆
「…うん!私頑張る!絶対戻ってくるから!」月二夜
結局その日は、芦兆さんの仮面を剥がせた以上に私の心も体もはしゃいじゃってしまっていた。
コメント
1件
第14話、めっちゃ良かった…!!「仮面を溶かす」ってタイトル通り、お酒の力で芦兆さんの仮面がふわっと外れて甘えてくるシーンがもうエモすぎた😭💕 初めての酒でふらついて月二夜に体重預けるとことか、「いーにおい」って耳元で囁かれるとことか、心臓バクバクが止まらんかったよ…! 間接キスからの指越しキスもドキドキがヤバい…!! ラストの「嫌じゃないからな」って照れながら言う芦兆さん、完全に恋する少年じゃん…! 続きが早く読みたいよ〜!!!✨